第一章23話 オレ4節 『罪に問えない不正行為』
一章23話予告編動画
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「み、皆さん静粛にお願いします。静粛にお願いします」
進行委員が場を鎮め、生徒たちは表面上落ち着きを取り戻した。
次の登壇者、それは火中の栗ならぬ渦中の栗であるルゥガだ。
この後何を言うのか何をするのか、今や期待は最高潮に盛り上がり皆が一秒でも早くルゥガの言葉を待っている。
「……では次は……ルゥガ君……です」
緊張感をもった面持ちで進行員がルゥガを呼び込む。
舞台袖から現れたルゥガは焦ることなくゆっくりと演説台の前まで歩いて来た。
生徒全員が固唾を飲んで期待感に胸をときめかせる。
顔を席に向けたルゥガが一呼吸置き、ついに口を開いた。
「ようようよう、始める前にカマす前に、俺は何分しゃべっていいのか分からない 誰に聞いたらいいのか分からない 選挙管理委員長? それとも生徒会長? この学園 誰が長なの分からない この愕然 だったら俺が長やる分かったか」
したり顔で生徒に両指を刺し、ラップを決めるルゥガであった。
その期待との落差に周囲の熱が冷めていくのを感じる。
「あいつ何やってんのよ! 今はまじめにやれ馬鹿!」
キリエが髪を逆立て憤慨する。
会場の冷めた空気感を感じ取ったのかルゥガは舌をペロリと出す。
「で、何分しゃべったらいいんですかね? ルーガ選挙管理委員長? あいや間違いました、そっちの糸目の人」
皮肉たっぷりに本当の選挙管理委員長を指名するルゥガであった。
指名された選挙管理委員長こと糸目は、ルーカスとアイコンタクトを取る。
ルーカスはしぶしぶといった様子で目をつぶると、小さくうなずいた。
「まぁ~さっきの事もあるしぃ、通常の5分を認めようじゃないかぁ~」
ルゥガはニヒルな笑いを糸目に向けると、両拳を突き出すように親指を上げて了解した。
「俺が会長になった暁には――」
ルゥガが演説を始めたのを見て、コガミは焦っている。
まさか通常通りの演説をルゥガが始めるとは思ってもみなかった。
ここに来るまでの幾重の障害を突破しなくては、こうはなっていないはず。
しかし奴は、いや奴らは事実それを成し遂げたのだ。
まったく予想外だ、この感情は畏敬の念とも言ってもいい。
だがやはりダメだ、奴が生徒会に、この僕に勝つなどあってはならない事なのだ。
最早なりふり構っていられない。
――負けられない、ルゥガには絶対。
コガミは何度か息を吐いて精神統一する。
「あれを使います」
「そうしろ」
ルーカスと短くやり取りをしたコガミは、こちらを伺っていた仕掛け人に合図をした。
コガミが用意していた最後のカード、ホール全体に対する攪乱魔法の行使の合図であった。
「これで、終わりだよ」
目をつぶりコガミは魔法の発動に備えた。
攪乱魔法とはその名の通り一帯の人間の精神を乱すものだ。
認識阻害は個人に対してかつ用途が広いのに対して、こちらは戦術的に対人攻撃に使われるものだ。
生徒会の息のかかった生徒3名をみつくろい、アメをちらつかせもしもの為に備えていたのである。
3人は合図を受け、同時に魔法を詠唱する。
事前準備あり、十分な時間と集中、それぞれが術式をサポートする形でその魔法範囲はホール全体に広がっていく。
「――俺が目指す学園政治、それは弱者の救済だ」
突如ホール全体に強力な錯乱魔法がかけられる。本来は頭痛や不快感、視界不良などを引き起こす魔法である。
――が、誰もそうはならなかった。
何故ならば、一瞬しか発動しなかったのである。
会場にいたほとんどの生徒は、何か魔力がホールを一瞬駆け巡ったようにしか感じなかった。
「……今みてーな、露骨な妨害がまかり通る現状はおかしいだろ? 会長の二番手コガミが当選したらまた同じことが続くんだぜ?」
生徒が騒めく中、ルゥガは怯まずに演説を続ける。
「(……ありえない。今までのような適当な妨害ではないんだぞ、これは……)」
眼鏡奥で、真に驚いたようにコガミは状況を確認していた。
ホールの中で詠唱をしたのは3人の生徒だ、それぞれが別の場所におり同時に詠唱を開始したはず。
それを発動した瞬間に止めただと?
