閑話:皇太子の逃避行
ごきげんよう、私はインジェント帝国皇太子のマルス・インジェント、突然ではあるが今、私は恋人のアリサ・クローリー男爵令嬢と馬車に乗り一緒に隣国のセルベックス帝国へ向かう途中である
【アリサ・クローリー】
「マルス様、突然、セルベックス帝国に行こうなんてどうしたのですか、皇帝・皇后両陛下に私たちの仲を報告もせずに」
私の心中、知ってか知らずかしきりと聞いてきた
【マルス・インジェント】
「実はな、アーシア叔母上がセルベックス帝国に遊びにおいでと誘いがあったからほとぼりが覚めるまで滞在されてもらうんだよ」
私は必死で言い訳をしながらアリサに説明した
【アリサ・クローリー】
「そうなのですか。そうと分かっていたら父上と母上にご報告していたのに、お土産の準備をしていませんでしたわ」
【マルス・インジェント】
「その必要はないよ!アーシア叔母上はいつでも遊びにおいでと言っておられたから、その心配はないよ、私は1日でも早くアーシア叔母上に会いたいよ、おい、急げ、もっと走らせろ」
今にして思えば私はとんでもないことをやらかしたと後悔している、いずれ知られる、特にオリビア伯母上に知られたら何をされるかたまったものじゃない、私は胃痛に苦しみながら国境を目指した