品々
本日2話目
■ 料理屋『クラウル』
=== <朝のメニュー> ===
100エラコーナー
・紅茶
・さっぱりスープ
200エラコーナー
・目覚めに さっぱり果実ジュース
・目覚めに 強烈刺激の果汁ジュース
・冒険したいあなたに 味の壊れたジュース
300エラコーナー
・ベーコンと卵の炒め物 緑の野菜添え パン付き
・お腹いっぱい具沢山のスープ パン付き
・鶏肉のボイル オススメソース和え
その他ご希望あればどうぞ
=== <昼のメニュー> ===
500エラセット
・日替わりメイン料理、パン、スープ、サラダ付き
700エラセット
・さらに1品追加。魚料理ですがご希望をどうぞ
食後に100エラコーナー
・紅茶
=== <夕のメニュー> ===
800エラセット
・串焼き肉、魚介類のマリネ、スープ、緑黄色野菜のサラダ、パン
1200エラセット
・800エラに、ご希望の1品と、フルーツ盛り合わせ
<お弁当やお土産に>
日替わりスープ:200エラ
<冒険にも>
出前転送陣:500エラ
※使い方:
上記メニューから選び、『注文と人数を書いた紙』と『代金』を転送陣に置き、『注文』ボタンを押してください。
料理が出来次第、この転送陣に送りますので、出てきたら「以上です」というプレートが現れるまで品物を取り上げ続けてください。
食べ終わった後のお皿は必ず転送してください。『返却』ボタンで転送できます。
※お皿をご返却いただけるまで、次の注文はできません。
※定休日(5のつく日)日は発動しません。その他、『営業日』ボタンでご確認ください。
※ご予約も可能です。問い合わせ内容等を書き、事前にお送りください。
その他 旅に便利な魔道具:サンプルは店内にあります
・荷物が多く入るカバン
・安眠簡易テント
・持ち運びミニ冷蔵庫
・持ち運びミニ冷凍庫
その他ご希望あればお申し付けください(※作成には日がかかります。予約制で順番に作成しております)
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■ 魔道具『ルーグラ』 リスト
下記は平均的な機能の価格です。ご希望によりカスタマイズいたします。一括払いも可能です。
・冷蔵庫:レンタル月々3,300エラ
・自働魔力補給機能付き:レンタル月々5,200エラ
※冷凍庫、食料保管庫も同値です。複数レンタル割引あります。
※カスタマイズ内容によって値段は変わります。
・製氷機:35,000エラ(小さいサイズ)
・音声記憶装置(質によって値段が変わります)
・重量軽減版(リストバンドタイプも可能)
・偽造コイン判別トレイ
・超強力盗難防止つき金庫
・魔物採集装置(飼育セットにもなります)
・魔物進化判別セット
・通信具
・永久シーソー
・自動ブランコ
・ジャンプ力計測装置
・自宅風呂
・ふわふわクッション
・魔物プラクティス(育て方を覚えてね。かわいいよ)
・料理屋『クラウル』出前転送陣(販売数に限りがあります)
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親愛なる グランドルとアリエルさんへ
元気にしていますか。こちらは皆元気です。
この度、デイジアが結婚することになりました。結婚してもデイジアは私たちの店で働き続けます。
近所の、花好きの青年で、気の優しい人で、個人的に心配してしまうけれど、デイジアが気が強いので丁度良いのかもしれません。
結婚式を来月5日に行います。
グランドルとアリエルさん、もしよかったらぜひ祝いに来てください。
実はすでにお腹に赤ん坊が出来ているとわかり、父として酷く衝撃ですが、祝い事が増えたという事にします。気の弱いくせにどういう事だ、と思うのですがそのあたりグランドルと話したいよ。クラウディーヌは『良いじゃない』と文句を言う私に呆れています。
グランドルとアリエルさんの旅についても、また色々聞きたいです。
レセリアもとても楽しみにしています。
もし結婚式に難しくても、またこちらに来てくれると嬉しいです。
ルイより
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グランドル アリエルさん
だいすき レセリアより
(※上の大きい赤いのがグランドルで、小さい橙色がアリエルさん、との事です。下の点々は、パパ、ママ、デイジア、ミネルおじさん。レセリアは鳥に乗って空から一緒に飛んでいて、そこから見た絵です)
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『ルイの娘デイジアの結婚式に記録された映像』
〝わー、嬉しい来てくれてありがとうございます! アリエル伯母様、グランドル伯父さま!”