――発動した後ではなく?
どういうことだ。これは妨害工作をする3人の位置があらかじめわかっていてマークしていなければ分からない事だ。
一体、何をどうやって……。
コガミは怒りと恥辱に拳を握り締め肩を震わせていた。
…
……
………
時間はテリオスとの会議シーンに戻る。
オレたちは妨害対策について話し合っていた。
「いかに生徒会の権力が強力で、ある程度もみ消せるとはいえ全校生徒が見守る前で暴力沙汰は流石に無理がある。そうなると、精神系魔法による妨害が見込まれる。生徒会の息のかかった中で精神系を得意とするのはこの3人だ。特に学園一といわれるこいつが中心となって範囲術式を発動する可能性が高い」
オレは生徒名簿を指さし、懸念要項を伝えた。
「理屈は通っているが、仮にそうなった場合、魔法術式の解除はどうする? まさか見込みで襲うわけにはいかないし、発動してから止めても遅いだろう」
「ああ、こうすればいいんですよ」
オレは軽く、攪乱魔法の術式解除方法について説明した。
「失礼だが、君は1年だろう。何故こんな難解な方法を……?」
テリオスは驚いたようにオレに疑問を持つ。
しまったな確かにこれは、学生レベルではなかったか。
「まぁ自分の専門、妨害系っすから」
オレはいつものように首を鳴らしながらごまかした。
「オレは他にやることあるんで、テリオス先輩は対応お願いしますよ」
………
……
…
――ホール天井裏にて。
「(いやはや、まったく彼の描いた通りになるとは。これではまるで未来視のそれだな)」
件の生徒をマークしていたテリオスは、きっちりと役目を果たしていた。
男を床に押さえつけ拘束しながら、内心ジンクに賞賛を送る。
他の場所でも同様にテリオス陣営の面々が仕事をこなした結果、攪乱魔法の即時解除に成功したのであった。
「(まったく賞賛を送らざるを得ないな、ジンクか。陣営が違わなければ間違いなく仲間に引き込んだものを。いや実に惜しい)」
この男、顔にたがわず人たらし。自身の行動もさることながらテリオスは気に入った相手をすぐに引き込む質である。
結果現在のようなバラエティ豊かな陣営になったのだが、それはまた別のお話。
テリオスは天井裏から、ルゥガの演説の盛況具合を見た。
「(……なるほど、今回の演説は彼の勝利のようだね)」
テリオスは負けを認識しつつ目をつぶり、どこか嬉しそうに笑う。
現在壇上ではルゥガの演説が〆に入っていた所だった。
「てなわけでよ、俺は退学になった仲間たちの為にも弱者救済を目指すぜ。勿論現生徒会のようなカチコチな学校政治も適度になくす。だけどよ、それだけじゃねえんだ。俺が本当に辞めさせたいのは退学なんだよ」
自身の根源的な動機。個人的な私怨を元に、全生徒に共感を抱かせたルゥガはさらにその先の本音について語る。
男は胸に手を当て必死に生徒に訴えかけた。
「退学システムなんてどう考えてもおかしいだろ、能力不足だったら補修なり最悪留年にすればいい。三年という短い時間で人生が決る訳じゃねーんだ。退学になった奴らの中には絶対に大成していた奴もいるはず、それを無下にするなんて俺は許せない。だから言うぜ」
ルゥガが一息置く。
「俺に投票しろ。つまんねー学園をぶっこわしてやるよ」
殺し文句と共に話を終えたルゥガに、割れんばかりの拍手が向けられる。
話しぶりは雑であったが、その打ちのめされた背景、不当評価されていたこと、さきほどの生徒会長へのカマし、先日の決闘、そして何より真摯な演説や退学者への熱い想いが、その熱量が十二分に学生たちに伝播していた。
この演説をもってして筆頭候補者ルゥガとして返り咲いたのである。
公開演説の全プログラムが終了し、解散となった。
ホールからは生徒がまばらに退出しつつある。
