拘束魔法ってもしかして?
魔法ギルドからの帰り道の話です。
楽しんでいただければ幸いです。
拘束魔法を覚えた俺と魔法使いギルドを案内してくれたシルキーは来た時と同じ様に街を歩いている。
帰りは特に急ぐ必要が無く他に用事も無いので、さっきのお礼もかねて近くの軽食屋でシルキーにちょっと遅めの昼食をご馳走する事にした。
一緒にご飯を食べている時に俺が頼んだメニューから一品横取りはよくする癖に、全額出してもらって完全に奢られる事はあまり好きではないのか、あまりいい顔をしなかったのが意外だ。
「おごりって、ほんとにいいの? この店、昼食で食べるにしては結構高いんだよ?」
「表の板に書かれてたメニューはそれほど高くは……、いや、別に嫌味で言ってる訳じゃないんだ」
コイツの大好物、タマゴサンド一皿が銅貨十二枚に対して、この店の単品メニューは最低銅貨三十枚程でセットメニューは最低銅貨五十枚。
数年間食べられなかったシャケの唐揚げが銀貨二枚だったが、こんな店での食事はやっぱり少し、いや、かなり贅沢なんだろうか?
確かに格安の牛丼屋とかでギリギリまで削っていた食事が三百円という事を考えれば、この世界の物価は量とか質に比べて高いのかもしれない。
店で調理されているこの世界と、元の世界のセントラルキッチン型店舗を比べるのは間違っているんだろうけど。
「ん~、あまり高いと悪いし、かといって安すぎても気を使わせちゃうし……、あ、これ美味しそう。これもいいな……」
シルキーは色々呟きを漏らしながら真剣な表情でメニューをみつめている。
驚いた事にこの店には表の板に書かれていた分だけではなく、各テーブルに可愛らしいイラストで分かりやすく料理が描かれたメニューがちゃんとあり、小さな文字でお勧めとか今人気とか夏限定などの文字が躍っていた。
氷結系の魔法を使ったシャーベットやアイスまで販売しているが、流石に魔力コストが高いのか一日限定二十皿(セットメニュー注文のお客様に限り)となっている。
というか、この世界でも数量限定商法とかあるんだな。
「考え中に悪いんだが、少し聞いて良いか? このアイスとかってどうやって作ってるんだ? まさか魔法で直接出す訳じゃないよな?」
「これもいいし……こっちも、でもこれはセットメニュー限定……。え? ああ、アイス? それは氷魔法で冷やした金属製の筒を使って作るの。氷を食べるかき氷だって魔法で作りだした氷を使わないで、ちゃーんと水を凍らせて作るんだよ」
かき氷まであるのか!! って、それ、安全面でどっちの方が上なんだ?
魔法で作りだした水は魔力の塊だけど純水だから雑菌とかの危険性は無い、逆に金属を氷結系魔法で冷やして井戸水なんかで氷を作った場合、一回煮沸消毒でもしないと雑菌等の危険性がある。
この世界は解毒魔法とかあるし、その辺りの対策もしてるのかもしれないけど。
「じゃあ、売り切れてなかったらそのアイスも頼んでみるか?」
「いいの?! いったねっ、今ちゃ~んと聞いたんだから!! アイスをホントに頼んじゃうよ!!」
「そこまでなのか……、ああ、アイスセット銀貨一枚。デザート単品価格でこれは期待が出来そうだ。他の料理とセットにすると銀貨一枚半か。問題無いぞ」
無限に湧き出る湯水のように金がある訳じゃないが、この世界でつつましく生きるなら多分一生使いきれない額の金はある。
といっても、魔王を討伐しなければこの世界は近い将来滅びるんだろうから、一生も何もあったもんじゃないけどな。
「じゃあ、今日はその言葉に甘えちゃうね。すいませ~ん。このカラカラ鳥のソテーとパスタWのアイスセットお願いします」
「骨付き子羊肉の香草焼きセットとアイスセット、セットはライスでお願いします」
というか一瞬パスタWとか聞えたんだが、大盛りなのか?
