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94話 街の歴史

今から70年か80年前、そんなあやふやになる程の昔に、この街の前身である都市国家は陥落した。


そして、廃墟となった都市国家に一人のエルフが訪れる。

男は、生きる事に飽きていた。

長い寿命を持つ、エルフの血を恨んでいた。


そして、男は冒険譚に出てくる領主に憧れていた。

故郷を飛び出した男は、廃墟に辿り着くと領主を名乗った。


領民など誰もいないのに…。

だが、やがて戦火を逃れた人が獣人が、そして男のように長い寿命に飽きたエルフが街へ辿り着く。


領主と名乗る男は、何も求めなかった。

ただ、街へ来る者を領主として、歓迎した。


人が集まると街は人々によって、復興される。

ある時、どこかの国の騎士団が、復興されかけた街に襲来した。


人々は森へ、逃げた。

そして、騎士団が街から消えているのを確認すると、また人々は戻ってきた。


領主と名乗る男は笑顔で、出迎えた。


「まあ、そうやってみんなが色々してくれたんだけどね」


変人のエルフが、話を続ける。


人が集まり、生活が安定すると争いが起きた。

いくつもの自警団や派閥が生まれ、格差が生まれた。


盗賊や傭兵を生業とする者が多くなった街は、血に染まる。

戦場で出会った者同士が、街で出会うからだ。

蹂躙した者と、された者が出会うからだ。


「だからね。僕はこの腕輪を作ったのさ」


机の上に置かれた腕輪を手に取る。


「この腕輪をしてない人が街にいるとね、僕が作った精霊がその人に12時間おきに警告する。精霊がこの街の中で争いの気配を察すると、それを止めるって仕組みさ」


いやー大変だったんだよ。

みんな理解するのに、30年くらいかかったかな?


ああ、でもあの頃のみんなは、ほとんど死んじゃったかな。

ほら、ここ傭兵の街らしいじゃない?


領主のエルフは、どう?とばかりに3人の少女の方へと、顔を向ける。


椅子に座ったハーフエルフの眷属と獣人の少女は、船を漕いでいた。


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