反省文
結局飲み物を買うことも出来ないまま教室に戻ってきた。
「お?直人!遅かったな!」
「あぁ、ちょっと腹が痛くてな...」
「あんなに笑顔でトイレに行ってたのに?」
「それは...あれだよ...あの...」
あぁもう!お前に気遣いしてやったんだよ!トイレなんか行ってないよ!
察しの悪い雅人に質問され言い訳が思いつかない。
「まぁ、それはいいでしょ?」
ナイス!那月!流石だ。俺の気遣いに気づいてくれたのか!
「そんなことより今日の放課後あいてる?あの...良かったらなんだけど...久しぶりに3人でどっかよって帰らない?...」
顔を赤くして恥ずかしそうに言う。
-さては、本当は雅人と2人で行きたいけど恥ずかしいから言い出せないんだな!丁度桜木さんから誘われてるしここはまた俺が気を使うかな-
「ごめん!俺用事があるんだよ。俺はいいから2人で帰っといて」
「え?でも...待つよ?」
「そうだぜ!人で帰るなんて最近はなかったろ?」
-ええい!察しの悪いヤツ共だな!こいつらの方がよっぽど鈍感だ!-
「いいよ!ほんとに!俺生徒指導で反省文だから!」
これは嘘だ!流石に桜木さんと先約があるとか言ったら面倒になりそうだからな。
「反省文?なんか悪いことしたのか?」
「ちょっとな...さっきの腹痛でトイレが長かったって言ったろ?」
「?うん」
「あれは、嘘なんだ...実はトイレに行ったあと数学の山田に呼ばれてな...お前は高校生としての自覚が足りない!授業中に話を聞かなすぎだ!って怒られてなそれで、でも答えは合ってたからいいじゃないですか!って反抗したら余計怒られて反省文書け!だってよ...」
「.....」
「.....」
?どうしたんだ?2人とも?
「はぁー、お前って本当に馬鹿だなぁー」
「大体答えはあってたって正解率は10分の1もないでしょ」
酷くね?俺の友達酷くね?いや、まぁ嘘だよ!でも、それにしてもあんまりじゃない?
「そういう事で先に帰ってて」
「わかったよ」
「了解」
2人ともなんとか納得してくれたようで良かった。
「大体俺が書きたいのは反省文なんかじゃなくてイラストなんだけどな!」
その後めちゃくちゃ2人に怒れた。なんで?