55話 快楽の夜 後編 R15
あれから数日が経った。
あの夜から、黒髪の少女は、口を聞いてくれなくなった。
ただ、マリオンの命令は絶対のようで、朝から部屋に来ては、俺に遊ばれている。
私は口を聞かない彼女を、物と思うようになっていた。
そして、久々に呼ばれたマリオンの部屋。
私とリナは、彼女の前にいた。
「リナはどうかしら?」
「つまらないですね」
そんな辛辣な言葉を聞いても、黒髪の少女は反応しない。
「新しいおもちゃを買いに、明日、奴隷市場に行きましょうか。リナ、あなたも来るのよ」
「あ、あのっ…お願いです!捨てないで下さい!」
暗に売りに行くと言われた黒髪の少女は、初めて大きな声で反応した。
それを、楽しそうに見るマリオン。
「どうしようかしら?良い声で鳴いたら、考えてあげるわ」
そう言って、私とリナで遊ぶように命令する。
…
……
………
黒髪の少女は、初めて音色を奏でた。
恍惚の笑みを浮かべて、マリオンは満足したようにリナを部屋から出す。
そして、
「今からする事は絶対に秘密よ。私の初めてをなんて、お父様にバレたら、殺されるじゃ済まないわ」
興奮してしまったのと、彼女は俺を誘う。
二人の影が交わった。




