カリスマコーチ?
数日後。
トシキのジュニアオリンピック。
東京辰巳国際水泳場。
会場には、予想外の光景が。
海外のマスコミ。
アメリカ、イギリス、フランス。
カメラクルーが、大量。
「何これ…」
俺は、困惑した。
トシキも、少し戸惑っている。
「父さん、なんでこんなに…」
「分からない…」
その時、カヨが言った。
「ハリウッドの影響でしょうね」
「え?」
「私のこと、向こうで話題になったから。トシキのことも報道されたのよ」
「…そうなんだ」
俺は、少し理解した。
カヨブーム。
それが、トシキにも波及している。
アメリカの記者が、カヨに話しかけてきた。
「Mrs. Tadokoro! How do you feel about your son’s competition?(田所さん!息子さんの大会、どう思われますか?)」
「He’ll do his best. That’s all that matters(ベストを尽くすわ。それだけが大事よ)」
「You trained him, right?(あなたが訓練したんですよね?)」
「I managed his schedule and nutrition. He did the hard work(スケジュールと栄養を管理しただけ。努力したのは彼よ)」
カヨは、平然と答えた。
トシキが、プールサイドに向かう。
カヨが、声をかけた。
「トシキ、頑張って」
「うん、母さん」
トシキは、笑顔で答えた。
そして、レースが始まった。




