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痛い詩  作者: ごみ
1/3

機巧人形万年師(アイアンハートオーバークロック)

ぼくの機械人形が

正確に瞳で捉える

ぼくが鍵を挿せば

君は人気者になる


ガラスの瞳はなにもかも映す

余さず映す

ぼくの心の壊れた部分も

観衆の驚愕も

でもなぜか不思議なことに

ぼくの居場所は映らない

第一楽章が終わるころに

君はぼくに微笑みかけることになってるけど

ときどき

虚しくなるのは

そこに本当になにもないから

全てが絵空事で

なにも考えたくなくなっていく


それでも歌うきみを見ていれば

ぼくはここにいるのだと

知れるから

それでいいんだ


アイアンハート

ぼくの名前と

君の一人歩きで

二人三脚

いずれ誰かの言う

風すらも歩けるようになるかもしれないね


ぼくの機械人形が

しなやかな腕を伸ばす

観衆がどよめいて

ぼくは勝手に誇らしくなる


君はぼくに手を差し出す

手を触れ

君の目を見つめるとぼくが映る

ぼくは君とダンスできるけど

君はぼくとダンスできない

したいとも思わない

第二楽章が終わる

吸い込まれそうな

深い色の目の奥

感情と裏腹のその笑顔に

ぼくもつられて笑ったよ

虚しいね

虚しいかな


アイアンハート

誰か教えて

心はなにに宿るものなの

ぼくには期待しないで

ただの

声の出る人間だから



気づけば

誰もいなくなって

君は壊れ

ぼくはひとりになって

どこかにいる

暗い雨の中で膝を抱えるぼく

初めて気付いた君の意味の

ほんの一部すら噛み締めて



今でもずっと探しているのは

君はどこに行った

どこかで見たかな

ぼくと同類の君を

壊れたぼくを治し続けた

あの笑顔を


どこへでもいく

海の向こうへ

今度は一人でやっていくしかないけど

この足がまだ動くなら


いつかアイアンハート

ぼくの名前と

君の一人歩きで

二人三脚

いずれ誰かの言う

風すらも歩けるようになるかもしれないね

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