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そして季節は巡って
夢とはつまり記憶の整理だ。
記憶とはつまり自身が体験した過去だ。
つまりあれは俺の夢ではない。
俺があの日見た、言うなれば“夢”という体験は、つまり俺の体験した過去ではない訳で。
だとするならそれは一体、元々誰の“夢”で、誰の“過去”なんだろうか。
夢の持ち主に心当たりが無い訳じゃない。
しかし、そいつは何も答えてはくれない。
であるなら、真実なんて分かる物じゃない。
そうだろ?
結局と言うか何と言うか、今現在俺の話を聞いてくれるのはあんただけだ。
この先に起こるそれらを見る事が出来るのもあんただけ。
……じゃあ行こうか。
再びようこそ。
この不自然が蔓延る世界へ。




