不安
「さーて、どうしたもんかな~」
トイレに行くと言って教室から出てきたものの別にトイレに行きたいわけではなかったので廊下を歩きながら考える。
「どうしたの?佐々木くん?ひとり?」
「え?何してるの?」
「佐々木くんだ!え?今ひま?」
廊下を歩いていると女子達から声をかけられる。
?なんで?この子達は僕に声かけてくるんだろう?ほとんど、話したことないし違うクラスの子達だよな?...もしかして...僕って有名?まぁ毎回数学の授業で注意されてたら有名にもなるか...
「えーとトイレに行こうと思ってたんだよ...」
また、嘘をついてしまった。だが、咄嗟のことでなんと言えばいいか分からなかったので仕方ない!
「あ!そうなんだ!ごめんね引き止めちゃって」
「すいません」
「ごめんごめん!えーとトイレにいっトイレ?」
なんか、悪いことしてる気がする。無駄に謝らせて申し訳ない。(最後の一人を除く)
そう言って僕は結局用もないのにトイレの方に歩き出す。はぁ、どうしよー本当に用事ないんだけどな...
そうだ!自動販売機まで行って飲み物でも買ってくるかな!ちょうどポケットに昨日買った消しゴムのお釣りが130円あるし。そうして、僕は1階の自動販売機まで行く。1階まで降りると自動販売機の前に誰か立っている。見たところ女子だ。まぁ、1人だからさっきみたいにはならないか...そう思い自動販売機に近づくとその女子生徒は僕に気づきこちらに近づいてきた。よく見るとその女子生徒は僕の横の席の桜木さんだ。
「佐々木くん!」
急に名前を呼ばれ驚く。
「は、はい!なんでしょうか!」
「放課後予定はありますか?」
「え?...あ、いえ!特に用事はないし部活も入ってないので予定はないですけど...」
「では、放課後一緒に帰りましょう。話があります!」
「え!?は、はい...」
「では、放課後校門で」
「はい...」
そう言って桜木さんは行ってしまった。
「え?何?僕なんか悪いことした?」
不安が募る。ほとんど話したこともなくまともな会話は今日が初めての桜木さんに一緒に帰ろうと誘われた...これは...絶対.....授業のことで怒られせたに違いない!優等生というイメージの桜木さんも巻き込んでしまったから...きっとしばかれる...とりあえず落ち着いて飲み物を買おう!その為にここまで来たんだから!この学校の自動販売機は安くて130円高いものは200円という自動販売機しかない。まぁ、130円はあるから買えるけど。
「あ.....お釣りの10円5円玉2枚だ...」