表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
3章 新たな力と幼い?天才達
66/66

影が薄いって言わないで 2

宜しくお願いします


 ここに居ないはずの少女が、居てはいけない部屋から爆風と共に出現したことに驚くユキナリと、ギュッと抱き付いたまま吹っ飛んだ扉の部屋を威嚇するように睨みつけるタンポポ。


「ど、どうしたんだよ、タンポポ?なんでここに?」


 何かに怯えている様子のタンポポの背中を摩ってあげながら、問いかける。


 興奮していたタンポポも次第に落ち着いてきたようだ。落ち着いたら落ち着いたでユキナリに抱き付いている事に気が付いて慌てて飛び降りてしまった。恥ずかしかったのか普段クールなタンポポが顔を真っ赤に染めているのが可愛らしい。


 思わず、ミールにやるように頭を撫でまわしたい衝動にかられていると。


「全く!貴様!何するでおじゃるか!?」


 タンポポが吹き飛ばしたと思われる扉から現れたのは、縦が150cmくらいながら、横が2メートル近くありそうな肥満体系のおっさんであった。


 でっぷりと膨らんだ腹によって局部は見えないが、全裸のようであり、歩くたびにタプタプぷるぷると脂肪が波打つように揺れている。


「我は正規の価格をキッチリ支払っているのでおじゃる!そこな狐娘は我にごっ奉仕する義務があるでおじゃる。」


 おじゃデブの言い分では、このおじゃデブは龍宮城の客であるようだ。


「タンポポ、いつの間にこんな副業を?給料少なかったか?」


「何勘違いしてるのよ、バカ!私はあんたの見舞いに来ただけで、廊下を歩いていたら急にあの男に部屋に連れ込まれちゃっただけよ!」


 そしたら急に服を脱ぎだすわ、「レッツパーティータイムでおじゃる」とか訳わかんない事言ったり、私の服を脱がそうとするからつい吹き飛ばしちゃっただけだもんというタンポポ。


 どうやら、アモンからユキナリが倒れたことを聞いた仲間達は全員で駆けつけようとしたのだが、魔力による毒物は魔力耐性の低い者、つまり普段魔法と縁の遠い種族には有害である。シャナ達と面識のあったカルリリスは二次感染の被害を防ぐために、シャナ達への見舞いの自粛を求めた。


 最初は、心配のあまり突撃を駆けそうになったシャナであったが、自分の所為でシャナ達が倒れたらユキナリは悲しむだろうという説得により断念。精霊との親和性の高いケンタウロス族やドワーフ族も、こと魔法に関しては相性が良くない。カルリリスの心配は最もであった。


 それでもユキナリが心配な2人は、仲間の中で最も魔法に長けている【九尾族】のタンポポに様子を見てきてもらえるように頼むことにした。


 興味ありませんとばかりに素っ気ない態度であったタンポポではあったが、やはりユキナリが心配だったのか、知らせに来てくれた【ドリアード族】の女性(巨乳)を連れて急いで出発したのだった。


 龍宮城に到着すると、ユキナリが4階の一番奥の部屋で寝かされている事を聞いて早速向かうタンポポ。若干速足気味だったのはご愛嬌である。


 さて、実はこの時カルリリスも予想できなかった問題が発生していた。


 知っての通り、この龍宮城とは高級風俗店である。顧客も各国の権力者や重鎮が鎮座している。一見さんはお断りでありながら連日大盛況であった。


 勿論この日も獣欲まみれの人達がロビーでくつろいでいたのだが、そこに現れたのは龍宮城の名簿に載っていない狐耳の可愛い幼女。


 常識のある常連であれば、何らかの理由で招かれた客人等の想定は出来るはずなのだが、運が悪い事にこの日は問題客が来店していたのだった。


 大陸最大の国家【シーナ】の宗教団体最高司祭である【マキャロッペ・エミニーハ】が来ていたのだった。この男、聖職者でありながら風俗に入り浸っており、特に小柄な女性が好きというロリコンである。


 龍宮城には多様な趣味の方々にも楽しめるようないろんなタイプの女の子が在籍しています。マキャロッペ司祭のお気に入りは【ハーピー族】の【エデン】ちゃんである。ただ、この日は運悪く体調不良で寝込んでしまっていた為、出社していなかった。


 お気に入りの娘がいなくて他の娘を探していた時、彼の好みにドストライクな容姿のタンポポが入店してきちゃったのだから大変である。


 受付の女性(今日はイヌの獣人の女性であった。)に、さっきの狐娘を指名する旨を伝えるも、彼女は従業員ではないと断られてしまった。


 諦めきれないマキャロッペ司祭は、「4階の一番奥の部屋。」と呟きながら階段を昇っていくタンポポを先回りするように、【お客様限定転送陣】というエレベーターのように縦に移動できる魔道具を使って先に4階へと到着するのであった。




ご覧いただきまして有難うございます。

仕事も少し落ち着いたので、少しは頻繁に更新していきたいかなと思っております。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