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史上最強の初恋  作者: えみお


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7-7

 トールと師弟関係を結んだその晩・・・いつもの酒場でデュランは友人に大層呆れられた。


「師弟って・・・それ、むしろ恋人から遠ざかってるじゃない!」


 とは友人マリアの言である。


「そう言われれば、そうだな・・・」


 と、確かに思ったデュランではあったが、だからといって、焦ったり不安になったりするようなことはなかった。


(「トールの意思を大切にすることが出来れば、今は立場なんてどうでもいい!」)


 というのが、今の彼女の偽らざる心境だったからだ。

 

「・・・そんなこと言って、結局はトール君と一緒にいられる言い訳が、欲しかっただけじゃないのぉ?」


 という友からの返しには、無言を貫いたのだが・・・。







 さて、翌日の朝。

 空は快晴・・・物事の始まりにはうってつけの日になった。

 前日の酒の余韻は無く、スッキリとした頭でトールを待つデュランは、一足先にギルドに到着していた。

 この選択が、吉と出るか凶と出るか・・・。

 それは結局のところ、『未来』の自分が過去を振り返ったときに初めて分かること。

 



(『だから、今の自分がすべきは・・・『『未来』の自分が、『今』の選択を正しかった・・・といえるような、行動をすること』だ!』)




 さしあたって、デュランは今日は早速、何をしようかと考える。

 とりあえず、冒険者としての基礎的な技量を見るため、難易度の低いダンジョンに潜ってみるか?

 それとも1日を座学に費やして、基礎的な知識をたたき込むか?

 ・・・デュランの中に浮かぶ幾つもの選択肢。

 そのどれを選ぼうとも、トールにとって決して楽なものにはならないだろう。


(「師弟はある意味、恋愛から最も遠い関係か・・・。言い得て妙だな」)


 今日以後、自信がトールに与える課題は、彼を死なせはせずとも、苦しめることはあるだろう。

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い・・・という、異国の文言もある。

 厳しい訓練を課す相手に、好意を抱く物好きなどいようはずが無い・・・。

 


 

 だが・・・それでも・・・デュランはやると決めたのだ。

 それが彼の為になるなら・・・

 それで私が嫌われたとしても・・・

 それが、私が好いた彼の『意思』を大切にするということだから!




「デュランさーん!」




 早朝・・・人はまだ少ない大通りを、元気な声と共に掛けてくる、少年の姿。

 あどけなく・・・頼りなく・・・誰よりも綺麗な心を持った男の子。




 そんな未来に、私は手を振って答えたのだった。




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