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オモイデレシピ  作者: 澤中雅
レシピ1 サンニンレシピ
4/365

ネガイカレー 3/3

本日三度の更新です!

アクセスありがとうございます!



 翌日の夕方。


「そろそろ時間だ。恋」

「ほーい」


 厨房で作業する優介に促され恋は外へ、本日は休みなので制服のままだ。

 昨夜愛が貼った『都合により定休日』との張り紙の前で待っていると、約束の時間二分前に本日のお客さまが現れた。


「いらっしゃいませ。本日ご予約していただいた駒村祐樹さまと恵美さまですね」


 一礼する恋に祐樹はキョトンとなるが、その隣りの恵美は不満げな表情を崩さない。


「予約……ですか?」

「はい。では二名様、ごあんな~い!」


 恋に案内されるまま店内に入った祐樹は再び首を傾げてしまう。

 普段は出入り口の壁沿いに並んでいる四つのテーブル席が撤去され、店内中央に椅子が三つ用意されたテーブルが一つだけポツンと置かれていた。

 さらに食堂内を覆う香り。以前は様々な料理の香りが充満していたのに今日は一種類だけハッキリとかぎ分けられる。


 そう、スパイスの効いたカレー特有のかぐわしい香りだ。


「料理はすぐにご用意しますので、こちらに座ってお待ちください」


 唖然とする祐樹は言われるままテーブル席に座り、向かいの椅子が二つ並べられた一つに恵美が座ると恋は水を用意するでもなく、やはり制服姿の愛と一つあけたカウンター席に座ってしまう。

