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反逆者  作者: つゆさき
第二章 〜風花中学校2年生編〜
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第十八話 は?家に行かないでぇぇぇ!!

◇2031年11月27日戦闘後 風花中学校保健室◇


 腕を怪我してしまった圭吾は、シオンに無理矢理引っ張られて保健室まで連れて行かれた。圭吾は千歳屋綾芽に会えばやばい目に遭うと理解しているからだ。


 圭吾は涙目になりながら、シオンの足を掴んで離さない。半年前のトラウマが頭にへばりついている。シオンはそう予想したが仲間を一番に考えたため、見捨てることにした。


 シオンは圭吾を綾芽に引き渡して保健室の扉を優しく閉めた。そして、目に見えないほどのスピードで消えていった。


「お久しゅうございますなぁ、櫻田はん。半年も顔見せへんかったのは、ほんま偉かったんどすえ。うち、ちょっと見直してましたのにーー」


「……今日で、その更新、あっさり止めはったんやねぇ。ふふっ……やっぱり、治療という名のお仕置きがーー必要みたいやねぇ、櫻田はん」


 綾芽は治療とは絶対に関係のない、注射を取り出した。そして、まるで圭吾に打つ練習のように空によくわからない液体を流した。


「……ごめんなさぁぁぁい!俺が……俺が役立たずだがらいけないとわかってるんです。でも、改善できない……」


「それが……本当に悔しい、悔しくてたまらない」


 圭吾は自分を責めた。綾芽はそんな圭吾の肩に手を置いて、優しく声をかける……。ことはなく、口元に手を添えて、くすくすと笑った。


「……櫻田はん、うち前から思てたんやけど……もしかして、ほんまもんの阿保さんどすか?」


「……えっ?」


「自分が活躍できひんのやったら、他人に任せるーーそれだけの話どすやろ?それを無理して突っ込んで、手まで壊してくるなんて……」


「ふふっ、いつみても圭吾はんはおもろいお人やこと。ほなーー注射、刺しますえ?」


 綾芽はニコニコしながら注射を構え直す。圭吾は必死に抵抗する。


「やっ、やめっ、ちょ、ほんとにやだ、やめーー」


「ーーはい、ちくっと♪」


「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁッ!!」


 圭吾の悲鳴は遠く離れたシオンまで届いたという。そして、圭吾が気絶した後、綾芽は囁くように呟いた。


「ーーごちそうさまでした♡」


◇2031年11月29日 北九州市住宅地◇


 私は現在、ストーカー中である。なぜなら、シオンの横に邪魔者がいるからだ。彼女の名前はアンジュ・アンダーソンというらしい。シオンから聞いた。


 一昨日、”反逆者”と”機械者エンジニア”の戦いがあり、私たちがもちろん勝った。しかし、勝ったのに不用品アンジュが押し付けられてしまったのだ。


 今日はシオンがアンジュの家に誘われて行くらしい。悔しいが私が止めるのもどうかと思い、止められなかった。どうにかして引き剥がさないとこのままではシオンが家に行ってしまう……。


 ………あっ!!


 思い出したぁぁっっ!!!そういえば、シオンが言ってた気がする♪

「アンジュさんについてなんだが、俺は利用したいと考えている。あの人の技術が神が勝っていて誰も勝てないはずだ。なら、利用するしかない!でも、友達になるのは本当だからな。可哀想だから」


 うんうん♪シオンはアンジュをただ利用するだけの男。つまり、シオンはアンジュに好意を持ってない!……やった〜♡


 だったらどうしてシオンはアンジュの家に行っているんだろう?……もしかして私に言った言葉はう…そ?


 ………は?家に行かないでよぉぉぉ!!


     △▼△▼△


 さっきから誰かにつけられているような気がする……。目に見えてわかる人物は目の前を歩いている男と隣にいるアンジュさんだけだ。


 俺は、後ろを向くのを危険だと判断した。なぜなら、2個離れている後ろの電柱から殺気を感じるからだ。俺だけではなく、アンジュさんにも向けられている。


 カーブミラーから格好を見れた。黒とピンクを基調とした服装、フリルやリボン、レースなどの甘い要素、チェーンやスタッズなどのハードな要素を組み合わせた服を着ていた。いわゆる地雷系というものなのか?


 多分、手から光っているものが見えた。……包丁だろう。もしもその相手が襲って来れば、普通に逃げられるはずだ。アンジュさんを抱えて……。


 でも、襲う気はなさそうだ。ただの監視か?それとも警告か?


