vs神杉紳
「……いえいえ。爽から話を聞いて貴女が来た事は知っていました。だからいずれ私の前にも姿を見せるとは思っていましたが、戦いにはならないでしょう?」
「なはははははははぁ。なぁに言っちゃってんのよ紳。あんたの強さは今のジェイクにも負けないレベルでしょぉが。相変わらず謙遜の塊なぁのねー。」
大剣を担ぎながらけらけら笑う女の子。
非常に非日常です。
かく言う私も右手に“落日に燦然たる福音”を構えていますが、この子には効きませんからね。
“破壊の天使”を召喚する気は無い。
『空蝉』、『犀』、『素魚』も一応ありますが、これらを駆使しても勝てはしないでしょう。
盗れても腕一本といった所でしょうし、それを盗るために私は腕二本と脚一本を犠牲にしなくてはならないでしょう。
どこまで考えても、戦う意味が無い。
というより戦ってはいけない。
「ちょっと、バレットオブアンジェロスなんて出しても仕方ないでしょうがぁ。そうだぁ!久しぶりにインテリタムアンジェロス出してよ!あの子達と遊びたいわぁ。」
「馬鹿な事……いや失敬。無茶な事を言わないで下さい。こんな街中で“破壊の天使”なんて使えない事くらい貴女にだって分かるでしょう?」
「いいのよー。太一に頼めば直してくれるんだからぁ。」
頼むではなく脅迫でしょうね。
全く以て相変わらずの様です。
あい―――
「だから早く出してよ。」
「次は言わせてもらいます。馬鹿な事を言わないで下さい。特に用が無いのなら私は帰らせていただきます。」
「いいけどさぁ、そうすると紳の負けだよ?」
「構いません。さようなら。」
私は右手に持った“落日に燦然たる福音”を消し、背後に彼女の存在を感じながら帰宅しましたとさ。
そうそう、因みに私の自宅は第一地区にあります。




