告白と決意
短いです。ごめんなさい。
「呼び出すなんて、珍しいね。どうしたの?」
屈託のない笑顔でキミは聞いてくる。もうすぐ私がそれを壊してしまうと思うと、胸が締め付けられるような気持ちになる。
「うん、あのね…別れたいの」
キミはやっぱり、衝撃を受けたようだった。すぐにちょっと慌てた口調で、
「そ、そうなんだ。でも、どうして?」
と言った。
「好きじゃなくなった…かな」
「そっか…。そうだよな。やっぱり俺、箱崎さんには不釣り合いだったよな」
「いや、そういう訳じゃなくて…キミと一緒にいることはとっても楽しいの。でもそれは…恋愛感情とかそういうのじゃないってこと。」
少しの沈黙のあと、キミは意を決したように、
「あのさ、みんなに何かすごく大きな隠し事してない?」
「えっ…」
「いや、言いたくないならいいんだ。忘れて。」
もうこのチャンスを逃したら一生モヤモヤを抱えて生きていく気がした。だから言ってみた。
「私ね、双子がいるんだって」
「…うん」
「それでね、その双子に会いたいの」
「それだけか?」
「うん、それだけ」
「そっか。良かった。」
妙にほっとしたような顔をしているキミを見て私が不思議そうにしていると、
「いや、自殺したいとか大きな病気だとか、とにかく箱崎さんの命に関わることじゃなくて良かった。それで、その双子のあてはあるの?」
「…ない。でもお義母さんは何か知っているかも」
「なんで?」
「なんとなく」
キミはふぅ、とため息をついて、
「まあ、とりあえず瑠麗のお義母さんに聞いてみたらいいと思うよ」
「ありがとう。私、絶対見つけてみせるから」
私の双子を。遠い昔に消えた、私のカタワレを。