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オモイデレシピ  作者: 澤中雅
レシピ3 カタリベオハギ
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エピローグ リナノハジマリ

アクセスありがとうございます!



 夕暮れ時、優介とリナは日々平穏に到着した。


「なぜ店に来る」

「愛ちゃんと恋ちゃん先輩にお詫びしとこーと思って。今日は師匠借りちゃってごめんなさいって」

「……なぜ恋と愛に詫びる必要がある」

「リナにも色々あるんだよ……」


 不測の事態(自業自得とも言う)とはいえ貴重な休日に優介と共に行動した手前、きちんと謝罪しないと今後面倒なこのをリナは痛いほど理解している。


「バカ弟子の考えることはよく分からん」


 だがそんな殊勝な心がけには疎い優介は呆れつつ店側の戸を開けた。


「帰った――」


「おかえりユースケ!」

「お帰りなさいませ優介さま!」


 言葉途中で厨房にいた恋と愛から嬉々とした出迎えの声。


「やっと帰ってきたよ……」

「おかえり、リナちゃん」


 遅れて妙に疲れきった孝太と、柔らかな笑みを浮かべてテーブルから立ち上がる琢磨にリナは目を丸くする。


「へ? どうして琢磨さんが?」

「彼氏として彼女の力になりたいと手伝いに来てくれたのですよ」

「ラブラブでいいね~リナちゃん」


 愛と恋の冷やかしに琢磨が微笑むとリナは喜びを露に抱きついた。


「琢磨さんありがと~!」

「いつもリナちゃんがお世話になってるからね。当然のことしただけだよ」

「……実に出来た彼氏だ」


 甘い空気を流しつつ優介は孝太に視線を向けた。


「で、お前は何しに来た」

「脅迫されて強制労働にな」

「ようするにいつもの事か。ならついでに飯でも食っていけ」

「そりゃどーも」

「綿引、お前もな」

「お礼されることしてないけど、鷲沢の飯が食えるなら遠慮なく」

「じゃあリナもお手伝いするよ!」


 早速エプロンを手に厨房へ向かう優介にリナも続こうとしたが


「リナ、疲れたでしょう。座りなさい」

「へ?」

「そーそー。料理修行で疲れてるからあたしたちとお喋りしない?」

「二人とも……目が怖いよぉ」

「失礼ですね。私が親友に対して殺意を抱いてるとでも?」

「そこまで言ってないよ……愛ちゃん」

「あたしらも疲れてるからじゃないかな。なんせ一日中お店の掃除してたし」

「恋ちゃん先輩……も落ち着こうね」

「とにかくです。優介さまとどのような時間を過ごしていたのか」

「ゆっくりお喋りしましょ?」


 自業自得とはいえ留守番で大掃除、しかも二人一緒ということでかなりのストレスが溜まっているのが目に見えて分かるだけにリナは実に居心地く――


「リナ……頑張れるかな……?」


 師を奮い立たせている存在、ある意味強い心を持つ恋愛コンビとの今後の関係に誓いの心が少しだけ折れそうだった。



 日々平穏。

 四季美島にある小さな定食屋は美味しい料理と楽しい時間、そして温かな思い出を提供する不思議なお店。


 いつか遺志を受け継ぐ定食屋がどこかに出店する。


 ……かも?


今回でカタリベオハギは完結です。

そして次回更新は予告通りオマケの内容。

日々平穏隠し味~白河孝太編~をお楽しみに!


少しでも面白そう、続きが気になると思われたらブックマークへの登録、評価の☆を★へお願いします!

また感想もぜひ!

読んでいただき、ありがとうございました!

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