第十二話 「唯一の存在」
ご覧いただきありがとうございます。
本作は
「中華風後宮ファンタジー」
「年上攻め×主人公受け」
を詰め込んだBL作品です。
シリアスになりすぎず、基本はコメディ寄りで進みます。
どうぞ肩の力を抜いてお楽しみください。
後宮の地下深く。
血に塗れた龍霊雨器――
嗜血凶剣・饕血は、誰にも触れられぬよう、幾重にも結界を施され、厳重に隔離されていた。
玄曜が、静かに歩み寄る。
「……オマエの処分が決まった」
低く、感情の読めない声。
「遥か昔、国を救った英雄だったことは認める。
だが――人を利用し、斬りすぎた」
一呼吸、間を置く。
「それに……」
玄曜の視線が、冷たく細められた。
「オレの物に、手を出した」
玄曜は饕血に手を伸ばすと、静かに目を閉じた。
刹那――
剣は眩い光を放ち、その輝きは、音もなく霧散する。
そこに残ったのは、
もはや意思も声も持たぬ、ただの剣だった。
これこそが、玄曜の能力。
龍霊雨器に宿る魂を消し去る――
龍の神の力。
この後宮において、
人よりも、皇帝よりも、遥か高みに在る存在――龍霊雨器。
その龍霊雨器が、唯一恐れる存在。
それが、玄曜だ。
――だが。
その男が力を振るう理由は、ただ一つ。
守ると決めた、唯一の存在のために。
※作者より
ここまで『龍霊雨器』第二章をお読みいただき、
本当にありがとうございます。
流星と玄曜は、まだ言葉にできない
距離のままですが――
第三章では、二人の関係が大きく動き始めます。
月下聴絃会をきっかけに、これまで抑えていた想いが
少しずつ形になっていきます。
ここまで読んで「この先も見届けたい」と思って
いただけましたら、ブックマークで追っていただけると、
とても励みになります。
第三章は【2月28日(土)19時頃】より開始予定です。
引き続き、龍霊雨器をよろしくお願いいたします。




