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ExtraMaxWay-NaturaProdesse-  作者: 凩夏明野
第四章-赤い死と永遠の生-
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ネクローシスとアポトーシス

因縁浅からぬとはこの事でしょうか。

微妙に使い方が違うかもしれませんが、まあいいでしょう。

さて、何から話しましょうか。

私が“ネクローシス”などという、ニックネームにしてはフレンドリーでなく、どちらかと言えば悍ましい渾名を付けられた事からですかね。

尤も、今私をこの名で呼ぶ方々は、何も畏怖の念を抱いたりしている訳ではない事は知っています。

どちからと言えば、“腐食”の権威として、自分で言うのも何ですが、尊敬の念を抱いているのだと思う。

“今は”ですが。

これを読んでいる方々は知っているかもしれないが、かつてベルサーチ・マリオネットと糸井草春は友人だった。

彼等二人は……えっと、確か彼等の他に七人と一緒に生活を共にしていた。

そのうちの一人に赤沢颯太、後に付けられた通称“ウィールハート”という名の人物がいた。

彼は私の友人であり、同時に研究者で、そして良き好敵手だった。

そう、お分かりの通り彼もまた“腐食”を得意とする魔術師なのだ。

しかし私は争い事があまり好きではない。

特に理由も無く、と言うとあいつは怒りそうですが。

とにかく、どちらが強いか決める為に戦うなんて真っ平御免だった。

だから平静平穏平和的で穏便に事、つまりどちらが強いかを決める方法を取った。

その方法とは“腐食”に関する個呪文の開発。

ジャンルは破壊か再生。

そして私は破壊、“ネクローシス”を生み出した。

反対にウィールハートは再生、“アポトーシス”を生み出してしまった。

先ずは“ネクローシス”の説明から。

腐らせるという点では“腐食”と変わらないが、“腐食”がただの事象であるのに対して“ネクローシス”は物理的な呪文で、可視可。

刀状にして刀として使ったり、弾丸として銃に込めたりするのが基本的な使用法です。

破壊にのみ特化、触れる物全てを腐らせる“ネクローシス”。

再生にのみ特化、掛けた対象に渦の様に延々廻り続ける命を与える“アポトーシス”。

やれやれ、自分で言うのも何ですが、中々の物を作ってしまったと思うものです。

……結局、“ネクローシス”をまともに使ったのは一度だけですが。

何と言うか、“まともに”と言っている時点で結局私も殺人嗜好の人間と変わらないのかもしれない。

とにもかくにもチャンスが私に巡ってきた。

次こそ、ウィールハート。

貴方を殺します。

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