ステージ袖裏でルゥガ陣営の三人は勝利の達成を喜んでいると、それを後押しするように次々と学生が声を掛けに来たのだ。
ルゥガの熱い演説にあてられたのか、泣いた、感動した、熱くなったなどなど、演説は成功したという実感を形として三人は受け取っていた。
「なっはっはっは!! どうよ俺様のカリスマ? 見せちゃったかなー? 大盛況! 完売御礼って感じじゃね?」
オレ達二人の肩に手を回し、ルゥガは機嫌よく肩を叩いてくる。
お調子者ここにありといったような状態だが無理はない。
生徒会の妨害を何枚も抜けて、オレ達はやりきったのだ。
「まぁ今回ばかりは、この結果に免じて許しましょうか……」
キリエも片目をつぶり口では嫌味を言っていたが、口元が綻んでおり実際は嬉しいようだ。
その声色も話している内容とずいぶん乖離した感情が乗っている。
「ああ、無事成功してオレも安心した」
実投票数はともかく、心情的には大きくリードしたな。
これで終わりのはずがないが、今だけはこの余韻に浸りたかった。
オレは体の重さから全身に強い疲労感を感じる。
先ほどの無茶のせいでなんとか立っている状態だったが、それでも大きな喜びや達成という感情を理解せずにはいられない。
なるほど仲間というやつか。
――これは悪くない。
そこに神妙と怒りがない交ぜになったようなコガミと、いつもと同じ無表情のルーカスがやってくる。
「今回は……お前にやられやよルゥガ。負けを認めよう。だがまだ選挙は終わっていない、投票が終わるまで勝ったとは思うなよ……」
コガミは静かに怒りながらメガネを押えると、その奥から激しい敵対心をルゥガに向けた。
「Hey,you! 何熱くなっちゃってんの? 何自信なくしちゃってんの? お前ら仕込み 全てお見通し 俺らの目論見 全て思い通り 俺ら楽しく有頂天頭脳戦 お前ら寂しく敗北宣言一目瞭然 Aye~~~」
ルゥガはふんぞり返りながら見下すと、メガネに追い打ちをかけている。
キリエは今回に限っては文句が無いらしく、ルゥガと一緒になって表情で相手を蔑んでいた。
今回はペナルティを含め、だいぶオレ達にも妨害が入ったからな。
人は自分の立場によって意見を変えるということか。
しかしこの流れは以前にも見たな。
ルゥガの性格を考えれば当然の帰結だろうが、コガミのライバル心やプライドはそれでも何か一言、返せなければ許せないのであろう。
……こいつも難儀な性格だな。
「登録日についての記載だが、確かにこれは穴だったな直ちに修正しておこう」
一撃でやられたコガミの代打としてルーカスが参戦する。
対面で見たのは初めてだが、その存在感は確かに圧倒的だ。
二メートルはあるかというような身長に、制服からはちきれんばかりの筋骨隆々な体躯。
そしてその中に内包された膨大な魔力と意思。
なるほどこの学園の支配者だという事だが、オレが出会ってきた人間の中でも最上位に入るだろう。
いまだ十代でこれだというのだ、将来が末恐ろしい。
「おいおい、あんたは今年で卒業だろうが。卒業後の学園も心配とは、いやはや頭が下がりますね」
コガミに向けていたあからさまな侮蔑とは異なり、少し態度を引き締めるとルゥガは警戒するように嫌味を言った。
ルゥガにとってはこの会長こそが倒すべき悪の権化なのだろう。
「今回のように選挙を、混乱や不当な目的で使われては困るだろう。後輩にそんな愚かな真似はさせたくない、ただそれだけだ」
そのルーカスの牽制、放たれる威圧感は大抵の生徒いや人間であれば委縮してしまうほど強烈なものだったが、ルゥガは跳ね除けるとなおも噛みついた。
「そんなおためごかしを言いに来たのかよ? 案外暇なんだな」
「宣言しにきたのだ、ここからは本気で狩らせてもらうぞ……」
