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今も相変わらず
ある日、家に帰ると、カヨがパソコンで何かしていた。
「何してるの?」
「メール」
「誰から?」
「エマから」
「ああ…」
俺は、少し複雑な気持ちになった。
「何だって?」
「新しい映画に出るから、健康管理のアドバイスが欲しいって」
「また?」
「ええ。でも、断ったわ」
「断ったの?」
「当たり前でしょ。忙しいもの」
カヨは、平然と言った。
「トシキのスイミングもあるし、あんたの血圧管理もあるし」
「…そっか」
「それに、もうエマたちには十分教えたわ。自分でできるはず」
カヨは、パソコンを閉じた。
「他には?」
「ルピタからも。ジェマからも。ソフィアからも」
「みんな来てるのか…」
「ええ。でも、全部断った」
「そっか…」
俺は、少し安心した。
カヨは、家族が最優先。
それは、変わらない。




