表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あとすこし

作者: もずく

ああ、しまった。


おれは暗闇でため息をついた。

むしょうに美味しい林檎が食べたくなって、遠出をしたのがいけなかった。

しあわせな気分で果肉を頬張ったのもつかの間、おれを激しい雨が襲ったのだ。


がっかりした気分で食事を中断し、おれは近くにあった穴に避難した。

しほうに風は吹き荒れ、あっという間に地面に小川が出来ていた。


ぬれた身体が気持ち悪く、おれは何度も身震いをした。

まだかまだかと待ち続けたが、雨は一向にやむ気配がない。

できることなら明るいうちに帰りたかったが、それは到底無理そうで、

あくまの悪戯をおれは呪った。


と、その時だ。突然の衝撃がおれを襲った。

すこしなんてもんじゃない。まるで天地がひっくり返るような振動と浮遊感。

これはただごとではないと穴を這い出て、おれは全てを悟った。


しくじったと後悔してももう遅い。おれの居る果実は二度と樹に戻らない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