 しばらくして厨房から両手にカレー皿を持った優介がテーブル席の前に立った。


「約束どおりママのカレーを食わせてやる」


 その言葉に恵美は肩を震わせ、祐樹は息を呑む。

 二人の前に置かれたのはカレーライス、ただ以前出した日々平穏本来のカレーライスではない。

 赤いご飯にかけられたルーには星やハート型に切られたにんじんとジャガイモ。肉も鶏肉ではなく、ミンチを丸く固めたものに変わっていた。


「これは……っ」


 出されたカレーライスに祐樹は目を見開き、恵美も驚いているのが分かる。


「どうしてこのカレーを優介くんが? このカレーは――」

「いいから食ってみろ」


 驚くばかりで食べようとしない祐樹に優介は面倒げに告げる。

 躊躇しつつも祐樹は、恵美は黙ってカレーをスプーンですくい口にする。


「見た目だけじゃなく味も同じ……。これは……美奈代が作るカレーと全く同じだ」


 驚きと懐かしさが混じった祐樹の呟きに、カウンターから安心したような息が漏れる。

 優介は再現したのだ。

 見た目も味も全く同じ料理を、レシピを知らないハズなのに約束どおり二人の思い出の料理を完璧に再現したのだ。


「しかしどうして……? このニンジンを擦って炊き込んだご飯も、形抜かれた野菜も、ハンバーグを丸めた肉も……どうして?」


 一口ごとに追求する祐樹を無視し、優介は一口食べてから動かない恵美に問いかける。


「約束は守ったぞ」


 どこか誇らしげな言葉に、ハッとなった恵美は何度も首を振った。


「ち、ちがうもん……! ママのカレーはもっと美味しいもん!」

「なにを言うんだ恵美。これは間違いなく――」


 あからさまな嘘を言う娘に叱責する祐樹を優介は手をかざし制した。


「どうせ駄々こねると思って、最後の味付けを用意してやった」

「……え?」


 顔を上げる恵美に優介はかすかに口の端を上げ、愛へ視線を向ける。


「愛。最後の味付けだ」

「お任せください」


 愛は立ち上がりカレーライスの上へかざした。


「――思い出に残る料理には記憶が残ります」


 一連の行動をただ見つめていた祐樹と恵美は目を見開く。


「誰と食し、どのような時間を過ごしていたか」


 何故なら愛の呟きに呼応するように左手が淡いオレンジ色の光に包まれたからだ。


「それは過ぎ去った、温かな時間」


 しかし愛は目を閉じ、光に包まれた手をかざし――


「では思い出してみましょう。料理に刻まれた優しい時を」


 パチンと指を鳴らす。


 霧散する光に包まれ祐樹と恵美は一瞬目を閉じてしまう。



「「…………っ」」


 そして目を開けた二人の前に――信じられない人物が立っていた。


「お久しぶりね。元気でしたか」


 驚愕する祐樹と恵美を他所にその人物はゆっくりと口を開く。

 栗毛のロングウェーブを揺らし、左目尻にホクロがある柔らかな顔立ちをした女性はその雰囲気と同じ優しい笑みを浮かべている。


「み……っ」

「ママっ!」


 祐樹が女性の名を呼ぶより早く恵美が椅子を倒して抱きついた。

 そう、もう一人のお客さまとは祐樹の妻であり、恵美の母親である駒村美奈代。


「ママっ! ママっ!」

「あらあら、恵美ちゃんどうしたの?」


 抱きつきながら何度も呼ぶ娘に美奈代は困ったように祐樹へと視線を向けた。


「祐樹さんも、そんなところで呆けてないで何か言ってください」

「いや……しかし……どうして……」


 上手く言葉がでない祐樹に美奈代はコクンと首を傾げてしまう。


「なにをそんなに驚いてるんです? ほら、早く夕飯を食べましょう。せっかく作った料理が冷めちゃいますよ」

「作った……? なっ――!」


 その言葉に呆気にとられていた祐樹はさらに驚愕した。ここに居ないはずの人物に目を奪われて気づかなかったが、周囲の景色が変わっている。

 フローリングの床に使い込まれたキッチン、食器棚や本棚に置かれた電話機。見覚えのあるこの場所は以前住んでいた家の居間だ。

 定食屋の店内に居たはずなのにどうして? と狐に抓まれたような錯覚を覚える祐樹に向けて美奈代は微笑するのみで何も答えない。


「恵美ちゃんも座っててね。ママのカレーも持ってこなきゃ」

「うん! 恵美お手伝いする!」

「あらあら。いい子ね」


 娘の頭を優しく撫でると美奈代はキッチンへ向かい、コンロに乗っていた鍋の中をお玉でかき混ぜる。その間に恵美は炊飯器からご飯を皿によそい隣りで待機していた。


「はい、二人も手を合わせて……いただきます」

「いただきまーす!」


 懐かしい食卓をはさんで妻の美奈代、その隣りに娘の恵美。

 もう二度と見れない光景が、失ったはずの食卓が祐樹の前にある。


「ほら、祐樹さんもちゃんと手を合わせて、いただきますしないと」

「あ……ああ。いただきます」


 混乱していた。

 不に落ちないことも、分からないこともたくさんある。

 だがこの尊い時間に身をゆだねたく祐樹は今、この温かな時間を素直に受け入れた。


「恵美ちゃん、美味しい?」

「うん! ママのカレーは日本一だもん!」

「あらあら嬉しい。祐樹さんはどうかしら?」

「……美味しいよ。とっても……」

「ならたくさん食べてくださいね。おかわりはいっぱいありますから」


 家族三人の食卓で交わす他愛の無い会話は、今も昔もかけがえのない時間。



 そして――ごちそうさまを合図にその時間は終わりを告げる。



「さて、ママはもう行かなきゃ」

「え……どこに行くの? 恵美も行く!」


 途端に涙を浮かべる恵美を優しく撫でながら、美奈代は自愛に満ちた笑み向けた。

「恵美ちゃん、よく聞いて。ママの幸せのおはなし」

「ママの幸せ……?」

「ママはね、恵美ちゃんが元気に暮らしてくれることが一番の幸せ。たくさん食べて、大きくなって、ママのように大切な人を見つけて……幸せな家庭を築くことが幸せなの。このカレーにはママの幸せな願いがたくさん詰まってるのよ」


