02 確保
「おい、あんちゃん、ここに金置いてってくれないかな」
ニヤニヤ笑っている四人組の野党が、オレの前へ立ちはだかる。
「何だよ、お前ら……」
「ふん、通行料だよ、通行料。無事で通るためのお金だろ」
「てめぇらにやる金なんて無いに決まってんだろ」
これは本心であった。
しかし、この野党共に金がやりたくないと言う訳ではない。
俺にはやる金がないのだ。
「すまねぇが通らしてくれないか……」
頼む、頼む、頼む。俺を通らせてくれよ。
「おい、通らす訳ねぇだろ」
仕方ないな。無理矢理行くか。
敵は四人か。勝てないことはないか……
いや、勝てる訳ないぞ、俺。
だって、実践経験何てないぞ。一応、剣技は自称でも使える。
自称というだけあるが、誰からか学んだ訳でもない。
中古の骨董品として売られていた見た目はしっかりしていたものを買っただけで、そこから半年、魔物からは避けて、一度もこの刀身に獲物を当てたことはない。
完全な素人だ。
しかも、この剣も、素人レベルだ。
上澄みでもない一般レベルのを冒険者を持っているのを剣だとしたら、俺の剣は、料理器具だ。
それくらいこの剣に自信はない。
しかも、これまでこの剣が俺に使われたのは素振りだけであった。それに、空を切るだけ。
一度だけ、剣を樹木に振ってみたことがあるが、その時、金属が擦れる音がして、樹木には数センチも傷が入らなかったのを見て、それからは直接当ててみることはしなくなった。
中古の剣でも、俺には愛着があったんだ。
そんな剣を今、ここで。
――壊れるなよ、相棒。
俺は野党の元へと駆け寄った。
野党共は俺が近づくのを見ると、諦めの表情を見せて、背後から斧を取り出した。
まるで怖がっていないように、負ける気がない歴戦の猛者だったのかもしれない。
それをもう少し早く気づいていたらな……
「……ぅう」
痛い、腰のあたりが痛む。
はぁ、はぁ、俺には無茶だったか。
「お、目覚めたぞ」
野党共が喜びの混じった安堵の声を出していた。
お前ら……クソ、俺負けたのか……
口には布が巻かれていて声が発せられない。口だけではない両足両手も布で拘束されている。
俺は身動きがとれない!?
おい、こいつら俺をどうするつもりなんだ……?




