第五十話 赤き機竜船は荒野に吼え、ゴーレムは目を覚ます
そこは寂寥たる荒野だった。
周囲には木も草も生えてはおらず、地を走る獣の姿も、地を這う蟲の姿も、咆哮を上げる魔獣の姿も無い。空には鳥はおらず、羽虫一匹も飛んでいない。
だが荒野を駆け抜ける風には薄い緑色の羽衣を纏った小人――風の精霊達が素足で乗っかり、風のサーフィンをケタケタと笑い声を上げながら楽しんでいる。
その下の荒れた大地では、少しでも土質を改善して豊かにしようと茶色くモグラのような小人――土の精霊達がせっせと働いている。小さな両手で周囲の魔力を操作し、圧縮する事でその濃度とその効果を高め、まるで一本の杭のように、地面の奥深くに打ち込んでいく。
だが悲しいかな。
自然魔力が乏しいこの地では、魔力を原動力にして動く精霊の能力はあまりにも低くならざるを得なかった。
普通の土地ならば緑溢れる自然の楽園になるだろうノーム達のその行動も、この荒野を改善する事はできないでいる。精々これ以上荒れないように食い止めるのが限界と言った所か。
しかしそれでも、無駄だと知っていながらも、ノーム達は時を重ねながら何度も、何度でもその行動を繰り返す。少しでも改善出来るように、少しでも良くなる様に、ただひたすら繰り返す。
愚直、悪く言えば愚鈍と言われるべき変わらないその行動も、ノームはただ繰り返す。それが生き甲斐であるかのように、こうする事が正しいのだと確信したように動き続ける。
この荒野に生物は居ない。探せばもしかしたら居るのかもしれないが、今ココら一帯には存在していない。
だが、生物の居る所ではあまり出現しない精霊にとっては、この荒野は、数少ない心休まる所なのかもしれない。
と言うか、大地が荒れていたとしても、自然魔力が少なかったとしても、生物から遠ざかる性質を持つ精霊にとっては、それらの要因などは特に関係ないのだろう、恐らくはきっと。
そんな荒野に一つ、降り立つ巨大な影があった。
大きな大きな影だ。
頭上で燦々と輝く太陽の光で浮き出されていくその影はまるで巨大建造物のような大きさで、しかし能動的に動くその様は無機物によるモノではなく、生物が生み出している影であるという証明に他ならない。
そして影が徐々に濃く小さくなっていくにつれて、大きな羽音が聞こえてくる。
バサッバサッと大きく力強いその羽音は、ただそれだけで、表現し難い畏怖を抱かす“重圧”を内包していた。ただの音でしかないというのに――いや、もしかしたら音は空気の振動によって発生しているからこそ、その音を発している主の存在感をこうやって強く感じるのかもしれない。
しかしそれにしても巨大な影の主を浮かせる程の浮力を得るにはそれ相応のエネルギーを発散する必要がある様で、その結果として打ち下ろされた風は荒野に衝突して烈風に変貌し、まるで竜巻が発生したかのように砂塵が轟轟と舞い上がる。
風に乗っていたシルフ達など、それに巻き込まれて飛散してしまった。しかしキャーキャーと可愛らしい悲鳴というか、笑い声を上げていたのでそれさえも楽しんでいるようだ。
高速で渦巻く砂の嵐が土と岩が支配する荒野をガリガリと削る。細かい粒子である事と相成って丹念に舐めとっていくように疾走していくが、嵐によって被害を被る者は近辺にはいない――肉体を持たない精霊は、この程度ではダメージを受けない。笑っているのがその証拠だ――のだから、大した問題でもない。
仮に居たとしても、砂の嵐が巻き起こる前に誰も彼も逃げ出して、被害は最低限しか受けなかったに違いない。
何故逃げるのか。
それは簡単な話しで、影の主が赤い巨竜だったからに他ならない。
