五月雨月のビター・ゲート
今作は短編集となり数話完結型となっています。 初めての執筆なのでどうかお手柔らかに
6月の重い空気が手に伝わり英文を解く手まで湿気を帯びたように重く沈む。 高校三年生 カーストの檻から解放されると共に受験戦争に突入する、憂鬱な気分を殺していると 空気を打ち破るように後輩のアッちゃんが入ってきた。ふわふわの癖毛を揺らしてそばかす混じりの可愛い顔を蒸気させて。 走ってきたようで息切れをしたままふぅとため息をついて席に座った。私はアッちゃんをチラリと見て英文を解きながら[走ってきたの?]と声をかけた。 アッちゃんは可愛く笑って[だってサキ先輩に会いたかったんだもん!]と言った。 ちょっと犬みたいだ、思わずクスッと笑うとあ!笑ったなんて言ってアッちゃんもムキになる。 それからバカらしくなって二人でクスッと笑う。 だが、微かに浮かぶ不安の色を見逃してあげるほど優しくない。 [どうしたの?] 出来るだけ淡白に、なんでもないように聞こえるように聞いた。彼女はチラリとこちらを上目遣いで見てから二重の上瞼を下ろし口を開いた。 [実は、変な噂が広まっちゃって..] 噂?純粋に気になり気付けばいつも教室では重い口はペラペラになり愚直に言葉を発した。 [噂?どんな噂?] [その、えっと、内容は言えないんですけど、どうすればいっかなって] 少しばかり考え込んだ。そもそも噂を立てられるほど有名になったことも特異なことをした事もないため分からない。これは彼女のように有名で明るい人間の特権なのだろうか?
第一話は後二話ほどで完結する予定です。読んでいただければ幸いです。




