第71話「お姉さんの恋人」
「やっぱり虎さんは可愛いわ」
客室から追い出されたお姉さんはそうドアの前で呟いた。
呟いたと同時にお姉さんはドアから離れるとその物音を優芽は耳を立てて聞いていた。
その行動に夕陽は気になり声をかける。
「そんなところで何をしているの?」
「恋人の危機を感じてたの」
「あのね、私はお姉さんに1ミリたりとも興味ないわよ」
「でも、私の夕陽危機管理局が信号を送ってるの」
「何よそれ?」
「一種のセンサー」
「じゃあ私もSḾ危機管理局を作ろうかしら」
「それってどういう仕組み?」
「優芽のМがだんだん無くなってきたから調教していく機関よ。あ、でも、世界中のМの子たちを調教したいわね」
「はい、そこストップ」
2人の会話に麻友は止めた。
「もしかして麻友はSМ危機管理局に興味があるのかしら?」
「あるわけないでしょー、全く変なところに食いつくんだから」
「だって、毎回あなたは私と優芽が会話してると止めてくるから罵られたいのかと思って」
「私は2人が危ない一線を超えないように注意してるの」
「あら、どこが危ないの?」
「人前や公共の場でするもんじゃないでしょ」
「その方が燃えていいじゃない」
「夕陽の感覚がますます分からないわ」
やれやれと麻友はお手上げした。
その頃、夕陽から客室を追い出されたお姉さんはあることを考えていた。
「おーい、里ちゃんいるー?」
お姉さんはフロントで指名するとその場で待った。
「お客様、ここは他の人も働いてますので私語は止めるようにお願い致します」
そうフロントの仕事をしてる人は注意した。
「えー、ったく。これだからきちんとしてる業界の人は」
ぶつぶつ愚痴を言ってると奥から30代くらいの女性が出てきた。
「富谷さん、ここは私が担当しますので変わっていただいてもよろしいでしょうか?」
「承知致しました」
里がフロントでの担当者に代わるとお姉さんは受付のテーブルに腕を付いてリラックスの体勢を取った。
「ねぇねぇ、今夜花火大会をしようと思うんだけど」
「はぁ、歌津ちゃんは良いね、悩みがなさそうで」
里は深くため息を付くとお姉さんである歌津に愚痴をぶつけた。
「え~、どうしたの急に」
「ちょっと今の現実世界にストレスが溜まってるだけだよ」
「もしかして仕事の悩み?そりゃ、こんなホテルで働いてるんだもん、誰でもストレス溜まるでしょ」
「それもあるけど、何だかね~。こうパチンと来る刺激が少なくてつまらないというか」
「刺激?もしかして、夜のあっちの方面で物足りないとか?なら、私がもっと頑張らないとじゃん」
「違うの、何ていうのかな。こうね、こう~っと」
里はリラックスして話を聞いてくれてる歌津に伝えようとしたが上手く話せず困っていた。
するとそこに、ホテルの入り口付近に置いてある自動販売機で飲み物を買おうとしてる夕陽たちが現れた。
それを見て歌津は近くに寄り話しかけた。
お姉さんが歌津ちゃん、その恋人が里ちゃんになってます。
やはり登場人物には名前を付けたほうが良いなと思いホテルのフロントである男性にも名前を付けました。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは。