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ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
1章 荒んだ青年と安全?な世界
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異世界ニート生活

宜しくお願いします。




 朝起きてー咥えるパンとひとー騒動♪


 ないな。だって超平和だもん。


 この世界に転生してから9日目の朝を迎えた俺は宿屋のベッドでゴロゴロしている。


 ちょー暇なんだよなぁ。5日目の夜にシャナを送り出してからは特にイベントのような事は起きなかったな。最初の5日が怒涛のように過ぎていったといっても過言ではないが…………。


 暇なんだったら遊びに行けばいいんだけど、この世界には娯楽という物が極端に少ない気がする。野球やサッカーみたいなスポーツは存在しないし、身体を動かすものは剣術道場とか馬術の訓練とかの兵士や貴族の専売特許だし、観劇鑑賞といっても吟遊詩人が街中で単身歌っているくらいだ。もちろんゲームセンターやパチスロもない。


 テビニーチャの街はそこそこ大きな街らしいのだが、5日も滞在していれば目ぼしい所は既に廻ってしまっている。そんなに店の種類があるわけじゃないしなぁ。


 寝間着として使っているシャツをベッドの上に脱ぎ捨てると、いつもの布の服に着替える。ユキナリが愛用している初期装備の布の服だが、なんとこの服、意外と高性能なのかどんなに汚しても破けても翌日には新品同様になっているのだ。最高神がくれたものだからかな?普段着に便利なのでいまだに愛用していたりする。


 食堂に顔を出すと、この宿の看板娘であるテリーヌが今日の朝食であるパンとコンソメのスープ、焼いたベーコンのような肉の食事を配膳してきてくれた。テリーヌはちょっと野暮ったい髪型だが素材は悪くない女性だ。笑顔が可愛く街の人達にも人気があるようだ。


「どーぞー、ユキナリさん。サービスですー。」


 ほんわかした喋りで野菜の煮物が入った小鉢を置いてくれるテリーヌ。最初に過剰なチップを渡しといたからか、いろんなサービスをしてくれる。但し性的なものは除くが・・・。中々好みだったからそういう展開になったらいいなぁという思惑も金貨にはあったんだけど、今の所そういう関係には行けてない。残念。


 カチャカチャと食事を終えたユキナリは自分の客室へと帰るとベッドへと潜り込む。朝の日課を済ます為だ。……ハッピージョブ(自家発電)じゃないよ?


 右手を胸の前で開くと意識を集中する。ピカッと光ると金貨が1枚手のひらに現れる。次いで襲ってくる半端ない疲労感。ユキナリはため息を吐きながらベッドに倒れこんだ。


 そのまま目を閉じたユキナリは意識をゆっくりと沈めていく。ここ数日の経験から【無限黄金郷(エルドラド)】を行使した後の急激な倦怠感は5時間以上寝ることである程度回復できることがわかっている。


 現在のユキナリの1日のスケジュールは


 7時:起床及び朝食。その後アーツ発動。睡眠。

 12時:再び起床。街に出かけて観光と昼食。

 19時:宿か酒屋で夕飯。

 22時:アーツを起動し、意識を失うように就寝。朝までぐっすりだ。


 改めて見ると、1日14時間も寝ている事に驚く。ニートもビックリだ。働かなくても寝るだけで毎日200万円が手に入るのだから働く意欲がわかないのも無理はないな。


 そろそろ別の街に移動してみるかなぁ?せっかく異世界で生まれ変わったんだ。1つの街に留まってゴロゴロしているのも勿体ない。


 懐に仕舞っている革袋の中身を思い浮かべる。金貨が7枚に銀貨銅貨が数十枚くらい。宿屋の宿泊費前払いが明日まであるから出るまであと3枚は金貨が増えるだろう。1000万円もあれば窮屈な旅はしないで済むだろう。馬車とかでもいいし、あるようなら魔法的な移動手段も経験してみたい。


 取りあえずは今日、明日で食料品や地図なんかの旅の道具を揃えよう。また荷物が増えるなぁ。こうゆう時ファンタジー物の主人公だったら【アイテムボックス】とか異次元の収納魔法なんかを使えたりするんだろうけどな、いいなぁ。俺もそうゆう能力が是非とも欲しい所だ。


 とはいえ現状では無理だからな。金の力でも無理なものは無理だ。


 このあとの展望をなんとなーく想像しながら俺は意識を手放した。






ご覧頂きましてありがとうございます。

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