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ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
2章 新たな仲間と安住?の都市
24/66

ミール先生の異世界勉強講座 2

宜しくお願いします。



問い:階級とは何ですか?


答え:能力を表す目安となるものです。



 


 質問しといてなんだけど、すっげー抽象的な答えが返ってきやがった。


 もうちっと分かりやすくとお願いすると、その人が職業毎の経験値を貯めていくと上がっていきますというお答えが…………。


 つまり、各職業にはレベルのようなものがあって、それを表していると。職業を極めたり、多様な職業を経験すると階級の数値も高くなり、能力や有能性が一目で分かるということのようだ。


 国家の騎士団や、大御所の冒険者チームなんかでは、階級が一定以上ないと門前払いされるなどのボーダーラインとして使われているらしい。同じ戦士の職に就いていても、階級5と階級30では戦力面で大きな差があるわけだな。社会的な信用や実力を測る上で分かりやすい指標になるわけだ。納得、納得。


 ちなみに無職と奴隷は、いくら経験を積んでも階級は上がらないんだってさ。つまり俺は何か職業を得ないと永遠に社会的な信用を得られないという悲しい現実に密かに涙するのであった。


 泣く泣く次の質問にいくのであった。




問い:職業ってどうしたらなれるんですか?


答え:既にその職業になっている人に弟子入りするのが一般的です。


 成程、魔法使いになりたかったら魔法使いに、鍛冶師になりたかったら鍛冶師に弟子入りすればいいのか。


「でも、誰でもいいわけではなくてですね、経験の高い人に弟子入りしないといけないんですよ。なので、職業を得たい人は個人に頼るのではなくて、鍛冶師ギルドなんかの協会に入会して、ベテランの人を紹介してもらったりするんです。」


 へー、確かに知り合いとかに頼れる人がいないような場合でも、そうゆう所があったら便利だもんな。


「大体の国の首都には各種協会がありますので、行ってみるのも良いと思いますよ。」


  その後も、地理や国の情報、冒険者の話しを聞いて行った。



問い:最後の質問ですが、我々は何処に向かっているのでしょうか?


答え:自由都市フリーランドです。


 自由都市?


「おーい、2人とも。目的地が見えてきましたよー。」


 そこにかかったシャナからの声に、ユキナリとミールは馬車の出入り口から外に出た。


 ここから小高い丘を二つほど行った距離に、所々から煙を立ち昇らせている煙突を持った多くの建物と、その中心に遠目からでも大きさが良く分かる巨大な尖塔が建っているのが分かる。


「おぉ、結構大きい街なのですね?」


 シャナの驚いている声を聴きながら、俺も同じように感じていた。


 さっきの勉強中に見た、国の領土が大まかに載っているだけの簡易な地図だと、自由都市フリーランドの北西側には世界一の大国【シーナ王国】があり、その間に挟まれた形で【パリック国】という小国も存在しているが、シーナ王国の属国みたいなものらしい。


 地図上だと、シーナ王国の大きさと比べてしまって小さく感じるが、実際に見てみるとかなり大きいのだと感じた。


 自由都市という名前から、ドイツのように都市としての領土しかないと思っていたのだが、西側の牧草地帯や、東側の鉱山地帯などを見るに、地図と照らし合わせて見ても中堅規模の国家並の領土を持っているんじゃないだろうか?自由都市(・・・)なのに。


「あぁ、やっと着きましたですね。では行きましょうか、生産職の聖地【自由都市フリーランド】へ!」


 なにやらテンションの上がったミールに引っ張られるように足を進めるユキナリ一行。支配者が居らず、自由を尊ぶ都市フリーランド。将来、黄金の魔王ユキナリと最も関わりの深くなる所にやってきた瞬間であった。




ご覧いただきまして有難うございます。

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