〝デイジアおめでとうー、自分の娘が結婚した気分よぅ”
〝きゃー、アリエル伯母さん泣かないで、”
〝来てくれたんだ! ありがとう、忙しそうだったから難しいのかと思っていた、会えて嬉しいよ、グランドル、アリエルさん”
〝ルイ、娘の結婚おめでとう。それにもう子がいるとは。めでたい事だ”
〝まぁね。うん。でもこう、父親としてはね・・・”
〝いつまでうだうだ言ってんのルイ! お姉ちゃん、グランドル来てくれてありがとう! 荷物とか上に置いてって、泊まってってくれるんだよね?”
〝うん、クラウおめでとうー”
〝ありがとう! お姉ちゃん、なんなの、泣き過ぎだよ”
〝あの教会?”
〝うん、そうだよ。レセリアー! グランドルたち来てくれたよー!”
〝ぐらんどるー!!”
〝また大きくなったな”
〝だいすきー!!”
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「ふふー。私の夢は、1人でもお店を続けることでしタ。お陰様で、夢はちゃんと叶いまシたヨ。シーラとサリエには、もう会えなくなっちゃったんデス。でもクラウさんがいてくれて、アリエルさんともお友達になりましタ! 他にもお客様たくさん、心配してくださって、ちゃんとお店ができましタよ。商品はデスね、実は、シーラの馴染みの商人さんを通して仕入れをしていたんデス。シーラがお嫁にいってしまったからどうしようと思ってたんデスが、こっそり、秘密だよって、お店に来てくれて、良さそうなものを売ってくれマシた。本当に、たくさんの人のお陰デス! 赤龍サマも、ちゃんと私に会いに来てくれて、ずっと動くことができたんデス」
「そうデスねー。ルイさんとクラウさん、シュディールで料理屋をするのも夢だったので、シュデールに引っ越してしまって、正直本当に寂しかったデス。お引越しされてからは、アリエルさんの方が定期的に会ったかもしれまセン。シーラがいてくれた時はお出かけもできたのデスが、シーラが来れなくなっちゃって、お出かけが難しくなっちゃっテ。お店自体に機能が組んであって、お店の中なら効率よく動ける状態だったノデス。お店を出ちゃったら、魔力の消費が激しくなっちゃうンデスよね」
「シーラとサリエ、会いたいなぁって、思います。きっと、シーラは泣いていマス。一緒に、泣きたかったデス。会えないねって泣きたかった、デス」
「うーん。でもシーラは、王子様と結婚して良かったと思いマスよ。ずっと小さい頃から、好きだったんデスから。たくさんのものを掴んでおくのは、難しいって話なんデスよ、きっと」
「眠たくなってきマシた。また、起きた時に、オシャベリ、女子会、しましょう、ね・・・」
***
『発明王物語』
あるところに一人の若者がいました。先祖は有名な魔法剣士です。
その若者は、ある日、世の中をもっと便利にしたい、人の役に立ちたいと思いました。
そう、騎士以外にも、みんなが必要としているものがあると気づいたのです!
ルイは家の人を説得し、皆は最後は応援してくれて、送りだしてくれました。
「いってきます」
「気を付けて、ルイ!」
「人のために力を尽くしなさい」
ルイはどんどん進んで、ついにグラオンという町にたどり着きました。
その町には偽物のコインがたくさん出回っている町でした。
「よし、私が悪者をこらしめてやる!」
ルイは自分で作った道具を手に、勇ましく隠れ家に潜入しました。
やはり偽物のコインを作っています!
