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チート能力者達の異世界ライフ  作者: 星川佑太郎
10/14

他の召喚者を信用出来ない


ドラゴンの引き渡しを一人でやって、少し待っていると、ギルドから五人が手に袋を持って出てきた。多分ストライクガルーダの分の金だろう。

だが、俺は今、金貨を900枚近く持っているのだ。ふふふ、俺に平伏せ!


「藤原くん、換金終わった?」

「ああ、金貨900枚だぜ、900枚。凄くねえか?」

「「900枚⁉︎」」


悠里と誠治は驚いて大声を出していた。だって俺たちは1日必死で働いて銀貨1枚とちょっとだもんな。


「凄いね……こっちは金貨10枚だよ……まぁ、ありふれた生き物らしいしね……」

「近頃ドラゴンは希少ですから、子供の個体でもそれくらい高く売れるんですね」


リナはしたり顔で頷いている。ドラゴンが高いのは常識みたいだな。


「900枚もあったら王都に家が買えますよ!凄いですね、皆さん!」


ミリスが興奮した様子で言った。王都に家買うっていうのは相当難しい事なんだろうな。

ハルトも同意して続ける。


「アンタ達くらい強いんだったら王都でも十分やっていけるんじゃ無いか?」


王都か……どんなところか分からんが、ここよりも良いところみたいだし、行くのも良いかもな。てか、世界を救うってのがどういう事なのかそろそろ調べないとな……。


「ねぇ、康介!王都ってとこに行ってみようよ!」

「言うと思った」


どうせこいつは好奇心に逆らえない。そして俺はコイツに逆らえない。どの道こうなる事は分かってたよ。


「金も手に入ったし、王都に行くのも良いかもな。どうだ、誠治は?」

「僕も異存は無いよ」


よし、なら決まりだ。


「じゃあ、いっちょ王都まで行きますか!」


そういう事になった。


---


俺たちはリナ達に旅の準備を手伝ってもらって王都へと向かう事になった。

俺たちは馬に乗れないので、移動手段は徒歩だが。


「皆さーん!本当にありがとうございましたー!この恩は忘れませーん!」

「おー!忘れるなー!」

「いや、そこは普通に別れてやれよ」

「あはは、田中さんらしいよ」


俺たちは召喚された田舎町を出発した。


「よーし!待ってろ王都ー!」

「静かにしろ」


しかし、やはりというかなんというか問題は発生した。


---


数日、山沿いに歩き続けていたところで、近くから地響きが聞こえて来たのだ。


「な、何だ?」

「あ、山が崩れてくるね」


誠治が山の上を見上げながら緊張感なさげに言った。


「え?」


俺が山を見上げると、そこからは土埃を巻き上げながら土砂が流れ込んできていた。


「うおおおお!やべええええ!」


俺は直ぐに悠里と誠治を掴んで走った。普通の人間の走力じゃあ逃げきれないが、俺なら行ける!

すると目の前にフワフワと岩がいくつも浮かんでいた。


「え」


岩は唸りを上げながら俺に向かって異常なスピードで飛んでくる。


「うらあああああああ‼︎」


俺は頭突きや蹴りで岩を砕きながら突き進んだ。止まったら土砂に巻き込まれて俺はともかくコイツらが死ぬ!


「康介ー!やばい死ぬううう!」

「死なねえから黙ってろ!舌噛むぞ!」

「僕たちの命は預けたよー」

「お前は呑気か!」


そうこうしている間にも遠慮なく岩や木が俺に飛んでくる。その上、土砂は俺を追尾するように背後から迫ってくる。

な、何でだ⁉︎何で俺に向かって飛んでくるんだ⁉︎


「藤原くん、いるよ。チート能力者が……」

「見えるのか?」

「うん、土砂を操っているのは間違いなくそいつだ」

「じゃあこの土砂をどうにかしねえとな……」

「策はあるの?」

「任しとけ」


俺は全力で走り、土砂と大きく距離をとって、悠里と誠治を下ろした。

俺はポキポキと関節を鳴らしながら前へと進みでる。


「糞ヤローが……俺たちに喧嘩売ったこと、後悔させてやるぜ……」


「おらぁぁあぁぁぁぁぁあ‼︎」


俺は迫ってくる土砂を思い切り殴り、吹き飛ばした。

衝撃の余波で、周囲から迫ってきていた岩や木も木っ端微塵にする。


「誠治!敵はどこだ!」

「山の中に居るけど、茂みに潜んでるみたいだね」

「そうか……」


ボコォッ!


俺は考えるのが面倒臭くなったので、山肌を殴り飛ばした。


「どこだ!出てこないなら無差別に殴るぞ!」

「藤原くん、後ろ!」


誠治の声とほぼ同時に俺の首筋にナイフのようなものが当たった。


「突き刺そうとしたんだろうが……俺にそんなもん刺さらねえぞ」


多分相手の能力は念力みたいなもんだろう……厄介極まりないが、対処出来ない事もない。というか俺には攻撃が効かないし。


「動くな!」


何処からか声が聞こえた。


「誰だ!出てこい!ぶん殴るぞ!」

「ま、待て!動くとそこの女を殺すぞ!」

「何ィ⁉︎」


マズイ、悠里から離れ過ぎたか……あのスピードで迫って来られたら、流石に俺でも悠里を守れないぞ……やっちまった!


「動くなよ……お前らが抵抗せずに死ぬというなら、女の命は助けてやってもいい」


クソだな、もう絶対に許してやらん。


「動くなよ……」


そう言いながら、フヨフヨと剣のような針のようなものが漂う。

何だこれ何処から出てきたんだ?

