56-1話 幕間 リナ
奴隷市場に並べられた商品
私と同じ黒髪。
私と同じ青い瞳。
私と同じ褐色の肌。
私と同じように、諦めた目をした女。
あれは私のように、連れてこられたのだろう。
私達とは違う、何も知らない目の少女。
ここで、繁殖した第2世代。
どんな未来が待つかわからない彼女達に比べたら、私はマシ…。
自分に言い聞かせる。
私の前には、ご主人様である少女が歩みを進める。
性的に悪趣味な事を許せば、優しいご主人様。
その横には、ご主人様から寵愛を受ける黒髪の美少女。
いや、美少女に見える男。
私の身体を汚した男。
初めて見た時は、同じ奴隷紋を刻む少女に同情した。
私達と同じように、ご主人様の悪趣味に付き合わされるのだから。
次の印象は、猫好きな少女だった。
友達になれると思った。
なのに…。
そして、先程、奴隷市場で、売られるのかと怯える私を彼は助けた。
安堵と共に、まだ私の身体で遊ぶつもりなのかと嫌悪感が襲う。
彼も自分より下の私を弄んで、心を落ち着かせているのだろうか。
並べられた商品を見る。
私も自分より下を見て、それでも、この子達よりはマシと言い聞かせる。
売れ残れば、繁殖用に回されるのだ。
ただ、第三世代を産むだけの存在に…
気分が落ち込む。
早く猫達に会いたいと思いながら、ご主人様の後に続いた。




