この男、危険につき?その2
ある日、撮影現場にエマとルピタが一緒にいた。
カヨが、二人に話しかけた。
「Emma, Lupita, do you have a moment?(エマさん、ルピタさん、ちょっといいですか?)」
「Yes, of course(ええ、もちろん)」
「I wanted to thank you for being patient with my husband(うちの夫に辛抱強く接してくれてありがとうございます)」
「Oh, no problem. Kenichi is great to work with(いえいえ。健一さん、一緒に仕事してて素敵ですよ)」
エマが笑顔で言った。
「That’s kind of you. But I should warn you…(優しいですね。でも、警告しておきますね…)」
カヨは、少し真面目な顔になった。
「He fantasizes. A lot(あの人、妄想するんです。たくさん)」
「Fantasizes?(妄想?)」
「Yes. Every time you smile at him, he thinks it’s romantic. Every time you touch his shoulder, he thinks you’re interested. Very annoying(ええ。あなたたちが笑いかけるたびに、ロマンチックだと思うんです。肩に触れるたびに、興味があると思うんです。すごく面倒で)」
「…」
エマとルピタは、顔を見合わせた。
「So, please don’t mind him. He’s delusional(だから、気にしないでください。妄想癖があるだけです)」
「W-We were just being friendly…(わ、私たち、ただフレンドリーにしてただけで…)」
「I know. But he doesn’t understand that. So, I’m managing his expectations(分かってますよ。でもあの人は理解できないんです。だから、私が期待値を管理してるんです)」
カヨは、にこやかに言った。
エマとルピタは、完全に引いた。
その後、二人は俺に話しかけなくなった。