 そして恵美の頭を抱き寄せ、美奈代は愛しげに言葉を続けた。


「だから忘れないで。ママの幸せのおはなし。恵美ちゃんが元気な子でいますように。パパといつまでも仲良く、幸せに暮らしますように……約束して欲しいな」

「……恵美が元気でいると、ママが幸せになれるの?」

「とっても幸せ。だからいつまでも元気でいてね。私の大切な……恵美ちゃん」

「うん……約束……する……よ」


 途切れ途切れの言葉を口にしていた恵美から小さな寝息が聞こえてくると、美奈代は祐樹へと目を向ける。


「祐樹さん。恵美ちゃんのこと、お願いします」

「美奈代……」

「それと、ずっと伝えたかったの。私は祐樹さんのお嫁さんになれて幸せでした。貴方と恵美は、私の――」


 幸せです


 瞬間、世界がオレンジの光と共に弾けた。



「――美奈代!」


 ガタンと音を荒げて椅子から立ち上がった祐樹は何度も目を擦る。

 一瞬どこか分からなかったが、ここは日々平穏の店内。

 そう、自分は娘と共にここへ訪れ、カレーライスを食べていた。


「いい夢でも見てたのか」


 そんな祐樹の横で優介が問いかける。


「夢……ですか?」

「夢だ。なにを見たか知らないが、今までの出来事は全て夢。それでいいだろ」


 言われてみればそうかもしれない。

 向かいの席で娘も幸せそうに寝息を立てているし、今までの出来事を考えれば夢以外にありえない。


 だが、どうしてテーブルに()()()()()()()()()()


 呆然とする祐樹に優介は伝えたいことがある。

 食欲がない時でも何故かカレーは食べられるのはスパイスの香りが食欲を刺激することもあるが、本来は栄養価の高い料理。特に滋養強壮が高く、旅行帰りや正月料理に飽きた時に食べたくなったりする。

 しかも野菜を形抜きしたり、米に擦った人参を混ぜて炊いたり、肉の代わりに子供が好むハンバーグにしたり。なにより市販のルーを使わずスパイスを調合して食べやすい味にする心がこのカレーには込められている。


 自分のため子供のために働く大切な人を気遣って、元気でいて欲しい想いが、願いが詰まっていたと。


 だが必要ない。

 もう彼女の心は二人に伝わっている。

 優介はテーブルの上にある三人分の食器を重ねながら、ただ一言だけ告げた。


「いい嫁つかまえたな」


 厨房へ入る優介を追うように、カウンターに座っていた恋と愛も視線を向けていた。

 祐樹が今どんな想いでいるかは、きっと見られたくないハズだから。


 ◇


「あの……本当にいいんですか?」


 恵美を背負った祐樹はもう何度目かの確認をしていた。食事の代金を払おうとしたのだが、なぜか断られてしまったのだ。


「はい。これからも日々平穏をよろしくお願いします」


 店の前で淡々と愛が告げ、隣では恋が父の背中で眠る恵美の頬を指でつついている。


「それとこの子が起きた時、今日みた夢の話をしてあげてください。ママが幸せでいるように、これからは一緒に頑張っていこうって……パパの口から伝えてあげてくださいね」

「どうしてそのことを……いや」


 夢の話を知っている恋に問いかけようとして、祐樹は首を振った。


「……そうします。今日は本当にありがとうございました」


 深く頭を下げ、祐樹は娘を背負い去っていく。


「ごくろうさま」


 恋の労いを無視して先に店内へ入る愛の足取りは重く、無理していることが窺える。

 だが恋は何も言わない。案の定、愛の体が大きく傾くが助けようともしない。


「もう休んでいいぞ」

「優介……さま……」


 なぜなら恋の予想通り店内で待ち構えていた優介が愛の身体を支えている。


「ご苦労だった。部屋まで運んでやる」

「ありがとう……ございます」

「恋。後は俺に任せて今日はもう上がっていい。白河でも呼んで送ってもらえ」

「そーします」


 了承すると優介は蒼白顔の愛を抱きかかえ二階へ向かう。住居となっている二階の四部屋の内、左奥が愛の部屋になっていた。

 器用に足で襖を開けると右側に部屋が広がる。勉強机にテーブル、除加湿器と大きな本棚が一つ。全体的にファンシーなデザインで統一された私室に入り、ベッドに愛を寝かせて除加湿器のスイッチを押した。


