03
「おい、ガキ暴れるな。お前は、今日から俺の物なんだからよ」
俺が目を覚ましすと、髭を蓄えた初老のおっさんが、俺のことを覗き込んでいた。
見た目は腹が出ており、二の腕もパンパン。
太っている。常に肉を握っているような男であったが、筋肉がない訳ではなく、力は持っていそうだ。
見た目は優しい知り合いのお父さんという感じで、慣れ親しみが持てそうなのに、今の俺には全くそういう親しさが浮いてこなかった。
しかし、それはこの状況が付加しているというのは一理どころか、何理もありそうである。
俺は相変わらず、布で口を覆われており、両手両足も拘束されているという詰みの状態。
何の抵抗もすることが出来ない。
そんな俺を哀れと思ったのか、おっさんは床に倒れている俺の元へと駆け寄ってくる。
「うぅ!?」
俺の腹部におっさんの蹴りが入る。
こ、こいつ!?俺を蹴りやがったな。
うずくまっている俺を然程気にせず口に咥えされらていたタイルを、こいつは剥がすように抜きとった。
思いやりという物はないのか……
これだから、こういう野党共は嫌われるんだよ。
どうやら、俺は誘拐でもされているらしい。
さっきまで、少年と仲良くやってたのに。
でも、良かったか……
あの少年を連れてこなかっただけ。
「おい、お前!!こいつどうするんだ?」
誰に叫んでいるんだ?
おっさんの叫びは、俺に向けられた物ではなかった。
多分だけど、あの扉の先に仲間が居るんだろ。
一人じゃないのか……
相手が一人ならば、まだ勝率があったんだけどな。
さっきの四人の野党共には、一人にも勝てなかったんだけどな。
俺の剣はどこいった?
剣がなければ、こんなこと考えること自体無駄だったか。
「そのままにして置いてって言ったよね。大丈夫?傷ついたりしてないよね」
心配した声が聞こえる。この声、女か!?
何なんだ?こいつら、おっさんの仲間の女が、俺のことを心配している?その必要はないだろう。
「あぁこの子ね、あ!?あんたさっきこの子の事蹴ったでしょ」
何だ?仲間割れか。
視界をその声の持ち主に向ける前まではそう思っていた。
しかし、その声の方には、腰まで髪を伸ばして美女がいた。
こんな子でも、野党共の仲間何だなって。
美女の理想像が損なわれていくそういうショックもあった。
「ぁあ大丈夫?」
美女は俺の元へ腰を下ろした。
髪が邪魔くさかった。けど、その分いい匂いがした。
「君は今日から、私の奴隷だね」
俺の耳には衝撃の一言が耳に入った。




