真実は
咲生が遅刻するのを聞いて、家をゆっくりしてから出た。
・・・あれ?
亮の彼女かな。
亮とは蓮見家次男、ようするに弟。
目の前から、見覚えのある女の子があるいてくる。
「渉さん?」
やっぱりそうだった。
「こんにちわ。美菜ちゃん。もしかして、今からうちにくる??」
美菜ちゃんは、少し頬を赤らませ小さく返事した。
「来てくれるのはあいつも喜ぶんだけど、今、インフルエンザで会えないんだよね。」
弟は昨日、熱を出し、病院に言ったら『インフルエンザ』だと言われてきた。
「そうですか。チョコは、次に会うとき渡すことにします。それでお願いが・・・。」
「なあに?」
「もうすぐで誕生日じゃないですか☆それで、亮にプレゼントをあげたいんです!!それで、ネックレスあげようと思うんですけど・・・亮のお気に入りのお店知ってますか??」
「あぁ!!あそこね!知ってるよ☆」
「教えてください!!」
「美菜ちゃんは、本当にあいつのことが好きだよね。」
「好きですよ。それは渉さんもでしょ?」
「うん。大好きだね。」
「愛されてるなー(笑)そうそう!!さっきの話ですけれどね、付き合ってもらえませんか?」
「いいよ。それでさっちゃんには、来たら話してみるよ。」
「はい☆お願い・・・彼女さん??」
「って言うわけなんだけど、分かってもらえた??」
・・・恥ずかしい。
何私ってば、勘違いしてるんだろう。
穴があったら入りたい!!
「・・・ごめんね。」
顔を上げると、にっこり笑った渉が
「分かってくれでばいいよ。・・・別れないよね?」
「うん。」
真っ赤な顔の私を見て、満足そうな顔をしていた。
耐え切れずまた下を向く。
「さっちゃん。」
名前を呼ばれて顔を上げた。
ちゅっ。
目の前には、渉の顔があった。
一瞬何が起こったのか分からなかった。
だけど、だんだん頭が回りだし、顔がさっき以上に赤くなった。
それと同時に、口をおさえ睨んだ。
渉は、笑っていた。
「油断してると狙われちゃうよ。油断大敵☆」
「あんたが言うな!!!・・・はい。」
渉に、作ってきたチョコを渡した。
お姉ちゃんに手伝ってもらったことを付け足して。
そして後ろを向き、歩き始める。
「さっちゃん。」
呼ばれたので後ろを向く。
でもしっかり口をおさえて。
見た瞬間、渉は吹き出した。
笑いながら私に近づいてくるので、頭で『?』を出してると
「ありがとう。」
と言葉と一緒に、頭にキスされた。
目の前の彼の笑顔を見て、私も自然と微笑んだ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。