「悪者め! 許さないぞ!」
ルイが魔法の道具を使うと、ドターン! 悪い心を持った人たちは体が固まって倒れてしまいました。
悪い人たちを捕まえることができたルイは、町の人たちから表彰されました。
「いいえ、大したことはしていません。お役に立てたなら良いのです」
ルイの謙虚な姿勢に、みんなはますます素晴らしいと感心しました。
さすが英雄の子孫です。
ところで、グラオンはとても暑い町なのです。
外で働く人たちは、熱さのあまりに調子が悪くなってしまいます。
ルイは、これではいけない、なんとか役に立たないといけない、と決意しました。
「そうだ、冷たい食べ物や飲み物がもっとあれば、皆が苦しまなくてすむ!」
ルイはさっそく、お店を作って、道具作りに取り掛かります。
今までに無かったとても便利な道具は、あっという間に人気になりました。
ルイは一生懸命働きます。
「まだまだ、世の中には困った人がいる。もっと頑張らないと」
ルイの手伝いをしたいという若者が現れました。カルカというその子は、とても優秀です。
「お役に立ちたいのです!」
ルイは喜んで弟子に迎えました。すると、カルカのお陰でお店はどんどん繁盛します。
ついに、ルイたちは、メリディアで一番人気の大きなレストランから注文を受けました。
大きな冷蔵庫に、冷凍庫。シャーベットはあっという間に作れます。
「やりがいがあるぞ。でも大変だ」
「ルイさん、これを作る事が出来たら、皆きっと喜びます」
ルイとカルカは頑張ります。
昼も夜もなく働いて、ついにお店の道具を仕上げました。
冷蔵庫に冷凍庫、店内には美しい音楽が流れますし、トレイに載せたお皿は羽根のようにかるくて、レストランの人たちも大助かり。それにお掃除だって道具がササッとしてくれます。なんて便利なんでしょう!
お陰でレストランは大人気。
ルイの道具もとても有名になりました。手伝いをする人も増えました。
でも、ルイは心配になりました。ルイも、すっかりおじいさんになっていたのです。
ある日、ルイはカルカを呼びました。
「お前にこの店を譲ろう。それに、お前には私には無い素晴らしい才能がある。どんどん新しいものを作って世の中を便利にする。お前は新しい世の発明王だ」
カルカは驚きましたが、ルイは力強く頷きました。
カルカの才能が優れている事を、ルイが一番分かっていたのです。
こうして、ルイは家族と共に、田舎の町に行きました。
優しい奥さんと一緒に料理屋を始めるのも、ルイの夢の一つだったのです。
ルイは楽しい穏やかな余生を送りました。
そして、たくさんの家族に見守られて、ルイは亡くなってしまいました。
それでも、ルイが作り始めた便利な道具は、今も私たちの世の中を助けてくれているのです。
***
「あー、ソレですか。えーと、誰が書いたんでしょうネ? カルカさん、話を面白おかしく言う人だったンですよー。そこからこんな話ができちゃったのかもしれませんネ。フフ。クラウさんがこの本みたら、涙流して大笑いすると思いますヨ」
「えーと、実は私、この家の事は良く知らないんデス。赤龍様が、保護してくださったんデスけど、店じゃないから、動き回るのが難しくテ。こうやってたまに魔力を込めて下さったら、目がさめて女子会できるんですケドね! お話できて嬉しいデス!」
「あ。そのドレスは、クラウディーヌさんのじゃ無いのですヨ。ルイさんとクラウディーヌさんが作った、結婚用のお祝いドレスです。正確に言うと、作ったのは専門の工房の人たちデスけど。えーと、人間がたくさんいて、集まって町を作って、皆得意分野があるので、ドレスを作るのがとても上手な人たちが集まっているところに、こういうドレスを作ってくださいって、ルイさんとクラウディーヌさんが頼んだのデスよ。とても綺麗ですよネ」
「昔、とても綺麗な町に住んでいたんデス。大勢の人がいて、楽しかったデス。人間は馬鹿デスね。もっと生きられたのに。それに、色んなものをつくる事ができたのに。本当に・・・残念です」




