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詩「母の台所」

作者: 有原野分

料理の好きだった

高齢の母から

電話があった


古くなった台所を

リフォームしようと思っている

IHと

ガスで迷っている

どっちがいいと思う?


母はずっとガスを使ってきた

だからぼくはガスがいいと思った

しかし 母も年だ

いつ認知症になってもおかしくはない


ぼくはIHをすすめた

掃除が楽だし

なにかあったときも自動で止まる

高齢者にはいいのではないかと


すると母は

あと二、三年でいい 

自分の手で作ったものを食べたい

それだけだと言った


認知症になったら

すぐに施設に入るつもりだから

最後の道楽だと思って

台所を新しくしたいだけだと


ぼくはその言葉を聞いて

コロッと意見が変わってしまった


ガスにしよう

お母さんは

ガスのほうが似合ってる


電話が切れた後

ぼくは久しぶりに

母の手料理が食べたくなった


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― 新着の感想 ―
母様の味はいつの日にか『おとぎ話』となります。 うんと味わえる時間は、財宝ですよね。
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