その娘は誰?
ハッと目が覚めた。
・・・懐かしい夢。
あの時は、授業どころじゃなかったな。(苦笑)
なんたって、女子のアイドル的存在の人だったし。
・・・今ここどこ!?!?
バッと後ろを振り返る。
うっ・・・分かんない。
「次は、つくしが丘ー。つくしが丘。御出口は、左側です。」
よかったー。
ちょうど降りる駅だ。
ホッとしているのもつかの間、電車が止まりドアが開いた。
時計を見る。11時34分。
ここから、待ち合わせ場所まで5分。
待たせてるには変わりない。
走ろう!!
でも、走っても走っても距離が縮まらない。
そんな気さえしてしまう。
―つくしが丘公園―
・・・はぁはぁ・・・やっと着いた。
ぱっと見分からない。
もう少し奥かな。
入ってしばらくすると声がする。
渉??
「好きですよ。それは、渉さんもでしょ?」
「うん。大好きだね。」
好き??
誰が誰を・・・?
「愛されてるなー(笑)そうそう!!さっきの話ですけれどね、付き合ってもらえませんか?」
「いいよ。それでさっちゃんには、来たら話してみるよ。」
・・・何を話すの?
・・・別れ話?
私達、もうだめ?
「はい☆お願い・・・彼女さん??」
こっちに気がついた。
女の子は、首を傾げてる。
・・・かわいい。
見るからに、守ってあげたくなるような娘で、私とは比べ物にならないくらい『女の子』の言葉があてはまってた。
「さっちゃん☆」
渉は、満面の笑みで話しかける。
「交通事故にあってないか、心配だったんだよ!!無事に来てよかった。」
「うっうん。」
遅刻を誤ろうとするが、言葉が出てこない。
「そうそう。僕の彼女の永田咲生ちゃん☆そしてこちらは僕の」
「いやっ!!聞きたくない!!!」
急に怖くなった。
「さっちゃん!?」
渉が驚いてる。
私は耳を塞ぎ、首を振った。
「僕の話を・・・。」
「いやっ!!」
聞いたら後戻り出来なくなる。
「咲生!!」
「別れないから!!」
一言言い残した後、走って逃げた。
後ろから私を呼ぶ声がしたけれど、振り返らなかった。
怖かったから。