オリビアカレー
今回は料理を作るだけの回
ごきげんよう、オリビア・アスファードです
最近、魔王が復活したという噂がありましたが、直ぐにその噂もなくなったそうです
そういえばこの間、タマを取った男は魔王と名乗っていましたが、思い過ごしかしらね
【オリビア・アスファード】
「あぁ、カレー食いてぇ」
自分でもなぜそう言ったのか分かりませんが無性にカレーが食べたくなりました
実は私、カレーライスが大好きです!えっ、突然何を言っているのかって、カレーライスが久しぶりに食いたくなってきたのよね
前世の私はよくカレーライスを作っていました!カタギだろうがサツだろうが極道だろうがカレーライスの前ではみな笑顔になれる魔法の一品です!こちらの世界に来てからは、台所に立つ機会が減ってます。まぁ、高貴な令嬢が料理すること自体、まずありません。でも我慢できません!そこで公爵家に仕える料理人たちを説得して何とか厨房に立つことができました。久しぶりの料理なので緊張してます
さすがに全部は無理なので豚肉と玉葱と馬鈴薯と人参とリンゴの処理は料理人たちに任せた
カレールーですが、幸いにもこちらの世界には「ウコン(ターメリック)」や「トウガラシ(レッドペッパー)」や「パクチー(コリアンダー)」やセリ科の仲間の「クミン(クミンシード)」という4つのスパイスがあるのでカレールーが出来ます!
材料である豚肉や人参や馬鈴薯や玉葱、水と菜種油、隠し味にリンゴと蜂蜜、そして米、こちらの米は大粒で粘り気は少ないけどあっさりした味です
さて料理人が処理した玉葱と人参と馬鈴薯と豚肉とすりおろしたリンゴが運ばれてきました
カレールー作りの材料は包丁で細かく刻み、最後は石臼で擂り潰して混ぜて完成です
こちらの世界には圧力鍋がないのでフライパンで代用します
フライパンに菜種油を入れて、そこに豚肉を入れて色が変わるまで炒め、次に玉葱を入れて透き通るくらい丁寧に炒めた
そこに馬鈴薯と人参を混ぜて、丁寧に混ぜて、そこから水を入れて、混ぜます。沸騰したらアクを取る。10分以上立ったら一旦火から離して自家製カレールーを入れてかき混ぜ、隠し味のすりおろしたリンゴと蜂蜜を入れかき混ぜる
10分ほど火で煮詰めて、時々味見をしました。味の方はカレーです。やっと完成した!
コンロと違い火加減は難しいです
予め煮ておいた米と一緒に食べることにしました。うーん、前世のカレーライスに近いですが自家製カレールーの独特のスパイスが利いているがコクとまろやかさもあります!いつの間にか料理人たちが私の横でメモを取っておりカレーライスのレシピを作成していました
夫と娘と息子と息子の婚約者と部下たちがやって来て・・・
【オリビア・アスファード】
「私が作ったカレーライスよ」
私が言ったら驚いてました。試しに食べさせたら・・・
【カルロス・アスファード】
「美味しいよ!こんな美味な物は初めてだ」
【ミーナ・アスファード】
「カレーライス、とても美味しかったです」
【トーマ・アスファード】
「僕、カレーライス大好きになった」
【アメリア・ヨーク】
「これほど美味しい料理は初めてです!」
【メイル・ラヴィ】
「オリビア様のカレーライス、最高です!」
みんなが口々に美味しいと絶賛していました
気まぐれで作ったカレーライスが思わぬ効果を発揮しました!何と愚弟と妹分と甥っ子がカレーライスに興味を持ち、食べてみたいと言い出したのだ!夫がうっかり口を滑らしたことが切っ掛けらしい
夫が私に向かって謝罪のポーズをしてきた
幸い公爵家の料理人たちがカレーライスのレシピを作っていたらしく、公爵家のお手製のカレーライスを愚弟と妹分と甥っ子に献上しました
【ゴーン・インジェント】
「うむ、少々辛いがこれほど美味しい料理は初めてだ!」
【イリス・インジェント】
「カレーライス、これほど美味しい料理は初めて!姐様はやはり凄いです!」
【アレス・インジェント】
「カレーライス、凄く美味しい!」
愚弟と妹分と甥っ子は絶賛していました!私も試しに食べたら私の作ったカレーライスよりも美味しかった!さすが料理のプロは一味違う
宮中の料理人たちがカレーライス作りを教えてほしいと懇願してきたので公爵家の料理人たちに任せた
その時、妹分が私に近づき・・・
【イリス・インジェント】
「姐様の作ったカレーライスが食べてみたいです」
私の作ったカレーライスを食べたいと言い出した。そう言ってくれると嬉しいよ
やがて、このカレーライスが国内外にも伝わり、人々は【オリビアカレー】と呼び、国民食になるとはオリビアは知るよしもなかった