     ◇◆◇◆◇


 ある程度、警戒しながら歩いたが何もしてこなかった。アンジュさんも背後の人物の気配に気づいたのか俺に抱きついてくる。……暑苦しい。


「あっ……ご、ごめんね、だきついちゃって……で、で、でも、安心できるよね♡?」


 アンジュさんは何を言っているのだろうか?確かに友達になろうと言ったのは俺だがここまで好かれるとは思っていなかった。親友程度で収まると思っていたんだが大失敗だ。


「……まぁ、安心できますよ。アンジュさんは優しいですから」


 一応、褒めておこう。友好関係は大事だし、ここで関係を悪くしては困る。アンジュさんはなぜか顔を真っ赤にしてこちらを見つめてくる。めんどくさい。


「わ、わたしと……シオンくんはエイエン……の友達です…よね?……ソノママケッコンモ」


 ところどころ聞こえなかったが、返事をしないとまずい。アンジュさんの家に行くまでは気丈に振るわないといけないから。


「はい……そうですね!」


 その瞬間、アンジュさんの顔はパッと明るくなった。そしてアンジュさんは足を止める。家に着いたらしい。


 アンジュさんの家はどちらかといえばボロいアパートと言えるだろう。俺の家と比べても周りの家と比べても圧倒的にだ。今にも崩れそう。


「えっ、あっ、えーと……こんな、ボロアパートで、ごめんね、シオンくんも嫌……だよね?」


「そんなことないです!!むしろこんな体験してみたかったですし、何よりアンジュさんが住んでいるなら最高です」


 今にも泣きそうなアンジュさんの顔はニコニコになった。さっきの言葉は半分は嘘で半分は本当だ。どちらが本当かはもう忘れてしまったが……。


 そのまま鉄でできた階段で2階まで登り奥の部屋に着いて行った。玄関前には洗濯機とよくわからないものが置いてあった。普通は家の中に置くものだと思っていたが俺の常識は違ったらしい。


 中に入ると一つの部屋とキッチン、そしてシャワー室が見えた。昔燃えてしまった俺の家の100分の1の広さだろう。奥の方にはサーバーのようなものが見える。……目的のものだ。


「えっと、家に何もなくて……ご、ごめんね?わたしは……先に、シャワー浴びてくるから、ゆ、ゆっくりしててね。……ハイッテキテモイイヨ♡ムシロハイッテキテ」


 アンジュさんを見送って俺はこの家の中で広い部屋のど真ん中に座る。横には机が置かれている。そして、周りにはタンスとサーバー。


 俺は急いで例のブツを探す。それはパソコンだ。これをゲットするためにこの家に来たと言っても過言ではない。なぜかというとハッキングするために必要だからだ。


 独自の調査でアメリカ政府が日本政府に武器を流していると判明した。日本政府は武器を配り、人々の争いを促して金を稼いでいると予測ができる。


 これを止めるためには、アメリカに直接行くか、ハッキングするかのどちらかだ。俺にはパソコンの技術はないのでアンジュさんに頼るしかない。


 でも、話を聞くにはアンジュさんはアメリカ出身だということ。見た目は小さいのに衝撃を受けた気がした。アメリカ出身ならアメリカの見方をするかもしれない。つまり、協力を仰げない。


 だったら、俺が頑張るしかないだろうと考える。現在、アンジュの部屋を色々漁っているが見つからない。


 パタッ!


 風呂場の扉が開いた音だろう。これはまずい。結構散らかしてしまった。直すのは容易だがパソコンを見つけられなかったのが悔しい。


 アンジュさんが壁越しにこちらをのぞいてくる。そして壁から体を出したと思えば、バスタオル一枚だけだった。……もしかして服がタンスの中にあるから俺、邪魔なのではと考えた。


「すみません!今すぐ、部屋を出るので着替えてください」


 俺は部屋から出て行こうとした。そのまま逃げるために。しかし、アンジュさんは俺の服の裾を掴んで離さない。


「……ちょっと、離してもらえますか?アンジュさんも服着ないと寒いですよ」


「……なら、温めてよ。そのー、あのー、人肌で!わたし、いいよ?シオンくんになら♡」


 しょうがない……上着のことを見捨てて俺は扉をこじ開けて逃げた。帰り道の途中、さっきの地雷系の人とすれ違ったが心なしか嬉しそうだった。


「よっしゃぁぁぁぁぁ!!帰ってくれたぁぁぁ!!!」

 

 さっきの人が遠くの方で叫んでいたが無視をした。うるさいからだ。


 ……もう、アンジュさんの家には行かないのでハッキングは不可能だ。つまり、いつかアメリカに行かなければならない。はぁ……めんどくさ。







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