竜を前に逃げ出さない生物は少なく、またこの荒野には竜と対等な存在は皆無。よってこれ以上砂嵐による被害云々などの詰まらない話は終わる事にしよう。
「グゥオオオオオオ!」
着陸する寸前、赤竜の巨大な口からまるで爆音のような咆哮が響いた。咆哮は大気を震わせ裂波となり、その余波で砂を震わせ弾き散らす。
聞き馴れない者ならば、それだけで死んでしまいそうな程の強烈な咆哮だった。仮に死ななかったとしても、硬直や恐慌、混乱などの状態異常を受けたのは確実だろう。
そして荒野に君臨した赤竜はまるで値踏みでもするかのようにゆっくりと周囲を見回し、別段問題なしと判断したのか、やがて巨大な四肢を折り曲げてその身を荒野に横たえた。
その後注目すべき変化が起きたのは、赤竜の胴体部。
そこはまるでそれが自然で当り前なように、開いたのだ。横開きのドア――大きさから言えば格納庫とでも言った方が適当なのかもしれないが――のように、赤い鱗に覆われた胴体が、左右に約三十メートルほどスライドしたのである。
巨竜の体格からしたら微々たる空間の孔ができただけかもしれないが、普通の生物ではまずあり得ない現象である。
やがてスライドし開かれた赤竜の縁から地面に向かって分厚く幅広の金属の板が伸び、かなりの落差があった荒野と胴体を行き来する道を造った。角度は若干急だが、十分許容範囲内と言える。
物資を搬出するのも、物資を搬入するのも、充分可能だろう。
そしてそんな急造の道が出来上がると、薄闇が支配していた胴体内部から、ズボンを履いただけの半裸で鉱山で働いているようなガッシリとした体躯の男が一人、顔を出した。
剥き出しの浅黒い肌には大小様々な傷痕が目立ち、特に上半身の両肩から対角線上の両脇腹に走る×字の傷跡は目を引く。それに額から生える鋭い二本角が、生々しい傷痕によって本来の迫力を増加させていた。
外見的特徴から見ても男は明らかに魔族であり、その中でも膂力と頑強さに特化した種族として知られる武鬼族だった。
武鬼族は普段、斬るのではなく叩き潰す専門のような重剣やら、純粋な膂力を持って打ちのめす棘付き棍棒など、凶暴な外見をした武器を持っているのが普通なのだが、何故だか今は違った。大きな手の中にすっぽりと隠れてしまうくらい小さい、丸い金属製の何かが握られているのだ。
取りあえず言えるのは、武鬼族が好んで持ち歩く武器ではない。形状からして、武器である可能性も低いだろう。
握られているのが何なのかは一先ず置いとくとして、武鬼族の男は顎に蓄えた髭を弄りながら周囲に視線を走らせた後、手に持つ丸い何かを口元にまで持っていき、外見から察せられた濁声を漏らした。
「あーコチラ胴体運搬口、足場確保並びに周囲の安全確認完了。なんも問題ありゃせんぜ」
『コチラ管制室、了解。予定通り機竜船外にて全隊員の整列をされたし』
「了解了解。通信終了――っと。おーいガキ共、とっとと全員並べゃ。一分以内で並ばんと、殴るぞ」
武鬼の男が手に持つ丸い何かは通信機だったようで、役目が済んだそれは男の手首に嵌められたオプションリングの転送機能によって、光子に変換されて消失した。
そして武鬼の男の濁声が周囲に響いたのを皮きりに、ぞろぞろと奥の薄闇から沢山のヒトが現れた。
人間と同じ姿をした十代後半だろう男子、背中から鳥のような一対の翼を生やした二十代前半だろう女性、エルフのように耳が異様に尖った形をした年齢不詳の紳士然とした男性、猫耳と猫の尻尾を生やした愛くるしい笑顔を振りまく十代女子、側頭部に山羊のようにくるくるとした角を生やした初老の男性など年齢もバラバラで、様々な外見をしているヒトが、後から後から出て来た。
