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ExtraMaxWay-NaturaProdesse-  作者: 凩夏明野
第五章-通り魔的螺旋階段-
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vsジェイカー・リットネス

「……紳に話は聞いていましたから驚きません。」


「えーつまんないなぁ。」


「何をしに帰ってきたんですかめ―――」


「ありゃりゃぁ?あたしジェイクに言ってなかったっけ?」


「はい?」


「あたしの地位についてよ。」


地位……。


「成る程。合点がいきました。ライノセンスは嘘を吐いていた訳ですね。」


「そうよ。あいつとはエジプトとかロシアとかでちゃんばらはしたけど、決闘なんてしてない。なのにあいつときたらぁ……。ホント、ぶった切らなきゃあたしの気が治まらないわよ。ぷんすかぷんよ全く。」


「“慄然する十二の咆哮”をぶんぶん振り回さないで下さい。どなたかの車がお釈迦になってしまう。」


「そうならない様にしたいならさぁ、さっさとジェイクも構えてよ。」


「……はあ。」


仕方ないか。


「天高く炎立つ。天蓋を焦がす灼熱の天国“炎の柱(コラスィ)”。」


「わぁー熱い。」


「余裕ですね。」


「当然でしょ。」


と、なんの前触れもなく女は突っ込んできた。0.3秒

“慄然する十二の咆哮”による凄まじい早さの斬撃。0.4秒

ま、私は反応出来ますがね。0.4秒

“炎の柱”と“慄然する十二の咆哮”が激しくぶつかり合い火花を散らす。0.5秒


「なはははぁ。流石メタトロンの剣ねー。メルトロスの一撃を普通に受け止めるなんて。」


「当たり前、でしょう。こちらの天使も神を冠する……者なのですからね!」


刃を振り抜き女から距離を取る。


「“慄然する十二の咆哮”。使用者に十二の力を与える大剣ですか……。噂に違わぬ強さです。」


「ありゃりゃぁ。あたしジェイクにメルトロス見せたことなかったけ。」


「ないですね。」


「うわぁーそれはごめんね。」


「別に謝る必要はないのですが……。」


「ですが?」


「いえ、これはまだ続けるんですか?」


「あ、そうだぁ!アゲロス使ってよ!」


「……。」


この人の話題転換には付いていけない。

何故ここで“契約の天使(アゲロス)”が出てくるんだ。


「オリハルコン着るからさ、使って使って使ってよー!」


「別に私は構いませんけど。」


「やったぁ!絶大的最高防御神。“|規律に纏いし堅牢なる装甲オリハルコン”。」


「はあ。降り注ぐ契約の対価。“契約の天使”。」


「うわぁーい!すごー―――」


女の歓喜の声も最後までは聞こえなかった。

……恐らく、光の矢、火の矢、重力の矢が雨霰と降っているあの空間で、彼女ははしゃいでいるんでしょうけど。


「……。」


気配が無くなった。


「やれやれ。彼女は一体何をしに私の前に来たんだ……。」


因みに知っているとは思いますが、私の家と呼べる物はW.W.Sの一室です。

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