なおも食い下がるルゥガに、今度は表情と言葉に憎悪を込めた一撃を放つ。
オレはそれを素直に恐ろしいと感じた。
魔法的な何をされたわけではないのだが、ただ言葉とその覇気ともよばれるような胆により生物的な、根源的な命の恐怖を感じたのだ。
横にいるキリエ、そしてコガミでさえもその様子に縮み上がっているようだ。
しかし唯一、直接その言葉を受けたはずのルゥガだけが毅然とした様子で切り返した。
「ほぉ狩りときたもんだ。こいつはいいぜ、精々獲物にかみ殺されないように注意するんだなぁ」
相変わらずニヒルに笑うルゥガにルーカスは少し目を細めると、今度は矛先を変えオレとキリエを見ながら問い詰める。
「あの書類をどうやって入手した? ただの魔法ではないな、異能力か?」
「さぁ何のことか分かりかねますね」
当然ここで答える理由はない。
オレは首を鳴らしながら惚ける。
しかし、オレが何かカード持っているというのは知られてしまった。
最終局面ではどうするべきか……
「(やはり、こいつか……)」
ルーカスは察したかのようにオレをしばらく見ると踵を返した。
「今日は久々にスリリングだったよ、ではまた近いうちに」
そう言いながら、最後までジンクを睨んでいるオガミと共に去っていった。
二人の影が、人ごみの中に消えていく。
「っかー、死ぬかと思たぜぇ!」
ルゥガが息を大きく吐きながら、腰から砕けるように床に座り込む。
ルーカスの覇気を受けて平気だったのは、ただの瘦せ我慢だったようだ。
「本当よ……まだ冷汗かいてるし……。でも我慢だとしてもあそこまで張れるなんて、改めてすごいわね見直したわルゥガ先輩」
キリエも気が抜けたのか、壁によりかかりながら疲労困憊とした様子でルゥガを賞賛する。
彼女も魔力が一度尽きていたはずだ、その上で全校生徒に向かって演説したのだ、精神的な疲労も凄まじかったはずである。
「おうおう、おめーらも改めてよくやったな。しかしどーやったんだ? あの慌てようだ、ただの邪魔だけじゃなかったんだろ、何があったのよ?」
「そうよ、アレについてちゃんと説明してもらいますからね」
キリエが思い出したかのようにこちらを詰問する。
これでも今回の立役者だとは思うのだが、仲間とは厳しい関係である。
「そうだな……」
オレは周囲に誰もいない事と、魔法的探知がなされていない事をしっかり確認する。
それから、どうやってルーカス会長が持っていた資料を手に入れたのかを説明し始めた。
――時は数十分前、生徒会室に戻る。
「無いわ! ちょうど先輩の報告書分だけ!」
キリエが半泣きになりながらも叫ぶ。たしかにその部分資料は抜けており。
あてつけのようにぽっかりと隙間ができていた。
「こんなことだろうとは思った、会長も存外狸だったな」
冷静に呟くオレを見て、キリエが更に取り乱す。
「どうするのよ、私たちこのままじゃ全部終わりよ。せっかくここまでたどり着いたのに……」
キリエはうずくまり下を向く、絨毯に涙のシミが広がるのが見えた。
「諦めるのは早いぞキリエ。少し今から本気を出す」
「何を……する気なの?」
涙ぐんだキリエが不安にかられながらもオレを見上げる。
オレはキリエに頷くと、その本棚に手を伸ばした。
大きく息を吸い込み、深くオレは集中していく。
全身全霊をかけ、腕に魔力を込めると異能力を発動した。
オレは強く強くイメージする、ここにあったもの、それは資料だ。
大きさは左右と同じ資料ケースに入っていたはず。
昨日の夜、ここにそれは確かにあったはずだ。
全身の魔力が暴走し、筋肉が震える。
激しい痛みと拒否反応を起こしている体を無視し能力を行使し続ける。
気が付くとジンクの目鼻から流血が始まっていた。