そういえば卵サンドも何人前も頼んでたしコイツが割と大食いなのか、それともこの辺りの標準的な料理の量が少ないのか……。と、そういえば俺の頼んでる定食、いつも量は多い気がするんだけどな。
「アイスか~、アーク教で巫女の修業を始めた小さい頃に一回だけご褒美だっていって食べた事があるんだけど、あれ以来だな~♪」
「科学的な発展はしていなくても、魔法で似たような物を再現できているのか? だったら、もう少し発展してても良い気はするんだけど。特に移動手段は……」
「科学?」
「いやまあ、魔法とはまた違う技術進化形の話だ。必要なら誰かが作りだしてるだろうし、存在しないって事はこの世界には必要なかったんだろう」
必要は発明の母だったか、確かそんな言葉があったな。
この世界は魔法があるから、それ以外の力を求めなかったんだろうし、精霊だの魔法だののある世界に科学まであったらキャパオーバーだ。
「おっまたせしました~♪ 当店自慢!! カラカラ鳥のソテーとパスタWセットで~す。それとこちらが骨付き子羊肉の香草焼きセット。味が薄かったらこのソースを足してね。あ、アイスは溶けちゃうから後でお持ちします」
「ありがとうございます、いただきます」
「いただきます。ん、なるほど、わざわざ味が薄いって言ったのはこの為か……」
丁寧に下拵えをしている子羊のラムチョップを粗挽きした胡椒っぽい物と岩塩だけで味付けしてある。
柔らかい肉から染み出す肉汁と控えめな岩塩の塩加減が絶妙にマッチしていて、そこを胡椒によく似た香辛料とハーブで香りを引き締めていた。
これセットで銅貨五十枚だよな? 元の世界換算で五百円? マジか!! 何処に行ったらこのクラスの料理がこの量なのに五百円で食えるんだよ!! こんな店あったら毎日でも通うぞ!! あの店員さんも元気がいい上に可愛いし!!
「こんな店もあるんだな。もしかしてこっちの世界の料理ってレベル高い?」
半分ほど食べたところで、ついてきたソースを追加でかけてみる。
ちょっと辛めのステーキソースに近いと思うそれはさっきまでの素材の味を引き出した演出と打って変わり、濃厚なソースが肉汁と混ざり合って暴力的な美味さが口いっぱいに広がってきた。
この濃厚な味と長粒種のライスが絶妙にマッチし、いくらでも食べられそうな錯覚にすら陥りそうだ。
やばい。
この世界の料理レベル高すぎだ!! こんなレベルの料理がワンコインレベルで存在していい分けないだろ!!
「これだけ出せば美味しい店は多いですよ。確かにこの店はその中でもワンランク上だとは思いますが。正直、アイスセットの注文が通った事が奇跡みたいなものです。普通はランチタイムには売り切れますので」
「シルキーの日ごろの行いが良かったからだろう。感謝しないとな」
「もう、師狼はサラッとそういう事を……」
頬を少し赤くしてちょっと恥ずかしそうにパスタを口に運ぶシルキー。
その態度と仕草は可愛いんだ。
可愛くないのはその山盛りのパスタだよな? ラーメンとかの少し大きめの丼を逆にしたらだいたい同じ形になるよな、それ。
やっぱり遠慮なくWサイズにしたな。まあ、いろいろ世話になっているから、その位問題は無いけど。
◇◇◇
シルキーがパスタ料理を食べ終わった時点で、さっきの店員さんが大きなガラス製の器に山盛りされたアイスを運んできた。
ベースの乳白色のアイスと、濃ピンク色っぽいアイス、それと黄色いアイスは一体何を混ぜてあるんだろう?