「大丈夫か?」

「はい……あの、優介さま。ごめんなさい……」

「なぜ謝る」

「本当はこんな時こそ、妻である私が共にいないといけないのに……このような……」

「妻じゃないだろ。あと、気にするな」

「ですが……」

「愛のおかげで客は満足した」


 横たわる愛の頬に手をあて、心を込めて言葉を継げた。


「感謝する」


 ようやく微笑んだ愛は、間もなく寝息を立ててしまった。

 起こさないように優介は部屋を後にし、片付ける為に一階へと向かい――


「……なぜまだいる」


 厨房から店内を見るとテーブルの配置が戻されていた。

 しかもカウンターにカレーライスが盛られた皿が二つ、水も用意されている。


「だってコータ捕まんなかったし、せっかくだから夕飯食べて帰ろうかなって」


 そして帰るよう言っておいたはずの恋がカウンター席に座っていた。


「ユースケもお腹空いたでしょ? 一緒に食べようよ」

「作ったのは俺だぞ。なんでお前が偉そうに……」


 ブツブツ言いながらも優介は恋の右隣に座り手を合わせる。


「それじゃ、いただきまーす」

「……いただきます」

「うーん! このカレーほんとに美味しいわ」

「ふん……確かにな」


 込められらた心を誰よりも優介が知る故に、恋は勤めて明るく振る舞い喋り続けた。


 日々平穏には一部の人間しか知らない裏メニューがある。

 メニュー表記はされていない。

 なぜなら料理ではなく、日々平穏でのみ味わえる時間。

 誰しも懐かしい味、思い出の料理がある。

 優介は相手の目からそのレシピを読み取る能力を持っていた。


 ココロノレシピ――思考に残る料理の形や味だけでなく、料理人の込めた想いまで読み取り完璧に再現できる。


 そして夢幻の世界で料理人の心を伝え、または食した者の記憶を再現することが出来る愛の能力――レシピノキオク。


 この二つの能力が合わさることで裏メニューは完成する。

 素敵な能力だと恋は思う。


 ただしこの二人が使えることを除けばだ。


 愛は元々体が弱く、恋や優介と同い年なのに長期入院で学年は一つ下の中学三年生。そしてレシピノキオクを発動すれば精神に大きな負担をかける。

 故に能力を発動した後、重度の疲労で愛は少なくとも丸一日寝込んでしまう。

 ココロノレシピはただ相手の目から読み取ろうとするだけで身体に負担はない。だが今日のように家族の温かさや作り手、母親の家族に対する想いが伝わるのだ。

 とても素敵な能力だと恋は思うが、どうして優介なんだろう――と。


 あのような形で家族を失った彼にはあまりにも残酷な能力なのに。


 だからこそ、こうして恋は共に食事を楽しむ。

 日々平穏の裏メニューで唯一なにも出来ない恋には、他に出来ることはないから。

 少しでも優介が寂しくないように、一人じゃないと知ってもらう為に一緒の食卓に座る。

 きっとこれからも、誰かのためにこの素敵で残酷な料理を作り続ける彼のために。


 笑顔で、共に料理を食べ続ける。


 ◇


 数日後、下校後いつものように夕方の開店に向けて日々平穏は準備をしていた。


「そういえば今日のお昼休みのことですが、以前来客された駒村さまの娘さん――」


 仕込みをする優介とテーブルを拭く恋に向けてレジチェックをしていた愛が思い出したように口を開いた。

 中学生の愛は同じ敷地内にある小学校に通う恵美を見かけたらしく、高校の校舎にいる二人に報告する。


「お友達と一緒に遊んでいるところを見かけました。なんというか、元気が有り余っている感じで、とてもうるさかったです」


 批難の言葉を淡々と告げる愛に優介も恋も作業の手を止めて苦笑した。


「子供は元気が一番だよねー」

「……そうだな」

「ですね」


