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ハーレムルート、消去
撮影が進むにつれ、俺とハリウッド女優たちの間には、見えない壁ができていた。
エマ、ルピタ、ジェマ。
みんな、俺を避けるようになった。
いや、避けてるわけじゃない。
でも、明らかに距離がある。
「…カヨのせいだ」
俺は、小さく呟いた。
その夜、ホテルの部屋。
カヨが訪ねてきた。
「今日も撮影、お疲れ様」
「…ああ」
「何か不満そうね」
「別に」
「嘘。顔に出てるわよ」
カヨは、ソファに座った。
「ハリウッドの女優たちと、仲良くなりたかったの?」
「…そういうわけじゃ」
「そういうわけでしょ」
カヨは、少し笑った。
「あんた、すぐ勘違いするんだから。放っておいたら、変な期待して、勝手に傷ついて、撮影に支障が出るでしょ」
「…」
「だから、先に潰しておいたのよ」
「潰す…」
「そう。潰す」
カヨは、平然と言った。
「あんたの妄想を、潰す。それが私の仕事」
「…ひどいな」
「ひどくないわよ。現実を教えてるだけ」
カヨは、立ち上がった。
「じゃあ、明日も頑張って。血圧、ちゃんと測ってね」
「…はい」
カヨは、部屋を出ていった。
俺は、一人、ソファに座っていた。
(ハーレムルート…)
(完全に、終わった…)