アイスの周りを飾っている薄いチョコレートのようなものと、これは……よかったクッキーじゃない。パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたものかな? サクサクしてアイスとの相性も抜群だ、これ。
異世界の料理正直舐めてた。
この街が特殊なのかもしれないけど、香辛料や砂糖なんかも充実してるし、味付けもすごくいい!!
「デザートのアイスセットで~す。これは彼女さんにサービス♪」
「ふぇっ!! わ…私と師狼はまだそんな関係じゃ……」
サービスされたのは小さめのカップケーキ。何かで桃色に着色されたカップケーキはなんとなくだがハートの形をしている気がする。
しかし、まだってなんだ?
魔王討伐完了したら帰る世界で彼女なんて作る程、俺は無責任じゃないつもりなんだけどな……。
「見たあの二人? 初々しくて可愛いよね~♪」
「ホント、あんな感じのカップルなんて久しぶりだよね~。普通だとすぐ押し倒されちゃうから……。あの子、あんな格好いい彼氏がいるのにまだなのかな?」
「まっさかぁ~! あんな人がフリーでこの辺を歩いてたら、通りを抜ける前に誰かに押し倒されてるよ。流石に彼女連れの男の人に手を出す子は少ないけど」
裏で話している店員の会話がダダ漏れだ。
女性が男性を押し倒すって、この世界だとやっぱりそれが普通なのか? まあ、元の世界でも似たような状況だからあまり文句は言えないけど……。
森乳エロフとかいるし、こっちの世界のほうがちょっとだけ危険度が高くても仕方がないのかもしれないな……。
「甘くて、おいしいよ♪」
「確かにおいしいな」
アイスは美味しかった筈なんだが、シルキーの初々しい表情を見ていたら、今ひとつ味は分からなかった……。
なんか、調子狂うことが多いよな。
◇◇◇
昼飯をおごってやってからシルキーの機嫌はよく、鼻歌を歌いながら身体をリズミカルに揺らしている。
前も似たような光景を見た気がするが、歌っている鼻歌が何なのかは謎のままだ。
CDとか音楽系の店や商品は見た記憶が無いんだが、この世界にも歌手とかいるんだろうか?
魔法使いギルドに金貨百枚という大金を支払って無事に拘束魔法を覚える事は出来たが、どんなものか分からない以上いきなり本番で使う訳にはいかない。
使いました失敗しましたで済むほど戦いは甘くは無いし、その時誰か……、たとえばシルキー辺りが犠牲になりでもしたら生涯後悔する事になるからな。
いくら元いたのが命が軽い世界とはいえ、流石に俺も知り合いが犠牲になっても平気という事は無い……。
この魔法を一度何処かで、というよりも誰かで試す必要がある。
ちなみにシルキーに視線を向けた所、何も言わないでも事情を察してくれた。
事情は察してくれたみたいだが、協力してくれるかどうかはまた別問題だった。
「いや、嫌、イヤっ、ぜぇっっっっったぁいぃぃにっ、イィィィヤァァァァァッ!!」
昼飯後にあれだけ上機嫌だったのに、まるで機嫌を損ねた猫の様に取り付く島が無い。
口調を変えて何度も嫌がられたあげく、今までに見た事のないジト眼で睨まれた。
あのシルキーがここまでいうとは、そんなに嫌なのか?
