表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/402

29-2話 幕間 マリオン・フロレンス

私の横で、お人形さんのように整った顔の少女が、窓の外を見つめている。

王都に向かう馬車の中、二人きりの空間。


やっと手に入ったおもちゃで、遊びたい衝動を抑える。


彼女を見つけたのは、半年以上前…

12歳から通った、王都の貴族学校を卒業した帰り道。


お父様から賜った領地、いえ…ノース侯爵の試練と呼ばれている土地への帰り道だったわ。


城塞都市ガレオン


それが、ノース侯爵の試練と呼ばれている私の領地。

お父様もお爺様も、ノース侯爵の次期領主は成人してから、ここを5年治める事が決まりとなっている。


なので、何か使えるものがないか、交易都市に寄り道をしたら、思いがけない出会いがあったの。


彼女の首筋を見る。

奴隷紋が、刻まれている。


領地の特性上、奴隷は市場で見慣れていた。

瞳の奥にみんな、恐怖を宿しているの。

…つまらない。


でも、彼女は違ったわ。

美しい外見に劣らない、気高さがあるのよ。


領地に戻ってからも、交易都市で物資を仕入れる名目で、彼女の元に通う。

可愛いお人形さんを壊したい気持ちから、屈服させたい気持ちに変わっていた。


窓の外を眺める彼女。


…人を支配するには、その者の欲を満たせ。

貴族学校で習った領地経営学を、思い出す。


奴隷の彼女に、最高級の部屋と睡眠を与えてみましょう…

奴隷の彼女に、最高級の食事を与えてみましょう…


彼女のどの欲を満たせば、私の足元に跪くのかしら?


でも、まだ焦っちゃダメ。

彼女は賢い。


私は、おもちゃで遊びたい衝動を抑える。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