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絶対に魔道具売って生計を立てる  作者: 天川ひつじ
第6章 灼炎龍グランドル
97/100

品々

本日2話目

■ 料理屋『クラウル』


=== <朝のメニュー> ===


100エラコーナー

 ・紅茶

 ・さっぱりスープ


200エラコーナー

 ・目覚めに さっぱり果実ジュース

 ・目覚めに 強烈刺激の果汁ジュース

 ・冒険したいあなたに 味の壊れたジュース


300エラコーナー

 ・ベーコンと卵の炒め物 緑の野菜添え パン付き 

 ・お腹いっぱい具沢山のスープ パン付き

 ・鶏肉のボイル オススメソース和え


その他ご希望あればどうぞ




=== <昼のメニュー> ===


500エラセット

 ・日替わりメイン料理、パン、スープ、サラダ付き


700エラセット

 ・さらに1品追加。魚料理ですがご希望をどうぞ


食後に100エラコーナー

 ・紅茶




=== <夕のメニュー> ===


800エラセット

 ・串焼き肉、魚介類のマリネ、スープ、緑黄色野菜のサラダ、パン


1200エラセット

 ・800エラに、ご希望の1品と、フルーツ盛り合わせ


<お弁当やお土産に>

日替わりスープ:200エラ


<冒険にも>

出前転送陣:500エラ

※使い方:

 上記メニューから選び、『注文と人数を書いた紙』と『代金』を転送陣に置き、『注文』ボタンを押してください。

 料理が出来次第、この転送陣に送りますので、出てきたら「以上です」というプレートが現れるまで品物を取り上げ続けてください。

 食べ終わった後のお皿は必ず転送してください。『返却』ボタンで転送できます。

 ※お皿をご返却いただけるまで、次の注文はできません。

 ※定休日(5のつく日)日は発動しません。その他、『営業日』ボタンでご確認ください。

 ※ご予約も可能です。問い合わせ内容等を書き、事前にお送りください。


その他 旅に便利な魔道具:サンプルは店内にあります

 ・荷物が多く入るカバン

 ・安眠簡易テント

 ・持ち運びミニ冷蔵庫

 ・持ち運びミニ冷凍庫

 その他ご希望あればお申し付けください(※作成には日がかかります。予約制で順番に作成しております)




***


■ 魔道具『ルーグラ』 リスト


下記は平均的な機能の価格です。ご希望によりカスタマイズいたします。一括払いも可能です。


・冷蔵庫:レンタル月々3,300エラ

・自働魔力補給機能付き:レンタル月々5,200エラ

※冷凍庫、食料保管庫も同値です。複数レンタル割引あります。

※カスタマイズ内容によって値段は変わります。


・製氷機:35,000エラ(小さいサイズ)

・音声記憶装置(質によって値段が変わります)

・重量軽減版(リストバンドタイプも可能)

・偽造コイン判別トレイ

・超強力盗難防止つき金庫

・魔物採集装置(飼育セットにもなります)

・魔物進化判別セット

・通信具

・永久シーソー

・自動ブランコ

・ジャンプ力計測装置

・自宅風呂

・ふわふわクッション

・魔物プラクティス(育て方を覚えてね。かわいいよ)

・料理屋『クラウル』出前転送陣(販売数に限りがあります)



***


親愛なる グランドルとアリエルさんへ


元気にしていますか。こちらは皆元気です。


この度、デイジアが結婚することになりました。結婚してもデイジアは私たちの店で働き続けます。

近所の、花好きの青年で、気の優しい人で、個人的に心配してしまうけれど、デイジアが気が強いので丁度良いのかもしれません。


結婚式を来月5日に行います。

グランドルとアリエルさん、もしよかったらぜひ祝いに来てください。

実はすでにお腹に赤ん坊が出来ているとわかり、父として酷く衝撃ですが、祝い事が増えたという事にします。気の弱いくせにどういう事だ、と思うのですがそのあたりグランドルと話したいよ。クラウディーヌは『良いじゃない』と文句を言う私に呆れています。


グランドルとアリエルさんの旅についても、また色々聞きたいです。

レセリアもとても楽しみにしています。

もし結婚式に難しくても、またこちらに来てくれると嬉しいです。


ルイより


***


グランドル アリエルさん


だいすき レセリアより


(※上の大きい赤いのがグランドルで、小さい橙色がアリエルさん、との事です。下の点々は、パパ、ママ、デイジア、ミネルおじさん。レセリアは鳥に乗って空から一緒に飛んでいて、そこから見た絵です)


***


『ルイの娘デイジアの結婚式に記録された映像』


〝わー、嬉しい来てくれてありがとうございます! アリエル伯母様、グランドル伯父さま!”