「これは! 過剰な魔力消費による過負荷何!? 何してるのやめなさい! このままじゃ死ぬわよっ!!」
キリエが驚いたようにオレを制止する。
大丈夫だ、今のオレならこの体ならイケる――。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
気が付くとオレは激しく呼吸をしていた。
全身の筋肉は震え、汗が吹き出し、顔は青ざめ今すぐ昏倒しそうだ。
しかしオレの手にはそれが――ここに無いはずの資料が握られていた。
「何を……やったの? いえ! やったのねジンク! あなたすごいわ!」
喜びと驚きにキリエは顔を綻ばせ、今度はオレに抱き着いてくる。
たまらずその衝撃にオレはふら付いてしまった。
彼女の体温を匂いを温もりを感じる……。
衰弱したオレに気が付いたのか、キリエは身を離すとすぐにオレを支えた。
「いえ、それも大事だけどあなた大丈夫なの? 一体今のは……?」
キリエが喜びと心配と疑問を同時にぶつけてきた。
……忙しい奴だな。
朦朧とするオレは壁によりかかりながら、片鼻に親指をあて一気に血を排出した。
「悪いが説明は無しだ、オレはしばらく体が動かせない。今はこの資料を持って一刻も早くホールに向かってくれ」
「任されたっ!」
キリエはオレの差し出した資料を受け取ると迷いなく駆け出して行く。
コレでオレのできることは全てやり切った、せめて結果だけでもこの目で見ようとオレは体を引きずりながら歩き始めた。
――“オレ”の異能力について。
オレの異能力は、ずばり過去干渉能力だ。
能力は大きく二つに分けられる。
ケガや疲れなど、身体的なネガティブを過去に送っておく能力。
前借りならぬ
――【後借し】
当然死や取返しのつかない状態を過去に送ることはできない、なぜなら対応するのは結局過去の自分自身だからだ。
この能力の厄介な所は未来の自分が送った負債が、いつ訪れるかわからないという所か。
今回は腕のケガを半分だけ送った。
そして、ちょっぴりの過去干渉。
――【罪に問えない不正行為】
オレの能力は【後借し】を含め、あくまでオレの肉体を過去に飛ばすだけだ。
行動をしていたことにする。誰かに何かをしていたことにする。などというような大きな過去干渉はできない。
①二十四時間以内。
②具体的な場所の指定。
③体の一部位のみ。
④つかめるサイズの無機物。
今回の場合は、オレの右腕を昨日の夜に飛ばして、資料をつかんで現在に持ってきた。
現在の資料がどこにあっても、燃やされていても、切り刻まれていても――オレが持っていたということに現実が上書きされたのだ。
もちろん無理をしている分、非常に負荷が大きい。大体一発で魔力がオーバーロードする。
そして限界を超えて能力を使おうとした場合、オレの本体含めて死亡するだろう。
◇◆◇◆◇◆◇
――学園某所。
一人の学生、というにはいささか異常な風体のルーカス生徒会長がベンチプレスを持ち上げている。
百キロはあろうかというそれを上下させながら、じわりと汗をかいていた。
「(ジンクか……キリエはともかくとしても……奴の能力を侮っていた……まさに予想外……。なぜ今まで力を……隠していたのだこいつは……まあいい……宣言通りここからは……私も本気で狩らせてもらうぞ……)」
その丸太のように膨れ上がった腕は、まるで憎悪や怒りをため込むかのように休むことなく上下に蠢き続けていた。
読んでくれてありがとうゴブ!
ゴブリンのやる気を上げるために、よければ
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反応があると、とってもうれしーゴブ!
今日はシャウエッセンゆで焼きゴブ!