というか、これで刺されたら流石にやばいか……?


「藤原くん……僕まだ死にたくないんだけど……?」

「じゃあ避けていいぞ。俺はあれが飛んできた瞬間に悠里の方に飛ぶ」

「り、了解」


悠里の方を見やると向こうにも大量の剣が浮かんでいた。


「な、約束が違うぞ!悠里に手を出すな!」

「馬鹿か、お前は。どのみち殺すに決まってんだろ。死ね!」


そう言うが早いが、剣が俺たちに向かって飛んできた。


「クソっ!」


俺は両腕をクロスして防御しながら悠里の方向へ突進した。

誠治は大丈夫だ、余裕で避けれている。でも悠里は……。

その時悠里の近くの木が倒れてきて剣をガードした。


「何っ⁉︎」

「あれ?」


敵と悠里の素っ頓狂な声が響いた。


「く、まだまだ!」


そう、剣はまだあるのだ、今度こそ間に合わない……!

しかし、剣はまた、たまたま倒れてきた木に妨害され悠里に刺さらない。


「な、何故だ⁉︎」


俺はその間に余裕を持って悠里の所へ行くことが出来た。


「まさか、これがお前の特殊能力(チートスキル)か……?」

「そうっぽいね」

「まさか、《運ボーナス+9999》ってこんな所でも運が良いのか」

「う、運ボーナスだと⁉︎」


敵は驚愕して叫んだ。居所丸分かりだぞ。

俺は悠里にナイフを数本渡しながら言った。


「これ、適当な所に投げてみろ」

「おっけー、おりゃ」


ブスッブスッブスッブスッ!


「ぐああっ!ぐああっ!」


ナイフがブッ刺さった音がして、更に叫び声も聞こえた。運ボーナス凄いな。


「あそこか」


俺は地面を強く蹴ってその場所へ向かった。


---


どうやら投げたうちの一本が急所に刺さったらしく、ソイツら地面をのたうちまわっていた。血がドクドクと出てくる。


「うし、縛り付けるぞー、痛かったら言えよ?もっと強くするから」

「痛い痛い痛い!」

「そっか、痛いか」


ギリギリと俺は強めに締め上げた。我ながら鬼の様だと思うが、これでも拷問にならないように気を使ってるんだぞ?

俺が本気で締めると千切れるからな。


「誠治、どうだ?」

「うん、やっぱりチート能力者だったよ。ステータス知りたい?」

「ああ、頼む」



大石雄介(おおいしゆうすけ):ステータス

レベル:16

HP:226

攻撃力:251

防御力:260

敏捷性:201

運:53

能力(スキル):剣化(ソードチェンジ)

特殊能力(チートスキル):念力チート

理不尽度(チートレベル):4



成る程、理不尽度(チートレベル)は俺たちより下か……。

レベルが16って、そういえば俺たちは教会で見たきり、自分のステータス見てなかったな……。

この能力で土砂崩れ起こしたり、岩や木を投げてきてたんだな。


後で確認してみるとレベルは38まで上がっていた。B+モンスター2体とA−モンスターを一体倒してたらこんなもんか。

パーティを組んでいた悠里と誠治も同じだけレベルが上がっていた。完全に養殖だな。


「あのさ、この剣化(ソードチェンジ)って能力(スキル)、何?」

「け、剣に形状の似ている物を剣に変える能力(スキル)だ」


便利そうなスキルだな。


「あの剣って、もしかして木の枝だったのか?」

「そうだ」


大石は縛られているからか、素直に質問に答える。こっちからすると都合が良いが。


「何で俺たちの命を狙った?」

「倍率を落とすためだ」

「倍率?なんの?」

「世界を救うのはチート能力があれば余裕だ。だが、願いを叶えてもらうのは他にライバルが多すぎて難しい。だから強そうな奴には不意打ちで退場して貰うんだよ」


倍率を落とすってそういう事かよ。ってか退場ってお前……殺すって事じゃねえか。どんだけ願い叶えたいんだ。

自分の私利私欲のために人を殺すのかこいつらは。クソだな。


「じゃあお前は厄介だから退場して貰おうかな」


慈悲はない。


「ひいいっ!」

「みんなで協力した方が良いと思うけどなぁ……」


後ろで悠里がしみじみと言った。


「何だか嫌な予感がするんだよねー」

「嫌な予感?」


俺はお前の発言に嫌な予感がするけどな。


「余裕じゃ無かったらどうする?例えば、みんなで寄ってたかって戦っても倒せない敵がいたらどうする?」

「ぐ……それは……」

「それに、どうやったら世界を救えるのか分かってるの?」

「そんなものは知らん」


知らんのかい。あんま役に立たねえなこいつ。


「殺さないでおこうよ。やっぱり殺人はよくないよ?康介」

「でもコイツはお前を殺そうとしたんだぞ?」

「……康介」

「あぁ、分かったよ!殺さなきゃ良いんだろ?分かりましたよ!」


悠里にこう言われてしまっては殺せない。でも、コイツはマジで信用出来ないしな。脅しておこう。


「おい、お前。次俺たちになんかしてみろ、次は本気でぶん殴るぞ」


端的に言えば殺すって意味なんだが。

その意味が分かったのか、大石は青い顔をしてコクコクと頷いていた。


「あと、誰かに俺らの事を喋べるのもナシだ。分かったか?」

「わ、分かったから、この縄解いてくれ……」

「知るか。じゃあな」


俺たちは大石を放って王都へ向かった。

正直、いつ裏切るかわからんし連れて行くのは論外だしな。

サブタイトルがネタ切れ気味です……しんどくなったら辞めます

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