そしてその全員が、思い思いの武器を身に纏っている。スタンダードに剣と盾を持ち鎧を着た者や、軽鎧に銃の様な物体を肩に担いだ者、腰に刀を佩いただけの者や魔杖を持った者など外見同様統一性はない。
もう察せられると思うが、巨竜から出て来た彼・彼女達は全て、此度のアヴァロン対アイゼンファルスで執り行われる模擬戦争にカナメが選び連れて来た、総数約二千の兵達であった。
一分後。
「うむ、いつ見てもこれだけの人数が揃うと、壮観だねぇ」
風に吹かれてバタバタと音を鳴らすコートをそのままに、カナメは急造された簡素な演説台の上から、率直な感想を述べた。
カナメの眼前に並ぶのは、武装した二千の兵隊。
内訳は、学園に通う十代の模擬戦争参加希望学生達九百名に、一般兵が六百名、国民の志願兵が三百名、連れて来た二つの特殊部隊の二百名、となっている。
今回連れて来た学園に通う学生達の中には初陣となる者もそれなりに多く、緊張して命令違反したり戦闘不能になるなどのヘマをしないよう、国民から募った志願兵達――血の気の多い戦闘大好きな者が多く、構成には老若男女問わないが、基本的に初陣を迎える子供の親御さん達の比率が高い――をそのサポートにあてる予定である。
まあ、ぶっちゃけてしまえば、長女のサヤが初陣を迎えるので、パンドラのリーダーでもある親馬鹿コウスケ等が居たりする。つまりコウスケがいる時点で、主戦力過ぎるのでサポートに回しているんだけども。
で、今回もっぱら活躍して貰う予定なのは、特殊部隊に配属されるだけの実力を持たない一般兵六百名達である。本当はもっと多いのだが、順番制なので今回はこの人数が限界だ。
それに今回主役として一般兵達を据えるだけに、彼・彼女らは今回の模擬戦争で活躍した者には昇進を保証しているので、誰も彼も眼の色が変わっていて、良い感じだ。皆気迫が籠っている。
あと連れて来た二つの特殊部隊の二百名は、まあ、もしもの為の保険だから、今回も使わないだろう、きっと。
そんなこんなで総勢約二千名。少しも乱れずにズラリと整列したその様は、何度見てもいいものだ。
しばらく鑑賞してから、背後に佇むポイズンリリーの視線を感じたカナメは、セッティングされていたマイクのスイッチ入れた。
模擬戦争に置ける絶対遵守の項目の、最終確認を今から行うのである。
『あーテステス。最後尾、聞こえるならなんか打ち上げて』
カナメの気だるげな声が荒野に響き、その直後、明るい空に何かが飛びあがり、小さく弾けた。
魔術による簡易的な花火、と言った所だろうか。
『うし、聞こえてるな。じゃ、最終確認だ。聞き逃すなよ。特に学徒兵、死にそうになっても、きっちり護れよ。じゃないと、オシオキだ』
最前列に居る若人達に若干の脅しをかけつつ、カナメは悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
『まず、相手を殺すな、そして殺されるな。上の命令は守れ、そして傷付いた仲間を助けろ。はい、復唱』
『相手を殺すな、殺されるな。上の命令は守れ、そして傷付いた仲間を助けろ!』
二千名による合唱である。マイクによって増幅されていたカナメの声に負けるとも劣らない音量で、復唱が成された。
『宜しい。所で気が付いている奴らの方が多いと思うが、改めて言っておく。ココからアイゼンファルスまではまだ、二十メルトはある。で、ウォーミングアップも兼ねて、全軍走って現地に集合。制限時間は今から一時間ジャスト。この程度余裕だろ?
