この男、危険につき?
数週間後。
撮影は順調に進んでいた。
でも、俺とハリウッド女優たちの距離は、どんどん遠くなっていた。
ある日、ジェマが話しかけてきた。
「Kenichi, you’re interesting(健一、面白いわね)」
(キタ━━━━!!)
(敵役のジェマさんが!)
(これ、ツンデレパターン!?)
「Your acting has this…raw quality(あなたの演技、この…生々しさがあるわ)」
(raw quality!)
(これ、褒めてる!)
(惹かれてる…!?)
その時、カヨが近づいてきた。
「Oh, hello. You must be Gemma(あら、こんにちは。ジェマさんね)」
「Yes, nice to meet you(ええ、はじめまして)」
「I’m Kayo, Kenichi’s wife(カヨです、健一の妻)」
「Nice to meet you(お会いできて嬉しいです)」
カヨは、にこやかに笑った。
「Gemma, do you think my husband is interesting?(ジェマさん、うちの夫、面白いと思います?)」
「Well, yes. His energy is unique(ええ、そうですね。エネルギーがユニークで)」
「I see. But you know, he has this tendency…(なるほど。でも、あの人、こういう癖があるんですよ…)」
「え、カヨ、何を…」
「He misinterprets compliments as romantic interest. Very awkward(褒められると、恋愛的な興味だと勘違いするんです。すごく面倒で)」
「…Oh」
ジェマは、少し引いた顔をした。
「So, when you said he’s interesting, he probably thought you were into him(だから、面白いって言ったとき、多分あなたが自分に興味あると思ったはずです)」
「I-I was just being professional…(わ、私はただプロとして…)」
「I know. Don’t worry. Just wanted to clarify(分かってますよ。心配しないで。ただ確認したかっただけです)」
カヨは、笑顔のまま言った。
俺は、遠くでその会話を聞いていた。
(カヨ…!)
(俺の評判が…!)




