表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/402

92話 勢力図

傭兵の街


元ゼロス同盟の領土の中央に位置する。

北にエルフの都市国家群。

西に獣人の都市国家群。

東に人族の都市国家群。


東の果てにある砂漠に面した、ひきこもりエルフの都市国家など、小さな種族の国は大小様々にあるものの、100年余りの戦争を経て勢力図は、大きく三分割にされている。


もっとも獣人は獣人の都市国家同士で、人族は人族の都市国家同士で戦争は続いているようだ。


30分銅貨20枚と飲み物を1杯奢るという契約で、私はアンナと呼ばれた情報屋から、限られた時間を有効活用していた。


ちなみにフィーナとルルは、カウンターの離れた席で肉料理とパンに夢中だ。


「次は、この街の事を知りたいですね」

「また漠然とした質問だねー。まあ、新入りから聞かれるいつもの事だから、いいけどさ」


アンナは、飲み物を片手に笑う。

砂時計は、残りわずかとなっていた。


「大事な事は3つよ。夜は出歩くな。街の入り口は安全だけど、慣れるまで街の奥には行くな。領主様から、魔法の腕輪を買え。以上よ」


ここは傭兵の街だからねと、真剣な表情で彼女は付け加えた。


「わかりました。領主様の館はどちらに?」

「…館ねぇ。この店を出て真っ直ぐ歩けば、右手に見えて来るわ。…あれが、館ねぇ」


思い出し笑いをして、ケラケラと笑っていた。


「ありがとうございます。これは気持ちです」


砂時計が終わりを告げたので、アンナに追加で銀貨1枚を渡す。

有益な情報をくれる者とは、良い関係を築いておきたいのだ。


「いいのかい?また利用してくれよ。良い情報を仕入れとくからさ」

「ええ、その時はお願いします」


任せてと親指を立てる彼女に、


「最後に領主様の事を聞いても?」

「変わった人だけど、悪い人じゃないわ。寂しがりやの変人よ、変人」


そして、お腹を満たした私達は赤髪の女に見送られながら、店を出た。


アンナの言葉に従って、広いメインストリートを真っ直ぐと進む。


「ルルは今、とても幸せを感じてます」

「お腹いっぱいで、眠いの」


フードを降ろした二人の少女が、お腹をさすりながら続く。

少し歩くとアンナの言葉どおり、目的地が見えてきた。


「領主の館 はじめての人は絶対来てよー?」


フィーナが不思議そうな顔をして、看板を読む。

ルルは、怪しむようにジト目でそれを注視する。


それもそのはず、看板が立てられた、ただのボロい一軒屋だったからだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