表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
3章 新たな力と幼い?天才達
51/66

戦女神のしごき 2

宜しくお願いします




 はぁはぁはぁはぁ。


「貴様、その程度で俺が満足するとでも思っているのか。」


 極寒の如く冷たい視線でユキナリを射抜くのは、中学生くらいの体躯で武士の着物を着た少女であるアテナである。


 そんな視線を受けながらも興奮して出る荒い息を整えるのに必死なユキナリ。


 さらに視線が険しくなるアテナ。


 2人が揃って何をやっているのか?小さい女性からの冷たい視線と言葉を受けてM気質に目覚めたユキナリが興奮している訳ではない。いや、何か目覚めそうな感じが無いわけではないが……ゴホンゴホン。


「たかだか26マイル程度の距離(約42キロ)を全力疾走させただけだというのに情けない。貴様本当に日本男児か、軟弱者め。」


 フルマラソン並の距離を無理矢理走らされたユキナリは地面にぶっ倒れているのだが、走らせた張本人はゴミを見るような目で蔑んでいた。


 



 なぜユキナリがこんな目に会っているのか?いつもの様に部屋でゴロゴロしながらテレビを見ていた所を突然現れた美少女に強制的に拉致られた結果、都市内にあったのだろう広大な運動場に連れていかれた。


 訳も分からず戸惑うユキナリに詳しい説明をする事もなく走る事を強要するアテナに当然拒否をするユキナリであったのだが、相手は神様である。一昔前のスポ根漫画のごとき指導という名の暴力が襲ってきた。


 神様の中でも戦闘力に長けた戦女神相手に一般人であるユキナリが対抗できる訳もなく、何が何だか分からないまま長距離を走らされた結果が現在の状況であったのだ。


「はぁ、仕方ない。そんな状態じゃ次の訓練まで進めないではないか、全く。続きは明日やるからな!朝6時にこの運動場に集合だ。1秒でも遅れたら分かってるだろうな?」


 刀の鍔を切るアテナの気迫に圧倒されたユキナリは首を縦に振るしかなかった。







 恐怖支配による強制トレーニングは翌日も、その翌日も続いて行った。トレーニングとは言っても、最初に軽い筋トレと柔軟体操をした後は永遠に走らされるだけの拷問であるのだが……。


 しかも教官?であるアテナが常にユキナリの後ろを抜き身の日本刀を持ったまま追走しており、常に威圧(プレッシャー)を放ってくるので精神的にきついものがあった。


 スピードを落とすと罵声を浴びせられ、へたり込むと蹴りが飛んでくる。なんでこんな事をしなければならないのか問いかけても「黙って走れ。」と無視をされる始末。ある意味海兵隊式訓練のような理不尽な特訓(ずっと走っているだけ。)を一週間やらされたユキナリは心身共に疲れ果てていた。


 勿論、ユキナリとてこのような不条理な仕打ちに対して指を咥えて総受けだけしていた訳ではない。アテナと親しいアル姉さんに頼んでやめさせてもらおうとしたり、水路なんかのせいで結構入り組んでいる街で隠れてやりすごそうとした。


 まぁ、結果は勿論失敗だったんだけどな。前者はなんかアル姉さんはアテナさんに強く出れないらしく、可愛く「ファイト!」って応援だけしてくれて、後者はなんか勘だけで発見されて引きずられていった。戦いを司る神様だけあって直観とかが半端ないらしい。


 という訳で、理由もわからずに強制参加させられる訓練。なすがままもユキナリは丸一年の間ずっと走らされるのであった。




ご覧いただきまして有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