Mother is the best
翌日。
撮影現場に、トシキを連れて行った。
エマ、ルピタ、ジェマ、ソフィアが、トシキを見て駆け寄ってきた。
「Toshiki!(トシキ!)」
エマが、目を輝かせた。
「Nice to meet you! I’m Emma!(はじめまして!エマよ!)」
「あ、はじめまして…」
トシキは、少し戸惑った。
「Your mother is amazing!(あなたのお母さん、すごいのよ!)」
ルピタが、興奮気味に言った。
「She’s changed our lives!(彼女が私たちの人生を変えたの!)」
ジェマも、頷いた。
「We admire her so much!(私たち、彼女のこと本当に尊敬してるのよ!)」
ソフィアも、トシキを見つめた。
「You must be so proud of your mother(お母さんを誇りに思ってるでしょ)」
「はい、もちろんです」
トシキは、即答した。
「母さんは最高です。僕がジュニアオリンピックに出られるのも、母さんのおかげですから」
「Junior Olympics!?(ジュニアオリンピック!?)」
四人は、驚いた顔をした。
「Yes! Swimming. I cleared the qualifying time thanks to my mother’s management(はい!水泳です。母さんの管理のおかげで、基準タイムをクリアできました)」
トシキは、流暢な英語で答えた。
(お、英語できるんだ…)
俺は、少し驚いた。
「How did she manage that!?(どうやって管理したの!?)」
エマが、カヨに聞いた。
カヨは、淡々と答えた。
「Just proper nutrition, sleep schedule, and training plan(適切な栄養、睡眠スケジュール、トレーニング計画よ)」
「That’s it?(それだけ?)」
「That’s it」
「But how do you balance everything!?(でも、どうやって全てをバランスさせるの!?)」
ルピタが、驚いた顔で聞いた。
「You manage Kenichi’s health, your son’s training, and still have time for us!(健一さんの健康管理、息子さんのトレーニング、それでも私たちのために時間を作ってるのよ!)」
「Time management. Prioritization. Simple(時間管理。優先順位付け。シンプルよ)」
カヨは、平然と答えた。
トシキが、横から言った。
「Mother is the best(母さんは最高です)」
完全なるマザコン発言。
エマたちは、さらにカヨに夢中になった。
「Kayo, you’re a superhero!(カヨ、あなたスーパーヒーローよ!)」
俺とトシキは、遠くでその光景を見ていた。
「父さん、母さん、すごい人気だね」
「…ああ」
「父さん、空気だね」
「…うるさい」
「でも、いいんじゃない?母さんが幸せなら」
トシキは、あっさりと言った。
「僕は母さんが幸せなら、それでいいよ」
完全なるマザコン。
俺は、小さく溜息をついた。
「お前、マザコンだな」
「当たり前でしょ。母さんは完璧だもん」
トシキは、誇らしげに言った。
「父さんも、母さんに感謝しなよ」
「…してるよ」
「ならいいけど」
トシキは、満足そうに頷いた。
父と息子。
二人とも、カヨには頭が上がらなかった。