 それぞれが一言述べて再び沈黙する。その時――


「こんにちはー!」


 がらりと引き戸が開けられ一斉に視線を向けると、ランドセルを背負った小学生が開店前だというのにズカズカと入ってきた。


「元気でしょう?」

「……みたいね」

「なによ。恵美の顔になにかついてる?」


 恋愛コンビの視線に首をかしげる恵美。過去二度の来店では見たこともないコロコロと変わる表情が可愛らしく、歳相応の明るさを見せていた。


「まだ準備中だ。追い出せ」


 その姿を一瞥して優介は作業に戻るが、恵美は動じずカウンター席に腰掛けてしまう。


「ねえ……えっと……名前なんだっけ?」

「優介だ。鷲沢優介」

「恵美は恵美っていうの。よろしくね、ゆーすけ」

「……いきなり呼び捨てか」

「そんなことよりゆーすけ」

「聞いてねぇし……」


 ため息を吐く優介に恵美はペコリと頭を下げた。


「約束まもってくれてありがとう。ゆーすけのカレー美味しかったよ」

「礼を伝えに来たのは褒めてやるが――」

「それでね、ゆーすけ」

「やっぱり聞いてねぇ……」

「もし約束やぶったらゆーすけは恵美の言うことなんでも聞くって約束だったけど、恵美が守ってもらったときのじょーけんは決めてなかったよね?」

「んなのどうでもいいからとにかく……」

「それで恵美考えたの」

「だから話しを――」


 凄みのある顔で睨みつける優介に向かって、恵美はとんでもないことを口にした。


「ゆーすけを恵美の大切な人にしてあげる」


「…………は?」


「「なっ!」」


 これには微笑ましく傍観していた恋愛コンビは驚愕し、優介も珍しく呆け顔になった。


「どうせゆーすけってもてないんでしょ? ヤンキーみたいだし口悪いもん。だから将来恵美がお嫁さんになってあげるね。今日はそれを言いに来たの」


 不穏な空気が店内を覆っていることに全く気づいてないのか、恵美は満面の笑みを浮かべながら椅子から降りた。


「恵美、ママみたいに美人になるからきっと幸せな家庭になるよ。だからゆーすけもバリバリ稼いで、恵美のこと幸せにしてね。後でパパとご飯食べに来るから、その時にこれからのこと決めよ。じゃあねー!」


 最後まで空気が読めない恵美は手を振り出て行ってしまう。


「…………なんだったんだ? まあいい、開店するぞ」


 ようやく我に返った優介は気にすることなく作業を開始するが――


「ちょっとユースケ!」

「優介さま!」


 とんでもなく気にしていた恋愛コンビは厨房に駆け寄り優介に詰め寄った。


「なに? なんなの約束って! どうしてユースケと恵美ちゃんが結婚するの?」

「あん? そんなのするわけな――」

「私という妻がいるというのに、不倫ですか愛人ですか!」

「待て。誰が妻――」

「ちょっと愛! なにどさくさに紛れて妻名のってんのよ!」

「真実です。引っ込んでなさい泥棒犬」


「誰が泥棒犬か! だいたいあんたは――」

「優介さまの幼なじみだからといって――」


「テメェらいいかげん――――俺の話しを聞きやがれぇぇぇぇっ!」


 いつもの言い争いに、やはりいつものように優介の怒声が響くのだった。


これにてネガイカレー完結です。

次回は『ハツコイオムライス』と予告してみたり(笑)。

少しでも面白い、続きが気になると感じられたらブックマークへの登録、評価、感想などお願いします。

出来れば本日中にもう一度更新を予定しています。

読んで頂きありがとうございました!

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[一言] この食堂行きたい おばあちゃんの料理食いたい
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