エピローグ ココロノアリカタ
アクセスありがとうございます!
ユースケが旅立った後、好子さんに言われた。
あたしと愛は一切ユースケに連絡を取らないようにって。
ユースケは遊びに行ったんじゃない、だからあたし達がメールとかすると邪魔になるって。
正直、その時はお姉さまでも恨みました。
優介さまと連絡がとれないこと、邪魔になると言われたこと。
とても酷いお言葉です。
でも今なら分かる。
あの時のあたし達は本当に邪魔になるだけだって。
ですが今は違います。
私と恋は資格を得たのですから。
◇
「おりょん? こんな時間に二人してどうしたん?」
恋と愛の訪問に、部屋でパソコンと睨めっこをしていた好子は首を傾げた。
「好子さんにお願いがあってきました」
「お願いとな?」
「はい。優介さまに連絡を取らせてください」
二人のお願いに好子は目細める。
「確か言ったよね。あんた達が優介に連絡をするのは迷惑だって」
指摘する口調は普段の彼女とは思えないほど冷たいもので。
「そんな固いこと言わないでくださいよ。一回だけでいいですから」
「優介さまをお見送る際、忘れていた言葉を伝えたいので」
しかし恋と愛は怯むどころか笑顔で反論。
その笑顔に好子から険しい表情が消えていた。
「忘れてたならしょーがないね。でも条件があるさね」
条件は二人別々ではなく好子のスマホから、二人で考えたメールを送ると言うもので。しかも内容をチェックする為に紙に書いて渡すこと。
不服そうにしながらもこれまで資格のなかった手前、恋と愛は素直に従い文章を紙に書いていく。
「……今回だけだからね」
「当然です」
「じゃあ好子さん、ちゃんと送って下さい」
「忘れたら、さすがのお姉さまでも許しません」
「はいはい」
用紙を手渡し二人は居間へと下りていく。
これからいつものように日報を書くのだろう。
「ふ~ん……あの二人にしては、なかなか愉快な文章さね」
一人になり用紙に目を通した好子は満足げに微笑み、自分のスマホに文章を打ち込んでいく。
「ではでは送信……の前に」
そして送信ボタンを押す寸前、何かを思いついて一階へ。
「……おやおや、思ったよりもいいのが撮れそう」
遠い異国で頑張っている弟分へ元気になるプレゼントを贈ろうと思っていたが、覗き見た室内に笑みをこらえて静かに入った。
そこには記入途中で力尽きたのか、机につっぶしたまま寝息を立てる恋と愛。
よほど疲れていたのか起きる気配がなく、でも満足そうで。
仲良く眠る二人を写メで撮影、先ほどのメールへ添付して送信。
更には布団を敷いてそのまま二人を仲良く眠らせると
「ほんと、二人ともよく頑張ったね」
二人の姉と姉貴分として誇らしく思いつつ電気を消した。
◇
日々平穏はあたしたちに任せといて。
ですから安心して、納得するまで精進をしてください。
帰ってきたらまた三人で一緒に頑張ろうね。
再び三人で営業する日を心待ちにしています。
恋愛コンビ
次回更新でココロノアリカタも完結です。
少しでも面白そう、続きが気になると思われたらブックマークへの登録、評価の☆を★へお願いします!
また感想もぜひ!
読んでいただき、ありがとうございました!




