根性なし。
俺の中学校は部活動が盛んな学校だった。特にバスケ部は全国大会までいった強豪校だった。
しかし、最後の夏。 関東大会、三位。
全国大会へは上位二位までが行くコトができる。おれらは準決勝で負けてしまい、全国への切符を逃した。
まあ、相手が全国常連さんだったししょうがないのかもしれない。
けど、試合の結果は91-93。
1シュートの差。厳しいものだ。あん時俺が・・・いやっ!もう、思い出したくない!バスケは諦めたんだ。
諦めたんだ・・・「拓磨。お前になんて言うだろな?」
「・・・さあな。」
そっけなく返す。
「まあ、お前にもお前の事情があるんだよな。」
そんなんあるわけねーじゃん!ただ・・・
「なあ、拳梧。」
「あぁ?」
「お前、中学最後の大会覚えてるか?」
「おう。今もあの時の光景が鮮明に浮かんでくるぜ。でも、あの試合正直楽しかった。」
「俺も、楽しかった。あんなバスケをもう一回やってみたいって今も思ってる。」
「じゃあ、なんでやんねんだよ!」
「恐いんだよ。バスケが。」
「バスケのドコがこえんだよ?」
「一秒一秒無駄にできないあの緊張感の中、プレーなんかできねーよ。あんなミスもう二度と犯したくない。」
「根性なし。」
ボコッ!拳梧が俺のほっぺをおもいきり殴った。
拳梧はむなぐらを掴みこう言った。
「テメェー、ふざけんなよ!いいか、確かにあの試合はお前のミスで負けた。テメェーの責任で負けたんだ。テメェーがそんな中途半端な気持ちでプレーしてたから負けたんだ!でもよー、悔しくねーか?もうそんなミス犯したくないから練習して強くなんだろ?上手くなんだろ?テメェーはただ綺麗事抜かしてバスケから逃げてるだけじゃねーか!ホントはバスケやりてんだろ?素直になれよ!馬鹿野郎。」
そう言って、帰っていった。
拳梧、拓磨、ホントにごめん。俺には無理だよ。




