表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
3章 新たな力と幼い?天才達
42/66

友情そして崩壊

宜しくお願いします。



「来るんじゃねー!!ゴースト野郎がー!!!」


 テツから放たれる弾丸の乱れ撃ちがユキナリに襲い掛かってくる。スラム街のでの事件によって死亡して埋葬されたはずのユキナリが、仕事の最中にいきなり現れ、気楽な感じで「おひさー」とか声を掛けてきたことでテツを始めとした飛鼬組の組員を恐慌へといざなったのだ。


 この世界で死んだはずの人物に出会うのは、地球における幽霊等のオカルト的な物ではなくもっと直接的な恐怖心を与えるものである。


 最も身近な物は、ゾンビやグールといった人間や魔物の死体が魔力によって細胞が変質を起こし動き出した者である。四肢欠損や腐敗具合にもよるが、故人の肉体をそのまま使っている為外見上は人間である為退治する事に忌避感を持つ者が多いのである。脳みそが腐っている為思考能力がなく戦闘面は大したことがないが、アンデッド特有の病原菌や細菌を保有している個体が多く、放っておくとパンデミックが起こる危険性があるのだ。


 次に死者の魂を元に生まれる、ゴーストやリッチといった霊体の身体を持つ魔物である。魂を素材としている為、姿形は勿論、記憶も引き継いでおり触れない事以外は本人にそっくりである。テツ君は突然現れたユキナリをこの系統の魔物であると勘違いしているのだ。


「落ち着けって、うぉ!?危な!ストップ!テツ君ストッププリーズ!」


 何発も襲ってくる光の玉のような銃弾を驚異の反応速度で躱しながら近づいていくユキナリ。近づけば近づくほど顔が引きつって迎撃が激しくなるのだが、理由が分からないユキナリは、とにかく話しを聞いてもらわないとと近づこうとしているのだ。


 テツ君が恐れているのは霊体魔物特有の【呪い】というアーツである。霊体の魔物になる魂の多くは未練や恨みといった負の感情が強い物がなる傾向にあるという有名研究者の論文があるらしい。そしてユキナリは飛鼬組の組員であったゴンゾウによって殺されており、飛鼬組への恨みという面ではユキナリの魂は魔物化してもおかしくないのだ。


 つまり飛鼬組の組員の視点からこの状況を見てみると、暴走した組員のせいで死んだユキナリが、その恨みと怨念によってリッチとして生まれ変わり元凶である飛鼬組に復讐として呪いに現れたという事なのだ。


 ちなみにテツ君以外の建築作業員であった組員達はユキナリが現れた瞬間に一目散に逃げ出している。強面のお兄さん達が泣きながら逃げ出すほど呪いは怖いのである。


 





 結局銃弾の雨を潜り抜けたユキナリがテツ君に触れるころには1時間以上かかってしまっていた。とはいえやっと話しが出来ると思ったのだがテツ君に反応がない。


「あれ?どうしたんだいテツ君?」


 そこには魔銃を構えたまま気絶しているテツ君がいた……。







 さらにテツ君が起きるまで一時間がかかった。待っている間シャナとキャッキャウフフといちゃついて時間を潰していた。かまって欲しそうにしていたミールをシャナと2人で弄ることになったが。


 ようやく意識が戻ったテツ君に今度はミールが話しかける。また錯乱しない為の配慮だった。最初は混乱しているようだったが、ここにいるユキナリはゾンビでもリッチでもなく、ちゃんと生きていると根気よく説明するとやっとわかってくれたようだった。


「どうゆう事なのかまだ良く分からないが、生きていた事は素直に喜ぼう。お帰り、ユキナリ。」


「ああ、ただいまテツ君。」


 男同士の友情である、実際の2人は2日しか一緒にいなかったのだが、男の友情に時間など関係はなかったのだ。


「でもテツ君ってお化けの類苦手なのかい?」


 ユキナリの不用意な一言によって再び放たれる弾丸の雨。男同士の友情は儚くも崩れ去ったのであった。


 テツ君の機嫌を直すのにさらに1時間もの時間が過ぎ去っていくのであった。





ご覧いただきまして有難うございます。


最近会話を増やしたので中々ストーリーが進まないんですよね。要試行錯誤です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