ああ、それと転送機能はロックしてるから。自分の獲物は無くさずに持って来いよ』
二十メルト=二十キロ程もある荒野を、一時間で走れとカナメは言う。
しかも装備を付けてだ。普通のモノよりも魔術等により軽量化が成されているアヴァロン産の装備類とは言え、それでも一人の平均装備重量は十キロを軽く超える。
アヴァロンでの訓練を思い浮かべれば何でもない距離と重量かもしれないが、制限時間付きの二十キロ踏破。しかも足場は不安定で、走りにくい事この上ない。しかもこの先には砂漠地帯もあったりする。
無茶な、しかし脱落する者が居ないと確信しているその発言に、この世の終わりの様な表情を浮かべる者もいれば、余裕だと言わんばかりに頷く者もいる。
もっとも、今回は学生が多いのだから、悲痛な表情を浮かべる者の割合が若干多いようだ。
『無論一人でも遅れたら連帯責任だからなー。助け合って、模擬戦争のための余力を残して、ゴールを目指す様に。はい、解散!』
カナメが言い終わると、何処からともなく、バーン、と何かが弾ける音が響いた。
間違いなくスタートの合図であるそれにいち早く反応した大人達は、まだ躊躇っている学生達を追い立てるように大声を上げ、誘導していく。
その統制のとれた動きを見ながら、再びカナメは満足そうな笑みを浮かべた。
『じゃ、早く来るように!』
そう言い残し、カナメはポイズンリリーやセツナ、そしてセツナの護衛役として連れて来たハシーシュなど数名を伴って、再び背後の赤い機竜船に向かった。
カナメ達は再び機竜船に乗って、目的地まで快適に向かう予定である。
国民は汗を流しながら向かうというのに、優雅にワインでもたしなみながら赴くこの違い。
世界は理不尽だ。だからこんな理不尽も、仕方が無いのかもしれない。
暫くの後、カナメ達が乗り込んだ赤い機竜船<クリムゾン・ヘイト>は、その巨大な翼を動かして広大な空に飛び上がった。
そのちょっとだけ前。
もたつく者の尻を蹴り飛ばすような勢いで急かす大人達は皆、必死に声を荒げていた。
「早く逃げろーーー! 船が飛ぶ時の余波で吹き飛ぶぞォーーーー!!」
「さっさと走れぇーーーーー!! 死にたいのか!!」
機竜船<クリムゾン・ヘイト>がココに落ち立った時とは違い、今度は自分達が居るのだ。
このままココでノロノロとしていたら、砂嵐の砂で全身を削られる事になるのは想像し易く、また突風で自分達がゴミのように吹き飛ばされかねない。
流石にそれを完璧に防げる能力を持っている者は、少ない。
だから、一刻も早くこの場から逃げ出さねばならないのだ。
二千の兵士達が一丸となって迅速に動いたのは、そんな理不尽な現実があったからなのかもしれないが、それをこれ以上追及するのは野暮と言うモノだ。
◆ _ ◆
機竜船<クリムゾン・ヘイト>が飛び立った場所より東南に二十キロほど進んだ場所に存在する機学国家<アイゼンファルス>の首都、クリミナル。
クリミナルは、すぐ近くの砂漠地帯などから時たまやって来る魔獣や、侵略しにやって来る他国の兵隊といった様々な外敵を拒む巨大な半円の壁に囲まれた、この世界では一般的な防衛手段を採用した街である。
国の領地の大半が砂漠か荒野といったアイゼンファルスに置いて、人間が生きていくのに必要で、地形的にも入手が難しい水は、しかし唯一城壁の存在しない背後に広がる<大オアシス>と呼ばれる水場によって充分な量を確保する事ができる事から、クリミナルのライフラインはある程度整えられている。
それに<アイゼンファルス>は錬金術と鉱石加工が発展し、ゴーレムを主要戦力とした国であるだけに、アチラコチラに不可思議な構造をしたオブジェクトがチラホラと見受けられるのも特徴と言えるだろう。