〝デイジアおめでとうー、自分の娘が結婚した気分よぅ”

〝きゃー、アリエル伯母さん泣かないで、”


〝来てくれたんだ! ありがとう、忙しそうだったから難しいのかと思っていた、会えて嬉しいよ、グランドル、アリエルさん”

〝ルイ、娘の結婚おめでとう。それにもう子がいるとは。めでたい事だ”


〝まぁね。うん。でもこう、父親としてはね・・・”

〝いつまでうだうだ言ってんのルイ! お姉ちゃん、グランドル来てくれてありがとう! 荷物とか上に置いてって、泊まってってくれるんだよね?”

〝うん、クラウおめでとうー”


〝ありがとう! お姉ちゃん、なんなの、泣き過ぎだよ”

〝あの教会?”

〝うん、そうだよ。レセリアー! グランドルたち来てくれたよー!”


〝ぐらんどるー!!”

〝また大きくなったな”


〝だいすきー!!”


***


「ふふー。私の夢は、1人でもお店を続けることでしタ。お陰様で、夢はちゃんと叶いまシたヨ。シーラとサリエには、もう会えなくなっちゃったんデス。でもクラウさんがいてくれて、アリエルさんともお友達になりましタ! 他にもお客様たくさん、心配してくださって、ちゃんとお店ができましタよ。商品はデスね、実は、シーラの馴染みの商人さんを通して仕入れをしていたんデス。シーラがお嫁にいってしまったからどうしようと思ってたんデスが、こっそり、秘密だよって、お店に来てくれて、良さそうなものを売ってくれマシた。本当に、たくさんの人のお陰デス! 赤龍サマも、ちゃんと私に会いに来てくれて、ずっと動くことができたんデス」


「そうデスねー。ルイさんとクラウさん、シュディールで料理屋をするのも夢だったので、シュデールに引っ越してしまって、正直本当に寂しかったデス。お引越しされてからは、アリエルさんの方が定期的に会ったかもしれまセン。シーラがいてくれた時はお出かけもできたのデスが、シーラが来れなくなっちゃって、お出かけが難しくなっちゃっテ。お店自体に機能が組んであって、お店の中なら効率よく動ける状態だったノデス。お店を出ちゃったら、魔力の消費が激しくなっちゃうンデスよね」


「シーラとサリエ、会いたいなぁって、思います。きっと、シーラは泣いていマス。一緒に、泣きたかったデス。会えないねって泣きたかった、デス」


「うーん。でもシーラは、王子様と結婚して良かったと思いマスよ。ずっと小さい頃から、好きだったんデスから。たくさんのものを掴んでおくのは、難しいって話なんデスよ、きっと」


「眠たくなってきマシた。また、起きた時に、オシャベリ、女子会、しましょう、ね・・・」


***


『発明王物語』


あるところに一人の若者がいました。先祖は有名な魔法剣士です。

その若者は、ある日、世の中をもっと便利にしたい、人の役に立ちたいと思いました。

そう、騎士以外にも、みんなが必要としているものがあると気づいたのです!


ルイは家の人を説得し、皆は最後は応援してくれて、送りだしてくれました。

「いってきます」

「気を付けて、ルイ!」

「人のために力を尽くしなさい」


ルイはどんどん進んで、ついにグラオンという町にたどり着きました。

その町には偽物のコインがたくさん出回っている町でした。

「よし、私が悪者をこらしめてやる!」


ルイは自分で作った道具を手に、勇ましく隠れ家に潜入しました。

やはり偽物のコインを作っています!

