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◇第2話◇ バイト
バイトは、隣町のファミレス。
本当は学校がバイト禁止だから、バレないように学校から遠いところにした。
「こんにちは、莉子ちゃん。」
「こんにちは。」
バイト先の先輩の高野さんが話しかけてきた。
高野さんは大学生で、すごい美人でスタイル抜群、しっかりしてて何より優しい。
これが才色兼備ってやつか。
「あ、今日は1人休みだから忙しくなるよ〜」
「はーい」
高野さんとホールに入ろうとしたその時。
「すみません!遅れました!」
厨房で働いてる、私と同じ高2の篠田くんが来た。
「ちょっと篠田、また遅刻?何回目よ?」
「いやー、ちょっとバタバタしてたら遅れちゃって…」
定番の高野さんと篠田くんのやり取り。まるでいたちごっこ。
「さっさと着替えて厨房に入るのよ!」
「へーい」
「じゃ、私たちは行こっか、莉子ちゃん。」
「はい!」