建国の際には多くの科学者が集った為、首都には研究者達が多くいるのである。
科学者の街。クリミナルを表現すれば、そんな所か。
そして首都の中心にある城の一角では、作業着を着た人間達が忙しなく動き回っていた。
もう少しで、模擬戦争が開始されるからだ。
「アナタ。この子に恥ずかしくないような戦いを見せて下さいね」
「ああ、勿論だとも。例え相手がアヴァロンだろうとも、<アイゼンファルス>のゴーレムは通用すると、証明してくるさ」
足元で行きかう作業員を無視して、二人の男女は静かに見つめ合っていた。
会話からして、どうやら夫婦であるらしい事が窺える。
「はい、信じて待っていますね」
妻が夫に向ける微笑み。
そして交わされた、触れるだけのキス。
互いの唾液を交換し合うような濃厚なものではなく、触れるだけの、一瞬だけ交わされる軽いモノだ。
しかしそれだけで、公爵家の当主であるアイゼン・フォレン・レイニー・ビスタリオの覚悟は決まった。
今まで何度も味わってきた愛妻の唇の感触を再度心に刻み、アイゼンはその身を翻し、開かれていた愛機のコクピットにその身を滑り込ませた。
操縦する際に搭乗者の負担を軽減するべく、精神集中と体調管理の二つの魔術が発動した操縦席に腰を据え、アイゼンは徐々に締まっていく胸部ハッチが完全に閉まるまで外に居る妻エレナの姿を見続けた。
胸部ハッチが閉まる速度に合わせるようにして離れていく、妻が立っている可動式拘束具がこの時ほど忌々しいと思った事はない。
しかし胸部ハッチが完全に閉まり、内部が完全な闇に包まれてからは流石にアイゼンも思考を切り替える。
両側にある肘かけの、丁度手を置く部分にある操縦スフィアに両手を乗せ、そこに自身の魔力を流し込む。
魔力を流し込むとは言え、アイゼンは魔術師ではなく、ただの人間でしかない。それなのに、今アイゼンが乗っている魔術によって生み出されたゴーレム――最新式搭乗型ゴーレムは起動した。
魔術師ではなくとも動かせるゴーレム。それこそ、搭乗型ゴーレムのコンセプトだったからだ。
起動した途端闇に包まれていた内部には光が生じ、アイゼンを包むドームのような形をした透明なクリスタル製のモニターには、様々な情報の羅列が表示される。
それら全てに眼を走らせ、アイゼンは問題が無い事を確認した。
「システムチェック、オールグリーン。<コンキスタドール>、出るぞ」
一度通信を指令室に入れてから、外部の光景を映すモニターのスイッチを入れた。
モニターには搭乗型ゴーレムを整備する為の大きな格納庫が映し出され、左右に頭部を振れば、アイゼンのゴーレムように起動したものや、まだ起動していないものなどの差異はあるが、ズラリと並んだゴーレムの姿が見える。
自分が巨人にでもなったかのような感覚に一瞬だけ違和感を覚えたが、しかしその感覚にもアイゼンはすぐに慣れた。
まるで自分の足のように動かせる脚部を使ってゴーレムが数体並んで通れる広さがある通路にまで歩み、先ほどまで居た格納部を振り返る。
視線と同じ高さにある通路には、心配げな妻エレナの姿が映った。そしてその腕に抱かれた、生まれたばかりの息子の姿も。さっきまでは寝ていたのに、周囲の音が五月蠅過ぎたのか、眼が覚めてわんわんと泣いてしまっている。
アイゼンは思わず苦笑いを浮かべ、弛んだ自分が居る事に気がついた。
緩んだ頬に一度喝を入れてから、アイゼンは外部スピーカーのスイッチを押した。
『行ってくる』
「行ってらっしゃい、アナタ」
短く会話を済ませ、アイゼンは足音を響かせながら、ゆっくりと格納庫から出ていった。
隊を率いる将軍としてだけでなく、愛する妻と息子に恥ずかしくないだけの活躍をしようと心に誓いながら。