第68話「107号室」
ホテルに着くと麻友たちは鍵を受け取った。
生徒会メンバーはかなり人数がいるのでそれぞれのグループごとに客室も分かれるかと思っていたがどうやら全員一緒の部屋であった。
客室は107号室、洋室ではなく和室で部屋に入ると畳の匂いが感じられた。
「狭いかと思っていたけど案外広いわね」
夕陽は客室に1番初めに入りそう言った。
「こう広いとみんなで枕投げしたいね」
優芽は夕陽に続けてそう言うと部屋の中央に置かれてある座椅子に座った。
他の生徒会メンバーも部屋に入るとそれぞれが窓から見える景色を見たり中にはシャワーが付いてるか洗面所はどうなってるか確認したりした。
「さすがにお札はないようね」
壁に飾ってある絵画の裏を見て林檎は確認した。
「やめてよ、私は怖いの苦手なんだから」
生徒会メンバーで麻友だけが特別に怖がりであった。
「大丈夫よ、こんなに人数がいるんだもの。お化けなんて出やしないわ」
パァッと明るく会長は手を合わせた。
「それじゃ、会長だけこの部屋で寝泊まりするのも面白いかもしれないわね」
「ちょっと夕陽、それはいくら何でもひどすぎるよ」
「冗談よ、ただこのホテルの案内表見るとここに面白そうなのがあるわ」
夕陽がそう示した先には地下2階お化け屋敷と書いてあった。
「私は絶対行かないからね!」
麻友は林檎の背中に隠れた。
それを見た林檎はにやりと笑う。
「誰も行くって言ってないわよ。そんなに怯えるほど行きたいの?」
少し涙目になりながら麻友は会長の後ろに隠れた。
「林檎さん、麻友のことからかいすぎよ」
「あら、そういう会長だって最近熱が冷めてるんじゃないの?」
「どういう意味かしら?」
「前までは麻友と一緒に登校してたのに、ここ最近は2人だけで過ごす時間がないんじゃないの?」
図星のことを言われ会長は少し下を向いた。
それを見た麻友は中に入る。
「そんなことないよ、ただお互い忙しいだけで」
「それを逃げてるというのよ」
3人の空気が悪くなってることに気づき夕陽はある提案をした。
「せっかくの旅行なのよ、貴方たち3人でお化け屋敷行ってきなさい」
「それもそうね、麻友、会長行くわよ」
林檎は2人を誘うと1番初めに客室を出た。
その後ろに麻友、会長は後を付いていく。
いよいよですね、ホテルでのお化け屋敷。
実は子供の頃に旅行に行った時ホテルでお化け屋敷があったんですよ。
今でも検索すればホテルでお化け屋敷をしてるところあるみたいですね。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは。