プロローグ イコクノチデ
レシピ6開始です!
アクセスありがとうございます!
日本からのフライト約一二時間。
『やれやれ、ようやく到着か』
正午前、フランスはシャルル・ド・ゴール国際空港に降り立つ優介は長旅の疲れを解すように肩を回す。
『どう、ユウスケ。フランスのご感想は?』
母国の空気を吸い、上機嫌にカナンは笑顔を向けるが
『少なくとも日本じゃないな』
『他にないのっ?』
相変わらずなマイペースに思わず突っこんだ。
『まあまあカナン。優介さんもお疲れなんですよ』
『別に疲れてねぇ』
『そうでしたか。失礼しました』
そんな変わらない優介にソフィは可笑しくて笑みを浮かべた。
『ですがお腹は空いてますよね。取りあえずどこかでお食事などいかがですか?』
『賛成! 機内食って味気ないから口直しがしたいわ。ソフィ、この近くに美味しいフランス料理を出すお店ってある?』
『はい。そこで食事をしながらお屋敷からの迎えを待ちましょう』
『屋敷? なぜそんなところから迎えが来る』
優介が首を傾げれば二人はキョトンとなり
『もちろん帰宅する為ですが……』
『ついでにユウスケも特別に招待してあげる。今日はワタシの家でゆっくり休んで明日、理事長に挨拶しましょう』
『必要ない』
得意げなカナンに優介はキッパリ否定。
『必要ないってまさかホテルに泊まるつもり? そんなのお金がもったいないわ』
『ご遠慮なさらず。旦那様と奥様、屋敷の者一同みな優介さんを歓迎していますから』
『それとソフィのご両親もね。未来の息子に会うの楽しみに――』
『カナン! だからそう言うことを――』
『……理事長にアポを取れ』
賑やかな二人に優介はため息を吐きつつ命令。
『『……は?』』
『俺はここへ修行に来た。ならば時間が惜しい、さっさと理事長に会わせろ』
『無茶言わないでよ!』
余りの態度にカナンが反論するが優介は平然と返す。
『最初に無茶を言ったのは向こうの方だ。なら俺の無茶も聞き届けさせろ』
その傍若無人な発言にカナンとソフィは開いた口がふさがらない。
日本でもフランスでも、優介は相変わらず優介だった。
少しでも面白そう、続きが気になると思われたらブックマークへの登録、評価の☆を★へお願いします!
また感想もぜひ!
読んでいただき、ありがとうございました!