「師狼、あなたは拘束魔法ってどんな感じか知ってていってるの? さっき覚えた拘束魔法魔力の縄の縄は縄といっても魔法で作られてるから堅い筈なのになんかヘンに柔らかくて、しかも、魔法を作った人の趣味なのか締め付け方もすっごいいやらしいし、変な所にその魔法で作られた柔らかくておかしな感触の縄が食い込んだりするんだから!! この魔法を特殊なプレイで使うって言った事あったよね? 師狼ってもしかしてそっち系の趣味があったりするの?」
そこまで嫌がらなくてもと思いはしたが、そこまで嫌がるってのは一体どこにどんな感じで食い込むんだろうというのは気になる所だな……。しかし。
「今の口ぶりだと、魔力の縄で拘束されたことがあるのか?」
「!!!!!!」
顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
「む……、昔の話よ!! アーク教の巫女になってしばらくした時に、一緒にアーク教で活動していた友達がまだそこまで値段が高くなかった拘束魔法を魔法使いギルドで覚えてきて、それを私にお願いだから一度試させてって言ってきたの。あの子ったら、調子に乗ってあんな事やそんなところにまで……」
そして何かを思い出したのか、少し体をもじもじさせながら一気に捲し立てた。
「いや、悪かった。そこまでいやな過去があるのなら実験台は嫌だよな。しかし、今の話を聞いて思ったんだが、もしかしてこの拘束魔法って俺が思っていたのと違う使い方をするのか?」
今の話をどう聞いてもエロ目的だろ? この拘束魔法。
間違いなくその友達はそっち目的で覚えてきてたみたいだし、試したのも間違いなくそっちっぽいしな。
金貨百枚をドブに捨ててエロ魔法覚えたとかどんな罰ゲームだよ!!
まあ、魔法の詳しい効果を調べなかった俺も悪いんだけど、シルキーも魔力の縄がそんな魔法なら覚える時に止めろよ!!
◇◇◇
「こんな街中で魔法談義とはいい趣味をしていますね。拘束魔法……、それは基本拘束魔法の魔力の縄でしょうか? それとも地属性魔法系の触手の抱擁ですか? 水辺なら侵略する蛸という可能性もありますけれど……」
「お前誰だよ!!」
突然とんがり帽子を目深にかぶった小柄な少女が俺とシルキーの話に割り込んできた。
声の感じから幼い印象を受けたけど妙な違和感というか、言葉遣いや漂っている雰囲気からは幼さ以外の何かを感じる。
「一瞬耳が見えたんだけど、この子エルフみたい。気を付けてね師狼」
「何を? ああ、あの話か」
誰とでも割と分け隔てなく接するアーク教の巫女であるシルキーは、目の前の女の子には聞こえないように声を極力小さくして耳打ちをしてきた。
今の忠告はエルフを一方的に悪く言ってるようなモノなので流石にバツが悪いのだろう。
森乳エロフだの、吸精淫魔と契約してる桃色の瞳をしたエルフとかいった話が風評被害なのか、それとも本当にエロいエルフが多いのかは今までの情報だけだと判断できないけど……。
それにしても小柄な少女だ。見た感じ百四十センチ半ばあるかないかという小柄さだけど、エルフが小柄って別に訳じゃないよな? あの警備兵のお姉さんは背が高かったし。
しかし、大き目のとんがり帽子を目深にかぶっていてさえも、その下に実った大きな果実は隠しようも無くって……。この身体のちんまさと破壊力抜群の巨乳の対比というか、アンバランスにもほどがあるんだけど。
「失礼しました。こんな往来で拘束系魔法の話をしていましたので、余程魔法に興味があるのかと思いまして……。拘束魔法は使い道が難しく、Hな目的で使う場合は相手次第ですが、これを戦闘で使う場合条件や状況次第で魔力の無駄遣いになりかねません。また、周りの地形次第ではほかの魔法と組み合わせることで無限の可能性が……」
「魔法に興味があるのは間違いないな。今は拘束魔法の使い方を……って」
なんだこれ? 俺の話にかぶせていろいろ話し始めたし、この子なんか拘束魔法にめちゃめちゃ詳しいし。何者だ?
「拘束魔法は……、んっ!! あれっ……これってまさか? あ、だめっ!! やっぱり、これ契約のほっ…さ? っ……。きちゃ……だめっ、おさまっ…………」
なんだ? 急にこの子の呼吸が荒くなった。
大きな胸がたゆんたゆんと上下してるし、隠れててはっきりとは見えないけど、何となく妖しい感じに吐息が熱くなって無いか?