「悪者め! 許さないぞ!」

ルイが魔法の道具を使うと、ドターン! 悪い心を持った人たちは体が固まって倒れてしまいました。


悪い人たちを捕まえることができたルイは、町の人たちから表彰されました。

「いいえ、大したことはしていません。お役に立てたなら良いのです」

ルイの謙虚な姿勢に、みんなはますます素晴らしいと感心しました。

さすが英雄の子孫です。


ところで、グラオンはとても暑い町なのです。

外で働く人たちは、熱さのあまりに調子が悪くなってしまいます。

ルイは、これではいけない、なんとか役に立たないといけない、と決意しました。

「そうだ、冷たい食べ物や飲み物がもっとあれば、皆が苦しまなくてすむ!」


ルイはさっそく、お店を作って、道具作りに取り掛かります。

今までに無かったとても便利な道具は、あっという間に人気になりました。

ルイは一生懸命働きます。

「まだまだ、世の中には困った人がいる。もっと頑張らないと」


ルイの手伝いをしたいという若者が現れました。カルカというその子は、とても優秀です。

「お役に立ちたいのです!」

ルイは喜んで弟子に迎えました。すると、カルカのお陰でお店はどんどん繁盛します。


ついに、ルイたちは、メリディアで一番人気の大きなレストランから注文を受けました。

大きな冷蔵庫に、冷凍庫。シャーベットはあっという間に作れます。

「やりがいがあるぞ。でも大変だ」

「ルイさん、これを作る事が出来たら、皆きっと喜びます」


ルイとカルカは頑張ります。

昼も夜もなく働いて、ついにお店の道具を仕上げました。

冷蔵庫に冷凍庫、店内には美しい音楽が流れますし、トレイに載せたお皿は羽根のようにかるくて、レストランの人たちも大助かり。それにお掃除だって道具がササッとしてくれます。なんて便利なんでしょう!


お陰でレストランは大人気。

ルイの道具もとても有名になりました。手伝いをする人も増えました。


でも、ルイは心配になりました。ルイも、すっかりおじいさんになっていたのです。

ある日、ルイはカルカを呼びました。

「お前にこの店を譲ろう。それに、お前には私には無い素晴らしい才能がある。どんどん新しいものを作って世の中を便利にする。お前は新しい世の発明王だ」

カルカは驚きましたが、ルイは力強く頷きました。

カルカの才能が優れている事を、ルイが一番分かっていたのです。


こうして、ルイは家族と共に、田舎の町に行きました。

優しい奥さんと一緒に料理屋を始めるのも、ルイの夢の一つだったのです。

ルイは楽しい穏やかな余生を送りました。


そして、たくさんの家族に見守られて、ルイは亡くなってしまいました。

それでも、ルイが作り始めた便利な道具は、今も私たちの世の中を助けてくれているのです。


***


「あー、ソレですか。えーと、誰が書いたんでしょうネ? カルカさん、話を面白おかしく言う人だったンですよー。そこからこんな話ができちゃったのかもしれませんネ。フフ。クラウさんがこの本みたら、涙流して大笑いすると思いますヨ」


「えーと、実は私、この家の事は良く知らないんデス。赤龍様が、保護してくださったんデスけど、店じゃないから、動き回るのが難しくテ。こうやってたまに魔力を込めて下さったら、目がさめて女子会できるんですケドね! お話できて嬉しいデス!」


「あ。そのドレスは、クラウディーヌさんのじゃ無いのですヨ。ルイさんとクラウディーヌさんが作った、結婚用のお祝いドレスです。正確に言うと、作ったのは専門の工房の人たちデスけど。えーと、人間がたくさんいて、集まって町を作って、皆得意分野があるので、ドレスを作るのがとても上手な人たちが集まっているところに、こういうドレスを作ってくださいって、ルイさんとクラウディーヌさんが頼んだのデスよ。とても綺麗ですよネ」


「昔、とても綺麗な町に住んでいたんデス。大勢の人がいて、楽しかったデス。人間は馬鹿デスね。もっと生きられたのに。それに、色んなものをつくる事ができたのに。本当に・・・残念です」

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