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ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
2章 新たな仲間と安住?の都市
20/66

招かれざる客

宜しくお願いします。



 さて、これからどうしたものか…………。


 現在、俺を悩ませている元凶のミールは、シャナに抱きしめられてアプアプしている。どうやら彼女の過去話しがシャナの急所を抉ってしまったようだ。しきりに辛かったろう、悲しかったろうと言いながら抱きしめているミールの頭を撫でまわしている。


 注目すべきは、抱きしめられたミールの頭によって押しつぶされたシャナの胸部だ。決して大きい方ではない彼女の胸だが、ぐにぐにとミールの頭によって変形していく様には、確かな質量の存在を感じさせられる。ミール、グッジョブだ!


 おっと、話しが逸れたな。目はそらしたくないが話しを戻そう。さっき聞いたミールの話しには謎な部分が多くあった。盗賊襲撃の理由。貴族や奴隷のドワーフ達の行方。まるで予知していたのかのように手早い城からの使い。なぜか1人だけ追放されたミール。


 偶々偶然が重なったとか、シーナ王国の諜報部門が優秀ですぐに対応できたとかだったらいいんだけど、もし何かの陰謀にミールが巻き込まれているのだとしたら、こっちにまで火の粉が飛んでくるかもしれない。


 シャナとミールだけなら圧倒的な武力があるからなんとかできるだろうけど、俺という足手まといがいる状況で関わるのはシャナまで危険に晒してしまう可能性がある。どうしたものか。


「そういえばミール?その事件はいつ起きたのだ、テビニーチャに居た頃はそのような情報は流れてこなかったが?」


 そうだ、確かに過去話からは時期を表す表現がなかった。ナイスだシャナ。でもさっきミールの事呼び捨てにしていたけど、あれでもお前より8っつも年上だからな。見えないけど。(ユキナリ20歳、シャナ17歳、ミール25歳である。)


「今日ですよ。」


 はい?


「主の訃報を聞いたのは今日の朝です。それから追い出されて森を彷徨っていましたので、ざっと5時間程前になります。」


 あっれー?これは予想外な発言がきたぞ。まさかの当日発言!?これって、もし何かの陰謀説が正しかったら、ミールを追ってきた刺客とかとバッタリ会っちゃうフラグ建ったんじゃねぇ?


 あわあわとユキナリが狼狽している最中、これぞお約束のように目の前の草木が揺れる。現れたのは頭にお揃いの黄色いバンダナを巻いた8人の男達だった。


 男達は予定外だった人物がいることに驚いていたが、シャナを見るといやらしく口元を歪めていた。


 男達のリーダー格と思われるヒョロ長い男が出てきて、俺達は盗賊団【金色の風】の一員だ。死にたくなかったら女2匹と有り金置いていけと、いかにも盗賊らしい脅しのセリフを吐いて言った。


 盗賊からの脅しを聞いたシャナは既に臨戦態勢を整えている。ミールはユキナリの背中に隠れるように張り付いて震えている。そしてユキナリは誰が見ても分かるくらいキレていた。


 そもそもユキナリの前世は、金持ちや強者に全てを奪われる人生だった。その反動から神への願い事も即物的なものを願ったわけだが、とにかくユキナリは自身の所有物を一方的に奪われることに憎悪という程に嫌悪感が出るのだ。


 そのユキナリに対して、彼の心の在りどころである金銭と、彼を慕ってくれるシャナを寄こせと言われた事でユキナリの沸点は一気に突破した。(ミールはまだ出会ったばかりの為、ユキナリ大事な物リストに入っていなかった。)


 剣や斧などそれぞれの得物を構える盗賊相手に、ユキナリは腰から下げた魔剣を抜き構えた。


 洗練された装飾と、一目で名剣だと分かるオーラを纏った魔剣の登場に、盗賊達が浮足立つ雰囲気を感じる。


「くそっ!相手は1人だけだ!囲んで()っちまえ!!!」


 リーダーの激に盗賊達が武器を振り上げて襲い掛かってくる。


 覚悟しろよ。俺の大事(・・・)を奪おうとする奴らに容赦はしねぇぞ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!




ご覧いただきまして有難うございます。

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