目深にかぶっていた大きなとんがり帽子から覗いたのは少し幼いけど背筋が寒くなる程の美しい顔と、ちょっと暗い帽子のつばの影で妖艶に光る桃色の瞳。
このエルフ、吸精淫魔と契約してるのか。
「さあ、私と魔法について熱く語り合いましょう……」
「その瞳…………。なるほど、エルフがエロフと呼ばれるにはそれに見合う理由がある訳だ。シルキーはこいつの瞳を見るなよ」
「え? その子も呑化樹か悪戯淫娘と契約してるの? ああ、だからそんなに胸が大きいのね」
なるほど、小柄なこの子が信じられない位に巨乳なのも、まるで魂を吸い取られそうな位程にこんなにも美しい顔をしているのも吸精淫魔と契約してるしてるからなのか。
そりゃあ、こんな姿になれるなら、女性だと契約するのは仕方がないんじゃないかな? 俺には催淫系の魔法なんて効果が無いけど、ここまで美少女だったら普通に接されただけで自然に心がときめきそうだしな。
「っ!! 愛淫隷属の瞳が効かない?! うそっ、そんな人がいるなんて!! あ……、この感じは…。よかった、な…何とか……治まり…そ…う…………。っん」
ん? 不自然に荒かった呼吸が治まった?
「せ……愛淫隷属って、あなた吸精淫魔と契約してるエロフね!! って、師狼はその子の瞳を見ても平気なの? ちょっと気持ち良くされる淫愛魔法じゃなくて、魂まで魅了される愛淫隷属を使われたんでしょ?」
「そこまで凄いのか……。悪いが俺に催淫系の魔法と吸精系の魔法は効かん。それがどれだけ強力でも、どんな存在が使ってもだ」
封印された状態であろうとなかろうと、魂に宝珠を宿すとその手の魔法に対する耐性が上がる。
俺の持つ宝珠はその中でもかなり特異で、催淫系と吸精系の魔法や術などを一切受け付けなくなる効果がある。
しかし、この力をプラスと考えるかマイナスと考えるかは、おそらく人それぞれだと思う。
「…………これで大丈夫です。突然あんな真似をして申し訳ありません。もし、ほんの少しでも私のした事を許して貰えましたら、話を……、聞いていただけませんか?」
「無理に決まってるでしょ!! あなた、私の師狼に愛淫隷属を使って自分に都合のいい性奴隷に変えようとしたのよ!! 許される行為じゃないんだから!!」
まあ、概ね同意だが、いつ俺がお前の恋人になった?
しかし、この子が根っからの悪女には見えないし、話を聞いてあげてもと思うのはある意味普通に魅了されてるのかもしれない。催淫魔法が効かなくても、俺も健全な男だしな。
これだけの美少女にあんな瞳でみつめられたら普通に心が揺れるぞ?
「理由くらい聞いてやってもいいだろ。一応被害は無かったし」
「師狼!! まさか催淫魔法が効かないとか言いつつ、しっかり魅了されてるんじゃないの? こんな巨乳で儚げなエロ可愛い美少女だと無理はないと思うけど、こんな無垢そうな顔してるのに吸精淫魔と契約してるようなエロフなのよ!!」
「この子が本当に見境ないんだったら、口封じの為にお前をその瞳で催淫状態にするんじゃないか? そうすれば後で俺をどうにでも出来た筈だ」
人質にするもよし、意のままに操るもよし。
この子にはそんな方法もあったはずなんだ。
「まあ、それはそうだけど……、愛淫隷属の瞳でみつめられたら、私でも数秒持たないだろうし……」
なにが数秒持たないのかは聞かないでおこう。
「ありがとうございます。あの、出来れば人気のない小部屋とかがいいんですが」
「……信用できない。信用、できる訳ないでしょ――――――――!」
周りにシルキーの絶叫が響き渡った。
そこまでいわんでもいいだろうに……。
まあ、話すんだったらあそこかな……。
読んでいただきましてありがとうございます。